菅官房長官が“殺された”のは必然か? 人望もカネも潤沢ではな...の画像はこちら >>

今週の注目記事・1「最高実力者・菅官房長官はこうして殺された」(『週刊現代』1/11・18号)

同・2「五輪に巣食ったシロアリ役人」(『週刊ポスト』1/11・18号)

同・3「横尾忠則『山田洋次監督にアイディアを盗まれた』」(『週刊ポスト』1/17・24号)

同・4「2020年の制度改正“気をつけること”カレンダー」(『週刊ポスト』1/17・24号)

同・5「ニトリ会長・似鳥昭雄のニッポン経済予測」(『週刊現代』1/11・18号)

同・6「なぜ、カルロス・ゴーンは逃げたのか」(『サンデー毎日』1/19号)

同・7「ジム・ロジャーズがズバリ予言」(『週刊朝日』1/17号)

同・8「MEGA地震予測 令和2年最新版『東日本大震災前と同じ異常変動が現れた』」(『週刊ポスト』1/17・24号)

同・9「11月、トランプ落選で習近平が『人民元を国際通貨に』」(『週刊現代』1/11・18号)

同・10「国論真っ二つの大激論 安倍首相は『4選目指すべき』か『早期退陣すべき』か」(『週刊ポスト』1/17・24号)

同・11「『韓国が嫌いな日本人』は世界からどう見られているのか」(『週刊現代』1/11・18号)

同・12「伊集院静『それがどうした』」(『週刊現代』1/11・18号)

同・13「ザ・芸能 吉本興業にジャニーズ、狙われた芸能プロ」(『週刊現代』1/11・18号)

同・14「史上最高のAV女優ランキング」(『週刊ポスト』1/17・24号)

同・15「3分でわかる『血管年齢』チェックシート」(『週刊ポスト』1/17・24号)

【巻末付録】現代とポストのSEXYグラビアの勝者はどっちだ!

 明けましておめでとうございます。今年もこのコラムをお読みいただけるよう、臥してお願い申し上げます。

 年末年始と、世界中を震撼させるようなニュースが2つも起きた。

 一つはカルロス・ゴーン元日産会長が、日本を脱出して自分の祖国であるレバノンへ行ったことだ。

 釈放中、しかも15億円という巨額な保釈金を払って、弁護士たちと公判について打ち合わせしている中での逃亡劇に、ニュースを聞いたとき驚いて声を失った。

 まるで007に出て来るような展開は、これからどうなっていくのか、予断を許さない。

 もっと深刻なのが、トランプ大統領が米軍に命じて、イランのイスラム革命防衛隊のソレイマニ司令官(62)を空爆して殺害したことだった。

 イラン側が米国攻撃を計画し、実行寸前だったというのなら、国際世論も少しは納得しただろうが、命じた後の弱腰といい訳を聞いていると、間違った情報に基づく間違った選択だったようである。

 だが、これでイラク側がアメリカへ報復する大義を持ってしまったのだ。

 強いアメリカを体現しようとして、やってはならないことをやってしまったのである。

 大統領選で再選されたいという「欲望」が、イラクとの戦争へ発展するかもしれない「愚かな」選択をさせたのだろう。

 事の推移の如何によっては、トランプは辞任せざるをえなくなるかもしれない。

 バカな大統領がバカなことをしでかしたのだが、日本は安全だと思うのは間違いだ。イラクにとって、トランプと安倍は同じ穴の狢なのだ。

 今すぐ国会を開催して、この問題にどう対処するのかを議論すべきだと思うが、自民党も野党も「平和ボケ」が治らず、危機感がなさすぎる。

 このままいけば、東京五輪という大イベントを控える日本が、反米テロ組織の標的になるかもしれない。

 五輪を人質にされたら……、日本はなす術もなく、テロ組織に屈服するしかなくなる。

 そんな小説のようなことが起こりうると、私は思うのだが。

 さて、本筋に入ろう。

 現代とポストは合併号だから、昨年中に作り置きしたお節料理の様なもので、ゴーンやトランプの記事など、どこを探しても見つからない。

 そこで今週は、順位なしにした。

 まずはポストから。心筋梗塞や脳梗塞になる友人知人が、私の周りでも多い。

 私もときどきはCTやMRIで血管を調べてもらうが、医者のいうのは決まって、「今のところは何とか大丈夫でしょう」。だが、血圧に糖尿病では、いつ倒れてもおかしくないといいわたされる。

 ポストにある3分でわかるチェックシートをやってみた。

設問には「日頃歩くことが少ない」「生活リズムが不規則」「階段や坂を登るのがつらい」「四肢の冷えやしびれを感じる」などがあり、それぞれ1点だが、高血圧は4点、糖尿病は5点にもなる。

 結果、0~4点は実年齢相応。5~8点は実年齢より10歳以上老化している。9点以上は実年齢より20歳以上老化しているとあるが、私は何と19点である。

 ほぼ満点に近いと喜んでいる場合じゃない。早速この原稿を放り出して寒風の中、ジョギングでもしなけりゃ。

 そう思うのだが、あまり寒いところを走るのは脳梗塞の危険を増すから、春になって温かくなったらにしよう。

 そう考えて、日本茶で昨日買った羊羹を食べるのであった。ダメだなこれじゃ。

 さらにポスト。暇ネタの最たるものが「史上最高のAV女優ランキング」という企画である。

 作っておけば、春夏秋冬、いつでも掲載できるからだ。

 ポストは現役人気AV女優たち47人に聞いたという。

 歴代トップ20人がズラリと並んでいる。ベスト5は、1位から、波多野結衣、風間ゆみ、大槻ひびき、明日花キララ、吉沢明歩。

 私の好きな白石茉莉奈は13位、桜樹ルイは15位だが、「レジェンド女優」では、松坂季実子、風間ゆみに続いて堂々の第3位になっている。

 今晩は、桜樹ルイの昔のDVDでも見ながらひとりで盛り上がるか。チョッピリ寂しいがね。

 現代は、ノンフィクション作家の田崎健太で、「ザ・芸能界」という連載を始めた。

 第1回は、11月27日、「日本音楽事業者協会」(通称音事協)の本部で、加盟社に向けた新しい「標準契約書」の説明会が行われ、多くの芸能プロの人間が集まったという。

 そこでは、公正取引委員会の笠原慎吾・経済調査室長がこう切り出したそうだ。

「自由かつ公正な競争の必要性という観点において(芸能界を含めた)不当な人材の取引を注視している」

 ジャニーズ事務所がSMAP解散で出て行った3人を使わないようにテレビ局に圧力をかけたという疑惑や、吉本興業の闇営業問題、能年玲奈が独立するにあたって、本名を使わせないなど、このところ明るみに出てきた芸能プロのやり方に、公取委が乗り出してきているのだ。

 だが、旧態然としたこの世界では、世間の常識や道理が理解できない連中がまだまだいるようだ。

 ここでも質問に出たように、タレント一人を育てるのに元手がかかる、売れないこともある、そうしたリスクを芸能プロ側は背負っているのだ、特殊な世界なのだから、余計な口は挟むなという考えである。

 レッスンなどの育成費用、売り込みにかかる宣伝費などを芸能プロ側が負担するのだといういい分は、おそらく、芸能界ができた頃からあったのであろう。

 だからといって、タレントや芸人を不当に安く働かせ、契約内容さえ伝えないでいいはずはない。

 この連中のいい分は、企業にもそっくり当てはまる。学校出たばかりの新入社員を研修し、仕事を覚えさせ、ふた昔前なら、海外留学までさせて育てるが、その人間がある日突然、辞めると宣言して競合他社に行ってしまうことはままある。

 それを、あいつがあそこまでなったのは、この会社の力があったからだ。この世に人材を送り出してやったんだと思える経営者は、まずいないだろう。

 だが、そうした人材を輩出する企業には、必ず、多くの有為な人材が育つものだ。

 オレが育ててやったんだから、オレのいうことを聞け。オレが与えるカネで満足しろ。結婚はファンが嫌がるから許さない。

 そんなことがいつまでもまかり通るわけはない。芸能界が近代化されなければ、小さくまとまったタレントやお笑い芸人しか出てこない。

 世界に通用する歌手や俳優・女優、芸人が出てこないのは、そこに原因があると私は考えている。

 今後、田崎の筆がどこへ向かうのか、注目していたい。

 お次は現代の人気コラム。伊集院静の「それがどうした 男たちの流儀」は、一冊にまとまるとベストセラーになる、現代のドル箱エッセイである。

 昔、競輪競馬に麻雀狂いで勇名を馳せた伊集院は、女性にもよくモテた。

 男として生まれたら、ああいう生き方をしてみたい、そう思わせる「男気」が彼にはあった。

 だが、ある時期から仙台だかに移り住み、青少年に生き方を垂れるものを書き始めて、私は伊集院のものを読まなくなった。

 無頼で生きてきた男は、死ぬまで無頼でいてもらいたかった。

 彼から無頼を取っ払ったら、何が残るのだろう。そんなものを誰が読むのだろう。

 今週は「連載第464回」である。正月の風景から始まる。

「今年の正月を一家全員が揃って迎える家族が、日本中で何家族あるかは知らないが、おそらく全戸数の三分の一もないのだろう。

 さまざまな事情で、皆が集まることができない。(中略)人間は大人になればなるほど、生きる上の事情を抱える」

 そこから伊集院は、自分は今年も、生家のある山口県の小さな港町で正月を迎えると書き進める。

 なぜそうしたのか。亡くなった父親がそうさせた、半分命令だったという。

「皆が無事に揃って、正月は迎えるものなのだ。一人でも欠けてはならない」

 伊集院は私より少し下だが、うちのオヤジもそうだった。

 元日は家族が揃うものだと考えていたから、社会人になって、時々仕事でいないと、明らかに嫌な顔をした。

 伊集院は父親が亡くなってからも正月は生家に還っているようだ。すごいとは思わない。故郷のある人間はそうするのだろうと思うだけだ。

 私のように東京にしか家も親族もない人間には、正月は空がきれいで人が少ない静けさを味わう祝日であった。

 伊集院は、そこから、新聞連載している夏目漱石の話に広がり、昔は町内に一つはあったという寄席小屋の話へと展開していく。

 失礼だが彼らしい切れ味も、蘊蓄もない。

 連載コラムのうまさなら、新潮の五木寛之のほうが上ではないか。どうでもいいことから始めて、五木ワールドへとつなげる技は、熟練である。

 読み終わって、そうかと気づいた。だからタイトルが「それがどうした」なのだ。読み終わり、読者に少し不満が残ると伊集院はいうのだ。「それがどうした」と。

 私は朝日新聞を取っている。毎年、元日の朝刊に載る出版社の広告を楽しみにしている。

 講談社と小学館は毎年一面広告をうつ。岩波書店や集英社も一面である。

 宝島の広告で、樹木希林が横たわっている写真が話題になったのは去年か、もっと昔だったか。

 出版社はそれぞれ、今年の「目標」の様なものを掲げる。講談社は「講談社大図鑑」と題して、池袋の新しいビルで、LIVEエンターテイメントを始める、女性向けWebマガジン『ミモレ』がサイトをオープンして5周年、2019年には講談社初となるニューヨークでのウォール広告を実現したなどと、近未来のイラストの上に、多くのことが謳ってある。

 だが、その中に、週刊現代やフライデーのことは何もない。講談社にとっては、もはや昔の一局雑誌は、無いに等しいのだろうか。

 いつだったか、だいぶ前に、出樋(だすぜ)一親週刊現代編集長が、一面広告に登場したことがあった。

 彼が手を振り上げて「出すぜ!」という吹き出しが付いていた。

 あれが現代が大きな話題になった最後ではなかったか。

 元日、その出樋から年賀状をもらった。今年で講談社を離れると書いてある。あの彼も、退職していくのか。「現代は遠くなりにけり」か。やはり寂しい。

 山口瞳と吉行淳之介の対談集に『老いてますます耄碌』というのがあるが、その言葉が身にしみる歳になってきた。

 今年は現代、ポスト、それにフライデー、FLASHなどは「現役続行」が危うくなると思っている。

 生き残るために何をしなくてはいけないのか。何をしていてはいけないのかを、当該の編集部員は考えざるを得ないことになるはずだ。

 その現代から。日韓関係はますます悪化していくのではないかと思うのだが、現代は、世界のメディアがどう見ているのかを特集している。

 暮れのTBSニュースが伝えたところによると、韓国に親しみを感じていないと答えた人は、前年比13・5ポイント増の71・5ポイントになり、78年の調査開始以来最悪の数字だという。

 海外メディアや識者は、これに同調するのもいるが、多くは客観的だという。

 アメリカのシンクタンク、カーネギー・カウンシルの上級研究員、デビン・スチュワートは、
「日韓を見ていて非常に悲しいのは、それぞれのリーダーが歴史的な問題を利用して愛国心をかきたて、国内問題から目をそらせていることです。一部のメディアもまた、これに加担して人々が喜ぶ記事を書こうとしている。

 お互いに、そんな記事で国民の偏見を助長しているのです。これは極めて悪いスパイラルだと言わざるを得ない」

 元アメリカ国防次官補のジョセフ・ナイは、
「これまでは、日韓の歴史的な論争が再燃するたびに、同盟国であるアメリカが水面下で状況を鎮静化し、緊張を緩和するために動いてきました。しかし、最近両国間で起こった数々の衝突については、トランプ政権は自国のことにかかりっきりでうまく処理できていない。これは極めて危機的な状況です」

 みんなのいうことはほぼ一つだ。両国首脳も国民も、もっと大人になれということである。

 ポストの巻頭は「国論真っ二つの大激論」というものだ。こうした企画が成功するかしないかは、テーマ、人選が大事だが、テーマも人選もおざなりというしかない。

 たとえば、安倍は4選を目指すべきか、早期退陣すべきかというテーマがある。

 国民の大半は安倍政権に飽き飽きしているはずだ。それなのに4選やるべきか、やらざるべきかは、国民のおおかたの関心の外にある。

 安倍のやってきたことは、中国、韓国にケンカを売り、まずくなるとトランプのスカートの下に隠れるだけ。その上、アメリカのいうがままに、戦争のできる「普通の国」にしただけである。

 こんなことは誰でもできる。「安倍以外に誰がいる」という論の最大の弱点は、「安倍でもできるのだから誰にでもできる」と論破できることだ。

 ましてや、安部の考えに近い屋山太郎では、説得力がない。こういう企画は、こんな人間が安倍擁護をするのかという人間を持ってこなければ、成立しない。私はそう考える。

 それ以外にも、読んでみようかという気を起こさせないテーマ、人選が多い。

 現代は小さな記事だが、トランプが落選すれば、習近平主席が「人民元を国際通貨にする」という山椒の利いたものだ。

 先にも書いたように、イラン攻撃で、トランプは窮地に陥る可能性が高い。

 民主党が候補を絞れれば、十分勝つチャンスはある。そうなれば、誰がなってもというと失礼だが、中国との関係は好転するはずだ。

 そうなると、このところにわかにいわれ出したのが、現在中国が開発中の「デジタル人民元」が、国際貿易や国際投資の決済通貨で使われるということである。

 そのための莫大な投資を中国はしている。IT先進国として、アメリカを抜き去る勢いの中国の「デジタル人民元」を日本人も使う時代が来れば、習近平の「野望」は完成に近づくのか。

 大きく出遅れた日本は、この遅れを取り返すのは至難であろう。

 ポストの独占販売のMEGA地震予測だが、やはりこのところ多発する各地の地震のニュースを聞いていると、近い将来、大地震が起こることは間違いないと考えざるを得ない。

 MEGA地震予測をしている村井俊治東大名誉教授は、
「11月10日から16日までの1週間で『81cm』の高低変動が見られました。これは、東日本大震災前年の2010年12月26日~31日の1週間に同じ青ヶ島の基準点で観測された『76cm』を大きく超える異常変動です」

 村井教授のいうとおりであれば、大地震の前触れかもしれない。だが、この予測の“弱点”は、その範囲が広すぎることである。

 今回も、北海道から首都圏・東海、北陸から九州までを含んでいる。

 これではどこへ逃げようかと考えても行くところがない。

 村井先生、東京都中野区はどうなりますかね? ピンポイント予測にしてもらえるとありがたいのですが。

 世界の3大投資家といわれるジム・ロジャーズは“変節”の人である。まあ、株をやっているのだから、当たり前といえばそうなのだが、少し前に、現代で、日本株を全部売り払った、日本株は買わないと御託宣を述べていたのに、今度は、週刊朝日で連載を始め、「日本株を買い戻そうと思っている」と喋っているのだ。

 しかも、日本経済の先行きは明るくないとしているのは変わらない。

 リーマンショックが再び来るといっている舌の先から、日本株を勧めるというのは、株屋ならではの嗅覚なのだろうか。

 しかも買うんだったら、日本の農業だそうである。さらには、インバウンドがさらに増え、菅官房長官が推進しているカジノや高級ホテル事業にも注目しているというのだ。

 この御仁、中国のカジノ企業が、政治家に賄賂を渡して大問題になり、カジノ建設など夢のまた夢になりそうなことをご存じないのか。

 1月6日の「大発会」は、中東情勢の影響を受け、一時500円超も下げた。

 これから日本株が上がる根拠は何もない。いくら年金機構が買い支えても限度がある。

 一番重要なのは、自分が儲けたいと思っている人間に聞かないことである。株も競馬も、カネの分捕り合戦だ。いつでも儲ける人間は少なく、大半の人間はオケラになる。

 サンデー毎日は、ギリギリに突っ込んだのだろう。カルロス・ゴーンはなぜ逃げたのかを、作家の黒木亮に書かせている。ただし1ページだけ。

 黒木は、財をなした人間が、ニューヨークなどから逃げ出し、スイスやレバノンに移り住み、優雅に暮らしているのを見たという。

 だが、海外に行くときは、逮捕されないように細心の注意を払っていたそうだ。

 ましてやレバノンのベイルートは「中東のパリ」と呼ばれ、住みやすいところだそうだ。

 今回のゴーンの逃亡劇の舞台裏には、さして興味はない。私の関心は、お客に逃げられてしまった弘中惇一郎弁護士たちである。

 弁護士を信用して任せていれば、一生、逮捕されないかとびくびくしながら生きる道は選ばなかったのではないか。

 弘中たちがゴーンに、「無罪になる」という確信を与えられなかったことで、ゴーンは賭けに出た。

 そして見事にやってのけた。弘中に弁護を依頼したときから、裁判で無罪を勝ち取るのは難しい、そう考えていたのかも知れない。

 どちらにしても、東京地検特捜部も弁護士たちも、ゴーンの引き立て役にしかならなかった。

 私は、ゴーンのやったことが正しいとは思わないが、さすがに中東で過ごし、世界の荒波をくぐってきた男は、日産のモヤシのようなひ弱な人間ではなかったと思っている。

 このような男が、自ら率いた日産だから、あそこまで業績を回復させたのだろう。あらためて、これからの日産の行く末は、どこまでいっても暗いのではないか。

 現代は、恒例の「ニトリ会長の経済予測」を掲載している。

 似鳥昭雄会長も、東京五輪が終われば、景気は減速し、円高になると見ている。

 だが彼が他の人と違うのは、景気が悪いときは土地・建物・建築費が下がるため、「不況期に投資をすれば、割安に物件を手に入れることができ、優秀な人材の採用もできます」と考えるところである。

 さらにこれからは、デジタル革命に端を発する大再編成への備えが重要だと見ている。

 私が編集者なら、ここの具体的な方策をぜひ聞きた。デジタル革命という言葉だけがひとり歩きしている昨今、どのようなことが起きると考えているのだろう。

 凡庸な私のような人間には想像もできないが、ここにこそ、これからの出版の未来にも関わってくる「チャンス」があるのではないだろうか。

 ポストによれば、今年制度が変わってくることがいくつもあるそうだ。

 たとえば、2月1日からは「タクシー料金が変更される」そうだ。この間変わったばかりではないかと思うのだが、ポストによれば、首都圏では初乗り運賃が100円程度値下げされるそうだ。

 だが、その代わり、加算料金は引き上げられる。メーターの音に悩まされそうだ。

 この中で私が気になったのは、4月に施行されるという「同一労働同一賃金制度」だ。

 賃金、手当、福利厚生について、正社員と非正規社員との待遇差を禁止するというものだ。

 中小企業は後になるが、本当にそうなるのだろうか。

 ベテランの社会保険労務士は、正社員の家族手当や住宅手当を廃止したり縮小したりして、正社員の実質賃金が下がり、非正規もメリットがないものになりかねないというのだ。

 大企業の考えそうなことだ。そうなれば、何のための同一賃金なのか。正規と非正規が手を組んで、会社側にそのようなことをさせてはいけない。立ち上がれ! 労働者諸君!

 ポストに面白い話が載っている。世界的なイラストレーター・横尾忠則が、『男はつらいよ』の山田洋次監督にアイディアを盗まれたというのである。

 それも現在公開中の50周年記念映画、『男はつらいよ お帰り寅さん』のアイディアだというのだ。

 経緯がやや複雑なので、NEWSポストセブン(1/4 土 7:00配信)から引用させてもらう。

「今回の新しい『男はつらいよ』のコンセプトとアイディア、それは僕が山田洋次監督に示したものが核になっているんです。公開直前になるまで、その事実を彼は全然世間に明かさなかったし、僕に一言の断わりもなかった。事実を隠蔽されたから怒ってるんではありません。モノづくりに携わるアーティスト同士のモラルが、あまりに欠けてることに呆れ、憤ってるんです。要するにプライドの問題です。

 創造は取り込むことではなく吐き出すことです。感情も同じ。今回の週刊誌での抗議は、感情が自分の中を汚染しないために取った手段です」

 今回の記念映画は、これまでの『寅さん』映画から名場面をつなげて作ったものだ。最初、映画館でこのことを知った私は、そんなことをして面白いものができるのかと疑問だった。

 だが、アイディアはなかなかだと、山田監督の『寅さん』にかける熱意に感心したものだった。

 その大本のアイディアが他人のものだった?

 横尾と山田監督の出会いは、1995年に『男はつらいよ 寅次郎紅の花』を観た後、短いエッセイを新聞に書いたとき、浅丘ルリ子が読んで「エッセイのリリーの挿絵を山田監督が欲しがってる」と電話してきたそうだ。

 それからは蕎麦屋で会って話したり、山田の50周年記念展のポスターを書いたりして親交を深めていった。

「山田さんが『渥美さんなしに寅さんは撮れない』と寂しそうに言われた。だから僕は『撮れますよ』と応じたんです。彼は『どうやって?』と驚いて顔を上げたので、『過去49本の寅さんの映画から抜粋、引用してコラージュすればいい』と提案したんです。

 瞬間、山田さんは一言も発しなかったけれども、相当刺激を受けたようでした。次に『じゃあ、寅さんの過去作品を全部観てくれますか』と仰るから、ワクワクしましたよ。ギャラとか名誉とかではなく、僕にとって長年、映画製作は飽くなき興味の対象ですからね。だから『作品を作るなら、関わらせてください』と申し上げたんですけど、その一言には山田さんは無反応のままでした」

 この話はこれ以上進展しなかった。そして2018年10月31日、50周年記念映画を撮ると山田監督が発表した。

「いよいよ新作が始動した後は、山田さんの口から『寅さんの〈と〉の字』も出なくなりました。いくら鈍い僕でも“なんか変だなあ”ってくらいは感じてましたけどね。その時に僕は思いましたね。山田洋次映画に横尾忠則の名前が混じっては困ると彼が本能的にガードしてるんだなって。それでも、どこかで山田さんから『あのアイディア、とてもいけると思いましたから使わせてください』と挨拶があるはず、と期待してました。だって彼は映画人で、僕も美術家だもの。アーティスト同士、尊敬やマナーがあって当然でしょう?

 水面下で新作が進んでいると聞こえてきた折、親しい松竹のプロデューサーに、アイディアとコンセプトを山田さんへ教えた話をしたんですよ。プロデューサーから話が行けばいいかなと思ったんでね。でも、山田監督に忖度してるんでしょうか、何も伝えてくれなかった様子でした」

 横尾は、音楽がまだ入ってない「ゼロ号」という試写を観せられたとき、抗議のために憤然と席を立ったという。

 ポストのインタビューの前に、横尾は山田監督宛に抗議の手紙を送ったそうだ。

 すると山田は、その手紙を持って声を震わせて横尾のアトリエへ駆け込んで来たという。「彼は『誤解だ、当初から横尾さんの発案だと喋っていました』と言うわけ。僕がそんな話どこからも入ってこないと返すと、今度は『名前を出すと忙しい横尾さんに迷惑がかかるから』と答える。説明が二転三転した末に、なんとか懐柔しようと『これからの取材ではちゃんと横尾さんのことを言います。今度こそ一緒に映画を作りましょう』と僕の肩を抱いてくる始末(笑い)。全然、真意が伝わってないんだなと呆れました」

 最後に横尾はこう話す。

「芸術作品の根本はアイディアとコンセプトに尽きます。それが理解できない山田さんは芸術家ではありません。そんな彼と出逢ってしまった僕の今は、まさに『ヨコオはつらいよ』という感じかな」

 編集も同じである。必死で考えた企画を酒の席で喋ってしまったため、盗まれたという話などいくつもある。これを読む限り、山田監督の方が分が悪い。

 さて、東京五輪を隠れ蓑にして、役人どもが関係ない施設などにカネをじゃぶじゃぶ横流ししているとポストが報じている。

 19年12月4日に、会計検査院は東京五輪・パラリンピックを巡り、18年度まで国が支出した関連予算の総額が、約1兆6000億円に上ったと発表した。

 大会組織委員会と東京都が見込む事業費と合わせると、関連予算の総額は3兆円を超えるそうだ。

 だが、国や組織委員会、東京都は、大会の総予算は1兆3500億円に収まると発表し、このうち国の負担は1500億円にしかならないというのだ。

 そんなバカな! その裏には、五輪関連施策として、首を傾げざるを得ない事業にまでカネをつぎ込んでいるという疑惑がある。

 中でも目立つのが、水素関連事業費の多さだという。「燃料電池自動車の普及に向けた水素ステーション整備事業費補助金」が256億円、水素自動車を購入すれば補助金を出すために695億円など、多額のカネが経産省から支出されている。

 その他にも錦帯橋ライトアップ500万円、外務省はテレビ番組の英語吹き替え版制作を支援している。

 海外からの国賓を迎える自衛隊員用の特別儀仗服と演奏服を52年ぶりに刷新したなど、五輪を大義にして、カネが注ぎ込まれているというのである。

 世界一コンパクトな五輪という建前は崩れ、かつてない大規模でカネまみれの五輪になることは間違いないようである。

 最後は、現代の菅官房長官についての話である。

 しばらく前までは、ポスト安倍の先頭を切っていたかのように見えた菅だが、自分が押し込んだ大臣らが次々にスキャンダルで首になり、自分の首も危うくなってきた。

 そして仕上げは、中国企業から賄賂をもらっていたことが東京地検特捜部に掴まれ、カジノ推進の担当だった菅の側近の秋元司が逮捕されてしまった。

 悪いことは続くもので、こいつはと見込んだ小泉進次郎が、大臣になった途端、女の問題が堰を切ったように報道され、汚れてしまったのである。

 さらに、国会を閉じた矢先、菅の最大の懐刀といわれていた和泉洋人首相補佐官と厚労省女性審議官との「京都不倫」が報じられたのである。

 ここまでくると、偶然などではない。

 裏に、安倍首相がいるし、安倍から禅譲してもらおうと狙う岸田文雄もいるかもしれない。

 現代によれば、菅は最近投げやりな表情で、「俺も長くやり過ぎたな。こんなに長く官房長官に居座る気はないんだよ」そうぼやいているという。

 菅は人望もカネも潤沢ではない。梶山静六に師事し階段を登りながら、安倍政権で重用された。

 常に誰かの陰に隠れて、仕事し、認められてきたのだ。安倍を陽とすると、菅は陰である。

 ここまで来たことを良しとするべきだろう。安倍同様、菅に代わる人間もたくさんいるのだから。(文中敬称略)

【巻末付録】

 合併号のわりに、両誌ともに力が入っていないように見える。

 まずは現代から。「淫語と文学」。中にある女性器の表現が興味深い。「カトリーヌ嬢」「ひよこ饅頭」「花あやめ」。なかなか奥が深い。

「広瀬アリス」もちろんヌードではない。「今田美桜 水着セクシー」。袋とじ「今宵、『熱海・ほのか』でシースルーコンパニオンと遊ぶ」。懐かしいね、昔はよく遊んだものだった。

 ポストは。袋とじは「マインズALLSTARS 招福ヘアヌードカレンダー」。「渡辺達生 素足のアイドルたち」。「田中道子オンナっぽい」。

 袋とじは、毎度おなじみ「富士出版」の円熟モデル「白い下着の女」。こういうどこにでもいるようなおばちゃんがいいんだよね。

 というわけで、今週はポストがややリードというところだ。