今春に終了した『バイキングMORE』の後番組として始まった、フジテレビ系の昼の帯番組『ポップUP』が苦戦続きだ。
坂上忍が名物司会を務めた前番組『バイキング』から一転、『ポップUP』は曜日ごとにパーソナリティが代わり、小泉孝太郎、三浦翔平、おぎやはぎ、高嶋政宏、吉村崇(平成ノブシコブシ)と、バラエティに富んだラインナップを揃えたが、視聴率的には惨敗。
「昼の時間帯は『ヒルナンデス』(日本テレビ系)、『ひるおび』(TBS系)、『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)が三つ巴の戦いで、『バイキング』はそれを追う形でしたが、それでも3~4%は取っていました。ところが『ポップUP』は初回から3.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、立ち上がりからつまづき、最近は1%台を連発しています。5月には主婦の不倫がテーマのミニドラマを挿入してテコ入れを図りましたが、これも全く奏功せず、先日にはスタッフのパワハラ報道まであった。浮上する要素が見当たりません」(テレビ情報誌記者)
フジテレビ『ポップUP!』パワハラ報道でいや増す早期終了の現実味 フジテレビの昼の情報番組『ポップUP!』のチーフプロデューサーによるパワハラ疑惑が、6月9日発売の「週刊文春」(文藝春秋)で報じられた。記事によると、フジテレビの社員...フジテレビが『笑っていいとも』で昼の天下を取っていたのも今や昔。
「番組開始以来、しばらくは独自の“色”が見えなかった『ポップUP』ですが、ゲストを見ると、華原朋美、さとう珠緒、高樹千佳子、川村ひかる、市川由衣、矢部美穂、福田沙紀、CoCoの宮前真樹など、90年代から2000年代にかけて活躍した人ばかり。他局を見ると、『ひるおび』や『ワイド!スクランブル』は視聴者の年齢層が高く、『ヒルナンデス』は若者向けですから、その中間の40代~50代を狙っていることが、ゲストの人選からわかります。
40代~50代は、本来ならバリバリの仕事モードか、子育て真っ最中ですが、リモートワークが進んで在宅率が上がってお昼にテレビを見るようになりました。
ライバルたちに正面から立ち向かうというよりは、どちらかといえば“隙間”を狙ったしたたかな戦略を図るフジテレビ。現状は厳しいが、キー局関係者はこう語る。
「多くの人が忘れていますが、前番組の『バイキング』はスタート時に惨憺たる数字だったものを、時間をかけて名物番組に育てました。『サンジャポ』の裏番組の『ワイドナショー』も、今でこそ好視聴率番組ですが、スタート時はボロクソに叩かれ、打ち切り説が飛び交っていたもの。
バラエティ番組ならともかく、視聴習慣によってチャンネルを合わせることが多い帯番組は、一朝一夕では数字は上がりません。
往年のフジの名キャッチコピー、“楽しくなければテレビじゃない”を、今こそ思い出す時かもしれない。