俳優のジュード・ロウとジョン・マルコヴィッチが共演するドラマ『ニュー・ポープ 悩める新教皇』より、キャスト&スタッフのインタビューや、撮影の舞台裏を収めた特別映像が解禁。併せて、本作に寄せられたヤマザキマリや桂由美ほか著名人のコメントも公開された。
【動画】ドラマ『ニュー・ポープ 悩める新教皇』特別映像
本作は、史上初のアメリカ人教皇でカリスマ的人気を誇る若きピウス13世と、背後にうごめく権力抗争など、バチカン内部の人間模様をシニカルかつセクシーに描いて世界的に熱い注目を浴びた海外ドラマ『ヤング・ポープ 美しき異端児』の続編。ジュードとジョンが演じる、対照的でありながら人間的な新旧ふたりの教皇対決が見どころだ。監督・脚本・製作総指揮は、前作に引き続き、イタリア映画界が誇るオスカー監督パオロ・ソレンティーノ。
前作最終話で演説中に心臓発作を起こしたピウス13世ことレニー・ベラルド(ジュード)は、いまだ昏睡状態。後任探しにさまざまな策が講じられ、ようやく就任したのがヨハネ・パウロ3世ことジョン・ブラノックス(ジョン)。謎めいた行動と美貌でカリスマ的人気を誇ったレニーとは対照的な、哲学的かつ内向的な性格で中道派のジョンは“磁器のように脆い”と言われるほど繊細な中年男。つらい生い立ちゆえに人一倍愛情を渇望する彼は、いかにして人気を集めるかを模索する…。
特別映像は、キャストやスタッフへのインタビュー、豪華なセットに彩られた撮影の舞台裏を収めたもの。インタビューで、レニー・べラルド/ピウス13世役のジュードは、続編の出演オファーを受けた当時を振り返り「パオロが来てこう言ったよ、『構想が沸いたんだ。続けて見る気はないか?』とね」とコメント。本作について「レニーの人格は前作から変わっていない。だけど状況はもっと危機的だ」と説明し、パオロ監督については「監督の表現はとても視覚的だ。
ジョン・ブラノックス/ヨハネ・パウロ3世役のジョン・マルコヴィッチは「ブラノックスは、最初から自分が“繋ぎ”の教皇でしかないと分かっていたのかもしれない」と役柄を分析。そして「パオロとの仕事が大好きだ。彼の作品は美しく感動的で、しかも愉快で、人の感情に訴えるものだから」とパオロ監督を絶賛している。
パオロ監督は本作について「前作の撮影後に多発した、テロ事件に大きな影響を受けた。バチカンは天性のカリスマと権威をまとった教皇を選んだ」とコメント。さらに「神学の良さは、問いのみがあり答えはないところ。私にはパーフェクトだ」と、本作を象徴するかのような意味深な言葉を語っている。
また今回、本作を鑑賞した各界の著名人からのコメントも到着。『テルマエ・ロマエ』などで知られる漫画家で随筆家のヤマザキマリは「バチカンを描いたフィクションはいくつかあるが、さすがソレンティーノ監督、限界を超えた想像力と創作の自由がこれ程駆使されたものは前代未聞。世知辛いこのご時世に必要な、極上の栄養素に溢れたドラマであることは間違いなし」と絶賛。
ブライダルファッションデザイナーの桂由美は「ストーリーもさりながらまずセット、衣装の壮大さに圧倒される。更に新旧教皇の悩み、対立、周囲の葛藤が赤裸々に描かれている。1993年、私は日本の博多織で2年かけて製作した金の法衣を第264代教皇・聖ヨハネ・パウロ2世に献上する件でバチカンに赴きお目にかかった際、穏やかな表情で『神に感謝』と日本語でおっしゃり、暖かく大きな手で握手をして下さった。その裏にもこのようなドラマがもしあったと思うと感無量です」と語っている。
ドラマ『ニュー・ポープ 悩める新教皇』(字幕版・吹き替え版/全9話)は、Amazon Prime Videoチャンネルの「スターチャンネルEX ‐DRAMA & CLASSICS‐」で毎週木曜1話ずつ配信中(6月25日まで字幕版第1話無料配信)。
BS10スターチャンネルにて、字幕版が毎週月曜23時、吹き替え版が毎週水曜22時放送中。【著名人コメント】
◆今祥枝(映画・海外ドラマライター)
秘密めいたバチカンで、新旧教皇のジョン・マルコヴィッチとジュード・ロウが顔を合わせる瞬間を思い描くだけで、ぞわぞわ! 荘厳さの中に官能とエレガンスが漂う、パオロ・ソレンティーノの美学が貫かれた圧巻の映像世界は、いつまでも眺めていたい万華鏡のよう。
◆桂由美(ブライダルファッションデザイナー)
ストーリーもさりながらまずセット、衣装の壮大さに圧倒される。更に新旧教皇の悩み、対立、周囲の葛藤が赤裸々に描かれている。1993年、私は日本の博多織で2年かけて製作した金の法衣を第264代教皇・聖ヨハネ・パウロ2世に献上する件でバチカンに赴きお目にかかった際、穏やかな表情で「神に感謝」と日本語でおっしゃり、暖かく大きな手で握手をして下さった。その裏にもこのようなドラマがもしあったと思うと感無量です。
◆島田裕巳(宗教学者)
神聖なものの裏には必ずや政治とセックスがある。
◆SYO(映画ライター)
視覚的な遊びとは裏腹に、混沌は加速し不安は蔓延する。既得権益が崩れ、聖職者の愛が問われ、背後には忍び寄るテロリズム。擁立された新教皇は、呼吸音だけで民衆を動かす“彼”の影に克てるのか。「祈るだけ」の先を描くこのドラマ、やはり圧倒的だ。
◆辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
聖と性、強迫と慈愛、退廃と荘厳がうずまくバチカンの聖域に生息する、キャラの濃い教皇たち。イケメン教皇にポエム教皇、闇落ち教皇に病弱教皇……このドラマを観れば推し教皇が見つかって、魂が救われるはずです……
◆立田敦子(映画ジャーナリスト)
パオロ・ソレンティーノは映像美で知られる監督だが、単に綺麗なものを描くことには全く興味がない。欲望、成功への執着、醜態、狂乱といった俗っぽっく人間臭い部分にドカドカと踏み込み、人生の深淵を覗かせる。その強烈さ故に、彼の作品を好まない人もいるかもしれない。でも、それくらい強いリアクションを引き起こす作品は、絶対に観たほうがいい。
◆松尾貴史(タレント)
壮大さ、絢爛さ、そしてスタイリッシュ。
◆ヤマザキマリ(漫画家・随筆家)
バチカンを描いたフィクションはいくつかあるが、さすがソレンティーノ監督、限界を超えた想像力と創作の自由がこれ程駆使されたものは前代未聞。世知辛いこのご時世に必要な、極上の栄養素に溢れたドラマであることは間違いなし。