森崎博之、安田顕、戸次重幸、大泉洋、音尾琢真による演劇ユニット・TEAM NACSが、結成25周年を迎えた。開局30周年となるWOWOWとタッグを組んだプロジェクト『がんばれ!TEAM NACS』では、国民的グループを目指して楽曲制作をしたり、新メンバーオーディションをしたりとさまざまな企画に臨み、5人ならではといった爆笑のやり取りや“ぼやき節”もさく裂。
【写真】25年経っても、変わらない仲の良さ!
■全編アドリブ! TEAM NACS史上、初のチャレンジ
ーー気になる企画が盛りだくさんの番組となりました。最初にオファーを受け取ったときの感想から教えてください。
音尾:最初は、どういうことをやるのかまったく分かりませんでした。いろいろなアイデアを出した中で、それが採用されたり、されなかったりと、雲をつかむような感じで進んでいきました。撮影中も、“果たしてこれは、使える映像が撮れているのだろうか”という不安ばかりがよぎり…。ただいつもはセリフがある中でお芝居をしていますので、セリフを覚えてなくていいのは楽でいいなと思いました(笑)。
大泉:“方向性と設定はあるけれど、セリフはない”という話を聞いていたので、撮影が始まるまではちょっと心配でした。セリフ自体がすべてアドリブというのは、さすがにこれまでのTEAM NACSでもやったことがない。やってみると“案外できるものなんだな、楽しいな”と思いました。
戸次:最初、“山田孝之くんがやっていた『東京都北区赤羽』(テレビ東京系)みたいなテイストのものになる”と聞いていて。それならば“セリフに起こさないでください”とお願いをしました。“こういうことをやりたい”というアイデアも取り入れてくださって、新メンバーオーディションをやる場面があるんですが、それは僕がやりたかったことなんです(笑)。セリフも覚えなくていいし、撮影も1回きり。だからこそものすごく集中したし、いつもの芝居とはまったく違うものを要求されたことも、とても新鮮でした。企画段階から撮影まで、すべてが楽しかったです。
安田:竹村武司さんが構成に入られて、ディレクターが堀切園健太郎さん。カメラマンの皆さんもそうそうたる方たちですから、そういう方たちのもとで、フェイクドキュメンタリー的なものを撮るとなると、どのような形のものになるのか、僕も想像がつきませんでした。編集や、シーンの切り取り方も面白く、風変わりで、興味深い作品になったんじゃないかと思っています。
森崎:ずっと“ハテナ”でしたね。
ーーTEAM NACSの皆さんの素顔も満載、5人ならではといったやり取りがとても面白かったです。新メンバーオーディションには、驚くような豪華ゲストの方たちも続々と登場しますね。
音尾:いろいろな方にたくさん来ていただいて、ちょっとおなかいっぱいになりました(笑)。私はある理由から、顔に包帯を巻いている状態でしたので、イマイチ参加しきれない感じがあって。もっとちゃんと見たかったですし、ちょっと寂しかったなと思っています。
大泉:本当に豪華な皆さんに来ていただきました。北海道にゆかりのある方もいらしてくださって、25年間、僕らが続けてきたからこそ、これだけ豪華な方々が出てくれたんだなと感じています。お互いに北海道にいたけれど、なかなか共演できなかったビッグなお二人にも今回、出演していただいています。これは、25年やってきたご褒美だなと思っています。
戸次:大泉の言う通り、この企画に参加してくださったこと自体、本当にありがたいこと。豪華なゲストの方たちが、“この作品に参加したい”と思ってくれるくらい、TEAM NACSの名前が売れたのかな?と感じられた日でもありました。うれしかったです。
安田:子どもの頃からテレビで見ていた大物タレントさんとか、こういった仕事をする前から大活躍している北海道出身のアーティストの方など、今回の作品を通してお会いできたのは、大変うれしかったです。
森崎:新メンバーオーディションの日は、人生でもっとも豪華な1日でした。これが食べ物だとしたら、あっという間におなかを壊しているなというくらい、とてつもない豪華料理が運ばれてきたという感じです。
ーー新メンバーが入るとしたら、どのような人材を求めますか?
森崎:どういった人材でも欲しいですよ! 私たちがちょっとでも楽をできるなら、それはもうたくさん、メンバーを増員したいです(笑)。
大泉:女優さんがいいですね。何人ぐらいいるといいかなあ。
戸次:15人くらい女優さんがいれば、毎日ハッピーかなと思いますよね(笑)。
大泉:僕はわりとね、年上の人に怒られながらやるのも好きな方だから。グッと年上の方に入っていただいても、楽しいかもしれないですね。
森崎:となると、三雲孝江さんがいいですかね。
安田:僕は、シルク・ドゥ・ソレイユの人。サーカスのようなこともできたら、面白そうです。
音尾:BTSのJ‐HOPEとJIMINが欲しいですね。ダンス要員を求めています!■TEAM NACS全員が全国区の人気者に…。それでも“5人でいる良さ”とは?
ーーTEAM NACSの25年の歴史を振り返る内容でもあり、“5人でいる意味”を改めて考える機会にもなったのではと想像します。本作の撮影で「やっぱりこの5人っていいな」と思った瞬間や、25年も続けてこられた秘訣(ひけつ)を感じたことがあれば教えてください。
音尾:この5人でやってきた仕事も多いですから、雑談から思い出話まで、各自がいろいろなエピソードを共有しています。だからこそ、一言交わすだけでも、その裏にはいろいろな思いがあることを感じ取ることができる。観ている人にも、そういったわれわれの雰囲気から、25年の歴史を感じられる作品になったような気がしています。続けてこられた秘訣は、“作られたチームではない“ということ。
大泉:アドリブとなったときには、やっぱり強いチームなんだなと改めて思いました。これは初めて会った5人や、ほかの5人では絶対にできない。アドリブではあっても、僕たちの中では25年で培った“方程式”のようなものがあるんです。“そのネタ行くのね、じゃあこっちはこう行くよ”という暗黙の型がある。“壱ノ型、弐ノ型と来て、おお!参ノ型もきれいに決まりましたね!”みたいなね(笑)。それは、われわれでしかできないことだと思います。5人で何かをやって、いきなり面白くできるのは、僕らの自慢できること。この人たちはやっぱり頼もしいし、面白い。だからこそ、“長くやっていきたい”とそれぞれが思ったんじゃないかなと思います。
戸次:本当に、その通りですね。誰かほかの5人を集めて“今回の作品をやれ”と言われても、きっと無理だろうなと感じています。
安田:僕の中では、TEAM NACSとして最初の10年と、そのあとの15年は、何かしら違いがあると思っていて。最初の10年と比べると、そのあとの15年はそれぞれの仕事をする時間も増えてきています。その二つの時代に関して共通認識があったり、外に出たことをフィードバックして、また5人の時間を過ごすことで、あうんの呼吸が生まれている。“最初の10年とそのあとの15年があってこそ、今がある”というところが、われわれの面白さにつながっているのかなと思っています。そしてここまで続けてこられたのは、お客さんが求めてくださったからこそ。それに尽きます。
森崎:本作のチラシに使われている、浴衣を着た5人の写真を見ると、これが25年やっている証なのかなと思います。ほかの仲間といてももちろん笑いますけれど、こんな笑い方をするかな?と感じますね。ただ今回の企画は、僕らにとって“パンドラの箱”でもあって。25年やってきて、3年に一度の本公演がTEAM NACSの本質だとしても、これまで決して盤石ではなかったというか。(関係性も)ぐらぐら、ぐらぐらしているわけですよ! そこに来て、WOWOWさんが今回、僕らのことを揺さぶってきた。この企画がどのように決着するのか、最後まで1話たりとも見逃せない! 50歳のおじさんの生態を知る意味でも、ぜひご覧になっていただきたいですね。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
『がんばれ!TEAM NACS』は、WOWOWプライム、WOWOW4K、WOWOWオンデマンドにて、6月20日より毎週日曜23時放送・配信。