最高気温40℃以上の日は「酷暑日」に

 気象庁は17日(金)、最高気温が40℃以上の日の名称を、「酷暑日(こくしょび)」と新たに決定したと発表しました。

 近年、40℃以上の著しい高温が毎年のように観測されていることを受けて新たな名称が検討されてきたもので、気象庁ホームページで広く意見を問うアンケートも実施されました。

 そのアンケートで最も得票が多く、有識者からも社会的になじみがあり、日本語として適切と意見が出されたことから、「酷暑日」と決まり、今後気象庁の予報用語として使用される予定です。

 気象情報を伝える立場としては、“酷暑日続出”のような状況が起こらないことを願いたいですが、この言葉によって、多くの人の暑さに対する心構えが一段高まればと期待します。「酷暑日」に決まった経緯と、今年の夏の暑さの見通しをお伝えします。

総回答数は47万以上!「自宅待機日」や「サウナ日」などユニークな案も?

最高気温40℃以上の日の名称「酷暑日」に決定 気象庁が発表 ...の画像はこちら >>

 最高気温40℃以上の日の名称を募集するアンケートは、気象庁ホームページで2026年2月27日から3月29日まで行われました。

 今回決定した「酷暑日」をはじめ、「超猛暑日」や「極暑日」、「激暑日」など、13の案の中から1つを選んで投票する形で、「酷暑日」は総回答数の4割以上にあたる約20万票の支持を集めました。

 また、決定にあたっては、アンケートと並列して、気象や日本語の専門家ら約20人にヒアリング調査を行い、そこでも「酷暑日」を推す声が多くあったといいます。

 アンケートでは、「その他」の意見として、選択肢にはないオリジナルの新名称のアイデアを自由記述することもできました。

「汗日暑日暑」なんと読むかわかる? 正解は…

 回答者の18%ほどが様々な名称のアイデアを寄せ、気象庁はその一例も紹介しています。「危険猛暑日」や「自宅待機日」など、熱中症への危険性を意識した名称や、「激アツ日」や「サウナ日」といった厳しい暑さの体感をフランクに表現した名称の案があったほか、ひときわ目を引いたのは「汗日暑日暑」。

 何と読むかお分かりでしょうか。報道発表資料を見た気象キャスターの間でも誤字ではないかと話題になったくらいなのですが、答えはなんと「あせびしょびしょ」!多彩な発想が寄せられたことがうかがえます。

 今回、公式に予報用語となる名称の決定に向けて、このように広く国民から意見を問うというスタイルが取られたこと自体が新しい取り組みで、この過程で多くの人の関心が高まり、暑さへの意識啓発につながるかも注目されます。

ここ3年は40℃以上を毎年観測 暑さの記録の現状は?

 気象庁では最高気温が25℃以上を「夏日」、30℃以上を「真夏日」、35℃以上を「猛暑日」と定めています。

 この「猛暑日」という言葉も今では夏場には天気予報でおなじみの言葉となっていますが、予報用語として制定されたのは、2007年のこと。気候変動や都市化の影響で、35℃以上の高温がたびたび観測されるようになったことが背景で、その年の「新語・流行語大賞」のトップ10にも選出されました。

 それから20年足らずで再び新しい言葉が加わることになり、「猛暑日」では表しきれない暑さが現実のものとなっていることを表しています。

最高気温40℃以上の日の名称「酷暑日」に決定 気象庁が発表 この夏も早速「酷暑日」発生のおそれ? 【MBS気象予報士が解説】
MBS

最高気温40℃以上の日の名称「酷暑日」に決定 気象庁が発表 この夏も早速「酷暑日」発生のおそれ? 【MBS気象予報士が解説】
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 現在、国内で観測された最も高い気温は群馬県伊勢崎市の41.8℃。続いて、静岡県静岡市と埼玉県鳩山町の41.4℃、群馬県桐生市兵庫県丹波市柏原の41.2℃です。

 これらの気温は全て、去年2025年に観測されたものです。ここ3年は毎年40℃以上の地点が連続して現れているほか、最高気温の上位の記録はほとんどが2020年代か2010年代に出ていて、暑さのレベルが近年確実に変わってきていることが分かります。

この夏も猛暑?「酷暑日」観測の可能性も

 気象庁は、早ければこの夏にも新しい「酷暑日」という名称を予報用語として使用する見通しです。運用開始となれば早速、国内で「酷暑日」が観測される可能性もあります。

最高気温40℃以上の日の名称「酷暑日」に決定 気象庁が発表 この夏も早速「酷暑日」発生のおそれ? 【MBS気象予報士が解説】

 気象庁の暖候期予報によると、この夏(6~8月)の平均気温は全国的に平年よりも高くなる見通しです。

 最新の情報では、この夏はエルニーニョ現象が発生する確率が高く(70%)、一般的にエルニーニョ現象の年は、日本付近では夏の気温が平年並みかやや低くなる傾向があるとされています。

 ただ、それを考慮しても余りあるほど地球温暖化の影響が顕著になっていることもあり、「エルニーニョでも猛暑」の夏になることが予想されます。 「酷暑日」という名称の決定を受けて、気象庁は「暑さに対して効果的な呼びかけをしっかりしていきたい」としています。命に関わるような暑さを現実のものとして受け止め、それに適応していくことが求められています。

この機会に…「気温と名称」をおさらい

最高気温40℃以上:酷暑日
最高気温35℃以上:猛暑日
最高気温30℃以上:真夏日
最高気温25℃以上:夏日

そして最低気温25℃以上熱帯夜と呼ばれます。

また、気温が低い方では、最低気温0℃未満:冬日、最高気温0℃未満:真冬日と呼ばれています。

文:前田智宏 毎日放送 気象予報士(南気象予報士事務所所属)
MBSテレビ「よんチャンTV」などに出演中。京都大学大学院 情報学研究科博士後期課程(防災研究所)にて、防災気象情報に関する研究にも取り組む。気象防災アドバイザー・健康気象アドバイザー・防災士など有資格。

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