ザ・マミィ(「人力車公式サイト」より)

 ザ・マミィと言えば、「キングオブコント2021」で準優勝してからテレビで目まぐるしい活躍を見せているが、その準優勝を超えたとも思える活躍があった。それは、1月15日に放送された日本テレビダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」内の七変化にザ・マミィ、酒井貴士が挑戦したときのことだ。

 この企画は10人と参加者の相方計11人が会議室で会議をしており、そこになにげに途中参加した芸人が1人であらゆる手段を使って、その場にいる11人を笑わせなければならない。7回挑戦し、笑った人は1000円を毎回没収され、その合計金額で順位を決める。この企画で集まったお金は、日本テレビ小鳩文化事業団に寄付される。

 笑わせる対象となる企画会議には松本人志も参加しているので(今回浜田雅功は欠席)芸人からすればかなり難易度の高い企画として、見ているだけでも怯えてしまう。今回で59人目の挑戦となる。

 ここで、酒井貴士の今まで見たことのない捨て身の何でもやる姿勢に感銘を受けた。

酒井貴士の七変化を紹介する。まずは脇毛をやたらと見せる。しかし、失礼なのでワイシャツを着るが、脇の部分がくり抜かれていて、結局脇毛が見えてしまうという変化。その後、脇毛がカレーの匂いがする「嗅いで」という不思議な描写もあった。「あれ一発目にもってきたんですね」と言われ、出だし不安の会議室。

 2つ目の変化は、ヒヨコの雄雌の仕分け。

失敗すると、スパルタな先輩に強くビンタされる。最終的には合っていても殴られるというオチ。その後「私はどっちかしら」と先輩のおばちゃんに色仕掛けし、キスをしながら帰っていく。

 3変化目、Tシャツと黒ズボンでシンプルに登場、椅子に座るや否や事務所の先輩のゆってぃに電話して、バラエティでの立ち振る舞いの相談し、ちゃんと相談に乗ったとたんに電話を切るという失礼でしかない対応をした。これに、11人が綺麗に同時に爆笑した。酒井貴士のクズ芸人としてのキャラクターも乗っかって、普段からこんなことしていそうという共感からか、笑いは止まらなかった。

 その後も、電話を切ったりつなげたりしてゆってぃを怒らす。電話をつなぎっぱなしでゆってぃの話を無視し、喋りっぱなしにし、その場を出ていく。ゆってぃはどのくらい先輩なんだという問いに、林田の「20個ぐらい」という答えにまた会場が盛り上がった。実際、ゆってぃはスクールJCA4期生で1995年に芸人を始め、ザ・マミィはスクールJCA24期生で2015年に芸人を始めているので、きっちり20年先輩になる。

 4つめの変化。自分へのご褒美で寿司を食べる。

ヘッドホンで音楽を聴きながら食べるのだが「おいしいのに、うるさい……」と感情がぐちゃぐちゃになる。ヘッドホンを一回外すのだが、また同じことを繰り返す。最後は寿司にヘッドホンを近づけて曲を聴かせるというシュールな時間も。

 5つ目の変化。屋台のおじさんが登場し、恐竜のカードくじを引かせていく。恐竜が出たら当たり、ハズレは酒井本人のシモの写真。

モザイクでテレビでは見られないが、それに会議室は大盛り上がり、それを何度か引かせ、ハズレのたびに盛り上がる。引かれる順番も絶妙で奇跡が起きていた。

 6個目の変化。外国人と逆立ちの練習をし、外国人が逆立ちをしたとき足を支えるが、酒井が逆立ちをしたときは外国人は足を触ろうとすらしないので転倒して、地面に衝突する打撃音を笑いに変えていた。大丈夫かと心配させながらの笑いの取り方がうまかった。

 7変化目。

結婚スピーチ、酒井貴士はお父さん役、お母さん役のエキストラも用意していた。中島みゆきの歌をお母さんが弾き、お父さんはその音に合わせて特殊な楽器を合わせるというもの。引き終わったら、なぜかサルグツワをされ踊りながら帰っていくという意味不明な表現に。

 松本人志「いらんいらん、絶対いらんわ」と突っ込んでしまい、そこで会場のほとんどが笑ってしまうという持っていき方をみせた。ここまできたら運も味方しているようにもみえる。一つひとつのネタがしっかりしており、自信がないと意味不明のような表現をその後に付け足すという形で攻め、安定感すらある7変化になった。

 酒井貴士の金額は6万4000円で、次長課長河本6万3000円、渡辺直美6万円、アインシュタイン稲田5万7000円を抜いて、過去1位に輝いた。最後に登場した酒井貴士が泣いて松本人志に抱きつくシーンも感動を呼んだ。そして、現場に来ていたザ・マミィの女性マネージャーも涙し「うれしくて、がんばっていたんで……光栄です。本当に……」とM-1グランプリで優勝したかのような感動があった。

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