将棋のユニバーサル杯第52期女流名人戦(主催=報知新聞社・日本将棋連盟、特別協賛=(株)ユニバーサルエンターテインメント)でタイトルを奪取した西山朋佳女流名人(30)=白玲、女流王将=の就位式が17日、東京・千代田区のザ・キャピトルホテル東急で行われた。シリーズを振り返り、今後の目標も語った。

(中西 珠友)

 春空に藤色の着物姿が一層映えた。「薄紫みたいな感じで、好みの色だった」。盤上では“剛腕”の異名を持つが、ファッションは「あんまり奇をてらうというより、ベーシックカラーが多い気がする」と明かした。

 今年1月に開幕したシリーズでは、西山が福間香奈女流五冠(34)=清麗、女王、女流王座、女流王位、倉敷藤花=に無傷の3連勝。初挑戦初戴冠となった第49期(2022年度)以来3年ぶりの獲得で「昨年、一昨年とタイトル戦には出られていたけど、結果を上げられていなかった。リーグ戦も含めて大きく運が味方してくれたところがあったかなというふうに思っています」と謙虚に振り返った。

 女流名人に復位して2か月あまり。「ちょっと前まで二冠だったのが、三冠とお呼びいただくようになって、実感が湧いてきた」とタイトル獲得をかみ締めている。

 西山と福間で女流全8大タイトルを分け合い、「女流2強時代」と言われて久しい。シリーズ中の第2局では、女流棋界では2例目となる「百番指し」(公式戦対戦100回)を達成した。「100番のうち、ほとんどがタイトル戦の中での対局」という通り、今月22日には昨年福間に奪われたマイナビ女子オープンの第2局が控える。「そういう意味では清水(市代日本将棋連盟)会長と中井(広恵)先生の(女流歴代1位となる)125局を目指すのが、結果的にタイトル戦を長く戦えていることに重なるかと思う。

一つ、そこを目指して頑張っていければ」と意気込んだ。

 第53期女流名人戦も10人が参加するリーグ戦が13日に開幕。西山にとっては初の女流名人連覇が懸かる。「(就位式では)温かく皆さんが祝福してくれて、また来年も頑張りたいなと思わせてもらえるような会だった」と小さなモチベーションができた様子だった。

 ◆花束ゲスト・AYANE 同じ大阪狭山市出身

 花束ゲストとして来場したのは、ブレイキン全日本選手権2連覇中のAYANE(28)。西山と同じ大阪狭山市出身で同市の特命大使も務める。AYANEは就位を祝福し「同じプレーヤーとしてとても尊敬の気持ちでいっぱい」。生パフォーマンスも披露した。

 西山は初めて間近で観戦し「こんなに技巧、あらゆる筋肉を駆使して自分の体じゃ再現不可能な動きをされているので、すごい練習と熱意と自信がみなぎっている感じがするのでかっこいいな」と圧倒された様子。将棋とは「ジャンルとしてはかなり対極に近い」としながらも「自分を表現する時間があったり、練習段階とか気構えとか聞いたりすると、学ばなきゃっていうところは多い。(AYANEが)『一緒にプレーヤーとして』と言ってくれたので、私も励みにさせてもらいたい」と話していた。

編集部おすすめ