坂上忍(写真/Getty Imagesより)

 9日放送のフジテレビ『バイキングMORE』に自民党の総裁選へ出馬を表明している岸田文雄前政調会長がスタジオ生出演しMCの坂上忍の質問に答えた。

 岸田氏の登場に坂上は「岸田さんのような大物にスタジオに来られてもね、困るんですよ。

そんな番組じゃなかったんですよ。本当は」と自虐で笑いをとり、スタジオを和ませた。

「コロナが落ち着いた時の経済」について質問されると岸田氏はコロナで格差が広がっているとし、「経済を成長させることと併せて分配する。できるだけ幅広い人たちの給料を一斉に上げる、こういった経済対策をしなければならない」と返答。

 その財源については「経済なくして財政はない。まず経済を回すことを先に考えなければならない」などと述べた。

 坂上に「しばらく、消費税増税はまだやめておこうかって感じなんですか?」と質問されると、岸田氏は「消費税増税は当面考えません」と明言。「おそらくいつかは上げなきゃならないと思いますけど」と坂上にさらに問われると「いつまでも上げないとは申しませんが、コロナとの闘い、経済を復活させようとする段階において、消費税を上げるっていうことは私は考えません」と繰り替えした。

 また、岸田氏は2日のテレビ番組で森友学園問題を巡る財務省の決裁文書改ざんについて「さらなる説明をしないといけない」と話していたが、7日には「再調査は考えていない」と強調したことについて坂上は「安倍(晋三)さんに気を使ったんじゃないかと言われているんですが、いかがですか」と追及。

 岸田氏は「私は国民に対する丁寧な説明が必要だったと言っているわけですから。説明いたします」と断言。「説明するとずっと言ってきているわけですから、結論として、私の発言はブレてるとか、変わったとか当たらないと思います」と発言に矛盾はないとした。

 さらに坂上は、河井案里元衆議院議員と夫の河井克行元参院議員による参院選広島選挙区を巡る買収事件についても「(自民党本部が選挙資金として夫妻に渡した)1億5000万円の使途の問題も、説明責任が果たされてると思ってる方多くないと思うんですけども」と質問。

 岸田氏は「(書類が裁判所から)最近戻って来たという報道がなされたので、党に確認して、しっかり精査して、買収に使われていないと明らかにしてもらいたい申し入れてます」と、党本部に対応を求めたと述べ「党から出たお金が買収に使われていないとしっかり証明してもらいたいと思っていますし、やらなければいけないと思ってます」と力強く主張した。

 坂上は同じく総裁選に出馬を表明している高市早苗前総務相が同番組にリモート出演した際、コロナ対策において党内の声が吸い上げられなかったと話したことから、党内の声が届かないなら国民の声も届かないのではと指摘。

「自民党って、もっと中から突き上げがあってそこのやり合いがあって、そこで自由闊達に、まあ荒っぽい人もいるんだけど、いやこっち行くんだぞってなったらわって行くっていう。大人な党っていうんですかね。そういう面白さがあったんですけど、ここんとその匂いか無くなって、僕は魅力薄くなっちゃったなっていう印象」と、自民党について熱く語っていた。

「大物に来られても困る」と自虐しつつも、しっかりと自分の聞きたいことを押さえた様子の坂上。「去年も感じたんですけど、すごい話しやすい方」と最後には談笑していた。

 しかしネット上では「坂上忍、高市さんの時と随分態度が違うやないかい!」「高市さんの時は態度も悪く高圧的だったのに」「坂上今日は肘付かないの?」と高市氏が出演した際と対応が違うのではないかという指摘が多く上がていて、岸田氏の回答よりも坂上の態度に注目が集まってしまったようだ。