フジテレビの報道番組『直撃LIVE グッディ!』が18日、東京都板橋区・東武東上線の脱線事故を伝えるニュースで、インドネシアの脱線事故の画像を放送する大失態を犯した。

 速報として、中継ヘリからの映像を中心に現場の状況を伝えた同番組だが、「脱線箇所とみられる車輪」「ツイッターより」とのテロップと共に、レールから外れた車輪に寄った画像を30秒間放送。

同時に、司会の安藤優子は「明らかに車輪が内側に脱線しています。はずれています。現在ご覧いただいていますのは、脱線箇所をとらえた、一般の乗客の方の投稿映像です」「まさに投稿された映像には、そのはずれてせり上がってしまった金属板が映し出されていました」と伝えた。

 しかし、これは一般人がいたずら心でTwitterに投稿した“釣り画像”。前日にジャカルタの報道機関「Sindotrijaya 104.6 FM」が投稿した画像を、この一般人が勝手に転載したものであった。

 数年前から、Twitterの投稿画像を積極的にニュースで使用しているフジテレビ。
この日も、同報道局(@fujitv_news)のアカウントは、問題の“釣り画像”を投稿した一般人に宛て、「大変なとき失礼します。フジテレビ報道局です。ご投稿されている画像についてお伺いしたいので一時的にフォローしていただけますか?」というメッセージを送っていることが確認できる。

「フジがまんまと引っかかった今回の画像ですが、注意深く見れば偽物だとわかったはず。実際、ネットユーザーの多くが“釣り画像”だと気付いていたため、ネットの拾い物を鵜呑みにしたフジの情報弱者ぶりが失笑を買っています。また、フジは結果的に、海外メディアの画像を無断使用してしまったことになりますから、当然謝罪が求められます」(IT誌ライター)

 案の定、『グッディ!』放送後には、同報道局のアカウント宛てに「フジテレビってデマでも放送するんですね」「無断転載すら見抜けないマスゴミ」「しっかり取材しないからこうなんだよ」といった批判が相次いでいる。


 ちなみに、テレビ朝日のTwitterアカウント「テレ朝news(@tv_asahi_news)」も、同じ一般人にフジと同様のメッセージを送っていたが、すぐに偽物と気付いたのか、現地取材の映像だけで速報を流していた。

 平均視聴率1%台まで落ち込むなど、視聴者離れが留まらず、打ち切り間近ともささやかれる『グッディ!』。この程度の情報リテラシーで、番組の何を信じろというのだろうか?