三十路女の恋愛模様を描く吉高由里子主演ドラマ『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)の第5話。平均視聴率は前回から0.1ポイントアップの11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。
劇中では、「みんな1回、不幸になればいいのに」と直接的なセリフの多い吉高ですが、Twitterではなかなかのポエマーぶりを発揮。15日には「心に足が生えたような感覚で 生きていきたい 身体を追い越してっちゃうような 心で動きたい」とツイートしたほか、「冬晴れの中の春の匂い 時間は常に動いてる 今日が1回しかないのなんて 当たり前なのにね なんだか5、6年前にぴゅいんと戻れそうな気持ちになるのは なんなんだろうね 戻れるわけないのにね ひしひしと感じております」と、遠まわしに何かを訴えています。
今、芸能人のこういうの見ると、「芸能界って言いたいことも言えない世界なんだろうな」とか、「そりゃあ、出家したくもなるわな」とか、思わず千眼美子こと清水富美加の心中を察してしまいます。そういう時期ですね。
さて、今回もあらすじを振り返っていきましょう。
■もこみち登場!
KEY(坂口健太郎)にフラれたうえに、脚本家の仕事もないニート状態の倫子(吉高)、丸井(田中圭)と不倫中の小雪(大島優子)、涼(平岡祐太)の“都合のいい女”を続ける香(榮倉奈々)は、人生の指針を求めて占い師(山村紅葉)のもとへ。
占い師にズバズバ言い当てられ、「男って、高級アイスを食べていても、たまに棒つきアイスが食べたくなるもんなんだよ!」とトドメを刺された香は、「私、涼ちゃんとはもう会わない!」と宣言。小雪も「私、不倫やめる」と誓います。
一方、「私だけ、解決策がない!」と途方に暮れる倫子は、1人でスーパーへ。しかし、金欠ゆえに、キャベツの高さに驚愕。残り1個のもやしに標準を合わせるも、ほかの客に取られてしまいます。
そんな倫子を見て「あっははは」と笑うイケメンの奥田(速水もこみち)が登場。
その後、早坂(鈴木亮平)からドラマ脚本のコンペに誘われ、やる気を出す倫子。寝ずに書き上げるも、コンペで敗北。仕事から逃げるように奥田のバーへ。
数年ぶりに恋人ができた倫子は、「木も建物もみんな、私を祝福してくれてるみたい!」と脳内お花畑状態に。そんな倫子を羨んでか、小雪は距離を取っていた丸井に「バカ、嘘つき、大っ嫌い」と自分からキス。香も涼へのLINEの“未読スルー”を止めてしまいました。
■奥田登場シーンは改悪!?
結構重要なシーンが、ちょこちょこと原作と異なっており、これまで何度か物議を醸してきた同ドラマですが、今回は倫子と奥田の出会いのシーンが波乱の予感。
原作では、偽装結婚モノの脚本の仕事が急に振ってきた倫子が、締め切り直前に「参考作品ないとムリ…」とTSUTAYAへ。お目当ての映画『グリーン・カード』が貸し出し中だったため、店員に「これって、1枚しか置いてないの? 古いとはいえこんな名作を…」と文句を垂れていると、奥田が「それ俺が借りちゃってます…」「良かったら一緒に観ませんか?」と映画バーに誘います。
要は、原作の倫子は、“イケメンだから”というだけでなく、“映画を見ないと仕事が進まない”という口実があったんです。
それが、ドラマ版では、奥田が“一緒にキャベツを食べよう”と……。これは明らかに“ナンパ”ですね。キャベツを理由にするなんて、どう見ても口実ですから。
もちろん、奥田は、新メニューの「キャベツとサーモンのファルシー」の試食をしてもらいたかったんでしょうけど、それにしてもスーパーでキャベツを手に取った女性にいきなり声をかけるなんて、まじでヤバイ奴ですよ。
うーん、それにしても、キャベツってなんでしょう……。もちろん、原作モノのドラマに対して「原作と違うから、うんたらかんたら……」とむやみに批判するのは、ナンセンスだとは思うのですが、それにしてもこの謎の変更は……。
なぜ、レンタルDVD屋じゃダメだったのでしょうか? 奥田がキャベツ農家の息子だったとか、奥田には友だちがおらず、試食を頼める人がいないとか、来週、新事実が明らかになるのでしょうか? だったら、ごめんなさいと言いたいです。
そんな、もこみち登場シーンがどうしても気になってしまいましたが、やっぱり倫子&香&小雪の女子会シーンのテンポは、見ていて気持ちがいいですね。3人が本当に楽しそうで、ずっと見ていたいです。
また、独身女性の“タラレバ話”は、既婚者の“タラレバ話”と違って夢があっていいですね。閉塞感バリバリの既婚者の“タラレバ話”は、逃げ道がない分、まさにホラー。同作はきっと、結婚に焦っている視聴者には「結婚しないとヤベー」と思わせ、既婚者には「独身羨まし~」と思わせる、そんなドラマなのでしょう。
しかし、3人が魅力的な一方で、KEYが全く魅力的に見えないのはなぜなのでしょう……。ドラマと原作の最たる違いは、KEYの性格の部分だと思うのですが、初セックスシーンの違和感(関連記事■http://www.cyzo.com/2017/01/post_31261.html)を抜きにしても、ドラマ版のKEYが全然好きになれません。なんだかこのモヤモヤを抱えたまま、この先、「死んだ元妻に倫子が似てるから」と全てを強引にまとめられてしまいそうで怖いです。
というわけで、今のところ一人勝ち状態の倫子ですが、ドラマはまだ折り返し地点ですから、きっとまだ幸せにはなれないんでしょうね。最終回まで見守りましょう。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)