捜査官ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)が凶悪なテロ事件と戦う1日を、全24話の1シーズンかけてリアルタイムで描くドラマ『24‐TWENTY FOUR‐』。その革新的なスタイル、スピーディーかつスリリングな展開で視聴者を圧倒し、世界的に大ヒットした。

そのリメイク版『24 JAPAN』(テレビ朝日系)が本日10月9日からスタートする。主演は、原作の大ファンだという唐沢寿明。『白い巨塔』(フジテレビ系)をはじめさまざまなリメイク作品をヒットに導いてきた唐沢は、今作への出演をどう捉えているのか――。また、多くの人を虜(とりこ)にする同シリーズの魅力を語ってもらった。

【写真】唐沢寿明が“日本版ジャック・バウアー”に 『24 JAPAN』より

 『24 JAPAN』では、オリジナル版のシーズン1をベースに、“日本初の女性総理”誕生への期待が高まる総選挙当日の24時間を克明に描写。唐沢が日本版ジャック・バウアーとなるCTU(テロ対策ユニット)の獅堂現馬を演じ、仲間由紀恵が日本初の女性総理候補・朝倉麗役、栗山千明池内博之朝倉あき村上弘明佐野史郎ら実力派俳優たちがCTUメンバーにふんする。

■ 『24』ファンが「“頑張ってるな”って思ってくれれば」

 オファーを受けたときの心境を尋ねると、唐沢は「『リメイクをやるの?』って感じで、驚きでした。最初は謎のテロリスト役かなと思ってたんだけど」と冗談を交えつつ振り返り、「光栄なこと。チャレンジでもある」とりりしい表情に。

 大ヒット作のリメイク。原作のファンの目にどう映るか、プレッシャーもあるのではと問うと、「プレッシャーというよりも、賛否あることは何事も仕方がないこと。特にこの作品はあると思う」と淡々とした様子で答える。
「それを受け止めていくしかない。作品がどんどん出来上がってきて世界観がうまく確立したときに、オリジナルのファンの方が見て“頑張ってるな”って思ってくれれば、そこで初めて成功かなと思います。本家を超えることは誰がやったって難しいんだから、それを目指しても仕方のないこと。撮影をしていて、今は役作りやチームワークなどを含めて、結構うまくいっていると思うので、この集中力で最後までいけたらいいなと思います」。

■ 大ヒット作リメイクにも気負いなし「真摯に取り組み、楽しめるか」

 『白い巨塔』をはじめ、さまざまなリメイク作で主演を務めてきた唐沢。そのことについて自身ではどう思っているのかを問うと、「分からないんですけど、結果そうなってるんだよね」と苦笑い。「最初のリメイクは『西遊記』だったと思うけど、それはやりたかったからね。30代のころ、吹き替えなしでスタントも全部自分でやったから、作品的には成功したかは分からないけど、あれはやった意味があったと思う」。

 また、「毎回、リメイクをやるという気負いもないし、自信があるわけでもない」と素直な思いを口にし、「ヒットした作品もあったけど、それは結果論。やってるときはどうなるか分からないままやってるわけだし。リメイクとオリジナル、作品への挑むスタンスは全く変わらない。プレッシャーは基本的にはなくて、その作品に真摯(しんし)に取り組み、それをいかに楽しめるかってことかな」と作品に対する自身のスタンスを打ち明ける。
@@separator■ 日本版成功のカギは「“うそだろ”と思わせない世界観」

 オリジナル版を「眠れなくなるまで見た」という唐沢。その魅力を聞くと、「ストーリー」と断言し、「本当にストーリーが読めない。知らず知らずのうちに引き込まれていき、次が見たくなる」と語る。

 先にオリジナルを超えることの困難さを語っていた唐沢。一方で、日本版成功のためのカギを聞くと、「視聴者に“うそだろ”と思わせない、そういう世界観を作ること」との答えが。「銃の持ち方にしてもそうだし、誰かと電話で話しているときもその会話の仕方がうそっぽくないように見せないといけない。基本中の基本だけど、なかなかできないもの。そこの積み重ねでリアリティがでてくるんじゃないかな。緊張感を途切れさせたら厳しいと思うので、本番での緊張感を切らさないよう常に意識しないといけない。今回はずっと出っ放しではないので、撮影の合間も考える時間があってありがたい」。

 「サスペンス部分もそうだけど、CTU、総理大臣、暗殺犯側、全てに家族が関わってくるので、その部分に注目して見ると面白いと思う」と見どころを語った唐沢。「どんな立場であっても家族を愛するがためにこうなってしまうという人間ドラマ。
若い人たちに見てほしい」とアピールした。日本版ジャック・バウアーがどんな熱狂を巻き起こすのか、楽しみで仕方ない。(取材・文:高山美穂)

 ドラマ『24 JAPAN』は、テレビ朝日系にて10月9日より毎週金曜23時15分放送。

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