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「珍しく現代パートからスタートしたか…」と思っていると、突然夏と海のそばに駆け寄っていく水季の姿が。過去と現在が不意に交わったような、不思議な光景。車から2人を見守っていた朱音(大竹しのぶ)は、家族“3人”の仲睦まじい姿に、思わず思わず涙を流す。そう、この第4話はこれまで以上に過去が重要なファクターになっている。水季(古川琴音)が過去に下した選択、弥生(有村架純)が下した選択を、交互に映し出していくのだ。(以下、ドラマのネタバレを含みます)
弥生のマンションを訪れた夏は、「できるだけ、海と一緒にいる時間を過ごそうと思っている」と伝える。だが「海を認知すること」、「父親になること」に関しては慎重な姿勢を崩さない。そんな夏の煮え切らない態度に、弥生は思わず強い口調で責め立ててしまう。
第1話から彼は<選択>ができないキャラクターとして描かれてきた。そんな彼を、水季は「人に合わせることができる優しい人」と捉え、好意を抱くようになる。弥生も同じような気持ちを持ったからこそ、夏と交際するようになったはず。しかし今回ばかりは、ゆっくりと物事を判断したい夏の行動が、弥生には単なる先延ばしにしか見えない。
やがて喫茶店に夏を呼び出した弥生は、「私、殺したことある」と中絶の過去を打ち明ける。「殺す」という強いワードを使ったのは、第2話で夏が思わず口にした「(我が子を)殺してしまった」という言葉を受けてのこと。もちろん夏にそんな意図はなかったのだが、弥生は自分が責められたような想いに駆られてしまったのだろう。彼女はゆっくりと、過去の出来事を語り出す。
弥生は当時付き合っていた浅井(稲葉友)にエコー写真を見せて、妊娠を伝えていた。すると浅井は「いつするの?手術」と、中絶することを前提にしたような口ぶり。実家の母親に電話で相談してみると、相手が出産を望んでいないことを知るやいなや、「じゃあ堕ろしな」と一刀両断。恋人に自分の想いを伝えられず、親に頼ることもできず、弥生は苦渋の決断をする。
一方の水季は、母・朱音(大竹しのぶ)に中絶を告げて大喧嘩。「母親というだけで偉いのかよ!」、「母親ってうざい!」と思わず暴言を吐いてしまう。だが本心では出産を望んでいることを見抜いた父・翔平(利重剛)に諭され、子供を産むことを決意。
あまりにも対照的な二人の境遇と選択。本当の親娘になりきれない夏と海の関係を描いてきたこのドラマは、第4話で弥生と水季のかつての<選択>を描き、キャラクターを深く掘り下げていく。それは、来たるべき夏の<選択>にも影響を与えることだろう。
弥生が告白したあと、二人のあいだには大きなシコリのようなものができてしまっていた。そんなギクシャクした関係は、海が間に入ることで自然に修復される。夏、弥生、海が本当の家族になる日は、いつ訪れるのだろうか。
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