ゴージャスな美しさと幅広い演技力で、第一線を走り続けている女優の大地真央。4月10日にスタートするドラマ『最高のオバハン 中島ハルコ』(東海テレビ・フジテレビ系/毎週土曜23時40分)では、人々の悩みをバッサバサと切り倒す“アラ還マダム”を生き生きと演じている。
【写真】美しさとオーラがまぶしい大地真央
■パワフルなオバハン役!「体力もいるけれど、とてもやりがいがあります」
作家・林真理子の『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』『最高のオバハン 中島ハルコはまだ懲りてない!』(ともに文春文庫刊)をドラマ化した本作。毒舌スーパーレディーの中島ハルコ(大地)が、世の中の悩みや不正をなぎ倒す姿を描く。もともと「大地真央がハルコ役をやればいいのに」という声を聞いており、原作も読んでいたという大地。「すごく面白い!」と原作に惚(ほ)れ込み、「こんなにパワフルでステキなオバハン役だったら、ぜひ挑戦してみたいと思いました」と喜んで参戦したという。
ハルコに感じた魅力について、「ズバズバとものを言って、バサバサと人々の悩みを切っていく。忖度(そんたく)をせず、正義感があって、毒舌だけど『ハルコさんに悩みを聞いてほしい!』と周囲に人が集まってくる。そんな彼女が近くにいたら楽しいだろうし、話を聞いてもらったら、きっと元気になれるはず」とにっこり。「私自身も出会ってみたいと思うような人です」と声を弾ませる。
世の中に怒り、たんかを切るハルコがなんともかっこいい。演じる上では、「ハルコさんがとにかくタフなので、体力もいる役です」と苦笑いを浮かべる大地。
■胸に刻む、父からの金言
ハルコとひょんなことから知り合う、庶民のダメンズ女子・いずみ役を松本まりかが演じている。大地は「松本さんはとてもかわいらしい方で、現場のムードメーカーにもなってくれました。恋バナもしましたよ」と楽しそうに述懐。
恋に悩むいずみを叱咤(しった)する場面をはじめ、ハルコが放つセリフは名言の宝庫だ。大地は「くよくよ悩むのは時間の無駄。すなわち本来稼げるはずのお金の無駄」とのセリフが印象に残っているそう。「ものすごくハルコさんらしいセリフだと思いました。私は“悩むのが時間の無駄”とまでは思わないですが、悩んだり、行き詰まったときは、自問自答して解決するようにしています。
大地にとって、忘れられない金言はあるだろうか? すると「父はよく、“人生の波に逆らうな”と言っていました。“自分が誠実に生きていれば、どんな波が来たとしても、それに乗っていけばいいんだ”ということだと解釈しています。人生は、いいときも悪いときもあるもの。悪いときには、あがくのではなく、“今はそういうときなんだ”と受け入れることも大事なのかなと思っています」としみじみと話す。■宝塚で学んだすべてが「自分の誇り」
1971年に宝塚音楽学校に入学した大地。1973年に59期生として宝塚歌劇団に入団し、その後月組男役トップスターとして華々しく活躍。退団後は、ドラマや舞台で唯一無二の存在感を発揮している。大地は「宝塚で学んだことのすべてが、自分の誇りになっています」と心を込める。
「トップになるまでは、しょっちゅう失敗していました」と意外な告白も。「出遅れたり、靴を飛ばしてしまったり、ファスナーが開けっ放しだったり。
1985年のサヨナラ公演終了後の記者会見では、「記者の方から“退団後は何をやりたいですか?”と聞かれた」という。大地は「公演が終わったばかりでフラフラでボーっとしていたんですが、そのときにパッと出てきた答えが『風と共に去りぬ』のスカーレットと、『マイ・フェア・レディ』のイライザ。のちにこの2つの役を演じられたことは、私の転機の一つと言えるかもしれません」と見事に夢をかなえ続けている。
今秋には舞台『夫婦漫才』の公演も控えるなど、エネルギッシュに走り続けている。そのバイタリティーの源は、「とにかくこのお仕事が好きですね」という女優業へのまっすぐな思い。大地は「肉体も精神も整えることが必要ですし、身を削っているなと思うこともあります。カンパニーの中心にいるときには、周囲のテンションを落とさないように、平常心でいることも大切。大変なことはたくさんありますが、“感動した”という声をいただいたり、お客様の拍手や笑顔を見られることが何よりもうれしい。“みんなで造っていく”という過程も大好きです」と目を輝かせる。
オトナの土ドラ『最高のオバハン 中島ハルコ』は、東海テレビ・フジテレビ系にて4月10日より毎週土曜23時40分放送(全8話)。