女優の大竹しのぶが13日、都内で開催された舞台『ピアフ』製作発表に、共演の梅沢昌代、中河内雅貴、竹内將人、山崎大輝とともに登壇。恋の相手役を務める若い世代の役者陣との年の差に苦笑いし、降板した前山剛久へのコメントを求められる一幕もあった。



【写真】若い共演者に囲まれる大竹しのぶ

 フランスが最も愛した歌手のエディット・ピアフを、大竹が16曲のシャンソンを歌いながら演じる本作は、2011年初演時に大きな反響を呼び、大竹が読売演劇大賞最優秀女優賞、演出の栗山民也が芸術選奨文部科学大臣賞、その後も名だたる賞を総なめに。16年の『第67回NHK紅白歌合戦』では大竹が「愛の讃歌」を歌唱し、日本中にピアフの愛を届けた。

 11、13、16、18年と上演を重ね、大竹はピアフを演じるのは4年ぶり5度目になるが、「何回もやれば慣れるわけではなく、やればやるほどプレッシャーが大きくなって。やるからには新しい感動に出会えたと思えるものを作りたい」と力強くあいさつ。初演から10年経つが、「節目とは考えてなく、1度目、2度目の時も次があるとは思わないでやっていて。毎回、今日1回だけだと思っていて、ピアフの人生を無我夢中で3時間生きることしか考えていないです」ときっぱり答え、「純粋な愛を訴えたい」と誓った。


 初演以来、出演した辻萬長さんが亡くなり、出演が叶わなくなったこともあり、大竹は「経験を積めば積むだけ、人との別れを含めて、歳をとった分だけ愛の深さは分かるかな」としみじみ。一方で、ピアフを愛する3人の男性役として新キャストが加わるが、「歳をとる分だけ、若い人たちとの歳の差が激しくなって困ります。うちの息子より若いんです。どうしよう…」と苦笑いしつつも、「ピアフもそうだったからいいか。頑張ろう」と気持ちを切り替えていた。

 中河内、竹内、山崎はピアフとの愛に生きた生涯を演じるが、そんな3人に向かって大竹は「舞台上では、本当の愛をお互いに感じ合わないとお芝居はできないと思うので、思い切り愛してほしい」とリクエスト。
それを受けて、中河内は「最上の愛を返します」と凛々しい表情。また囲み取材では、大竹との共演を「大変光栄なこと。しっかりといろんな玉を投げたい」と気合十分で答えた。竹内は「子供の時からテレビで観ていた大竹さんと共演できるのは本当に楽しみ」とニッコリ。竹内が記者から「子供の頃はいらないですね」とつっこまれると、大竹は「正直でいいと思います」と照れ笑いしながら返していた。

 囲み取材では、大竹が昨年12月に急逝した女優の神田沙也加さんと交際していた俳優の前山が加療中のため、本作を降板したことを聞かれる一幕も。
大竹は「お会いしたこともなかったので分からないです」と回答。また、舞台で活躍していた神田さんについても「むやみにコメントできることではないので、言えないです」と明言を控えた。

 舞台『ピアフ』は、東京公演は日比谷シアタークリエにて2月24日~3月18日、大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて3月25日~28日、福岡公演は博多座にて4月1日~10日上演。