小栗旬

 俳優の小栗旬が6月8日、所属事務所トライストーン・エンタテインメントの代表取締役社長に就任したが、「小栗社長」は就任早々ピリピリムードという。

 小栗は、田中圭綾野剛木村文乃間宮祥太朗坂口健太郎赤楚衛二、若村麻由美、杉本哲太、miwa、清塚信也ら売れっ子俳優・アーティストが多数所属するトライストーンの看板タレントの一人だったが、2009年には同社の取締役に名を連ねるように。

2020年には社長就任の話が聞こえ始め、創業30周年という節目のタイミングで新社長になった。今後は経営者と俳優の二足の草鞋を履くことになり、前社長の山本又一朗氏は会長となった。

 スポーツ紙の芸能担当記者はこう話す。

「元々、山本前社長は後継者に小栗を指名していて、今年4月に行われた同社の創立30周年パーティーの席で小栗に社長を譲ることを明言していましたからね。今回株主に認められて正式決定したとはいえ、既定路線と言ってもいいでしょう」

 一方、小栗には社長就任早々、さまざまな課題が降ってきた。先月、暴力行為法違反(常習的脅迫)容疑などでガーシーこと東谷義和容疑者が逮捕されたが、刑事告訴しているうちのひとりが同事務所所属の綾野だ。

公判になった場合、同容疑者が“厄介な暴露”をする可能性が指摘されている。

 また、2007年公開の小栗主演映画『クローズZERO』などで共演経験のある元俳優で格闘家の高岡蒼佑も、「ガーシーさんって芸能界のことに関しては9割5分は事実」とフォローし、小栗社長やトライストーンに対して恨み節を展開。その内容が反響を呼んでいる。

 高岡は、「頼る時は利用するくせにピンチになると訴えるってどこぞの新社長みたい。吐きそう。トライストーンはこんなのばっかり」「トライストーンは人生に関わる事でいくつかあったから無理」「(小栗のことは)昔から信用もし、仲良いとも思い続けてたけど、やっぱり無理」「小栗社長には長年、仕事を妨害され続けてきた。

この10年で証言も多数集めた」などとInstagramのストーリーズ機能で“口撃”。高岡は、5月に人気YouTubeチャンネル『街録ch~あなたの人生、教えて下さい~』で公開されたインタビュー動画で、「すごく有名な俳優さん」と「そこの事務所の社長さん」が、「高岡だけを排除してくれ」などとキャスティング側に高岡を起用しないよう要請していたと暴露しており、これが小栗と山本前社長のことではと注目を集めた。

 さらに高岡は、6月25日に格闘技大会「競拳23」で判定負けをした後、「(次は)小栗とやります」と挑発する場面も。Instagramのストーリーズでは、「法廷で嘘偽りなくトライストーン案件はバンバン証言させてもらえるから 逆に訴えてくれるくらいがちょうどいいかもしれない」などと余裕を見せており、小栗やトライストーンに相当な恨みを抱いている様子だ。

 社長就任早々に難題山積みの観もある小栗だが、さらにはこんな話も……。

「実は、小栗社長が所属事務所を通じ、過去の発言についての報道をしないように懇意のマスコミ各社に通達したそうなんです。

ガ―シー容疑者や高岡関連についてはそこまでの申し入れはなかったようなので、“過去の発言”についてはそれ以上にピリピリしている様子です」(民放テレビ局の情報番組スタッフ)

 その“過去の発言”とは、かつて小栗が口にした芸能界改革に関するものだ。

 小栗は雑誌「クイック・ジャパン」(太田出版)の2014年8月発売号で鈴木亮平と対談した際、「僕らの同世代でも上の世代でも『この人、何も考えてないのによく生き残ったな』っていう人はいますから。事務所の力もありますし」「例えば『映画にしか出ない』とか言ってる人が、コンサバなテレビコマーシャルに出ているのを見ると、『話が違くね?』って思ったりするんですよ。『金もらったらコンサバなテレビコマーシャルに出るのに、テレビドラマは下に見るんだ。意味わかんねえ』って」などと発言。その流れで俳優のための労働組合の必要性も訴え、「(労働組合を)ぼちぼち本格的にやるべきだなと思っています」「やっぱり組織ってとてつもなくでかいから、『自分は誰かに殺されるかもしれない』くらいの覚悟で戦わないと、日本の芸能界を変えるのは相当難しいっすね」などと力説した。

 以来、小栗といえば「芸能界を変えたい人」という認識も強いが……今回の社長就任にあたり、こうした過去の発言が一部メディアで蒸し返されたことに対してかなり神経質になっているという。一体なぜか。

「当時も芸能界批判などとそれなりに物議を醸しましたが、新社長になった小栗がピリピリしているのは、小栗が社長を務めるトライストーンが、日本最大の業界団体である『音事協(日本音楽事業者協会)』の加盟社だからです。しかも、前社長で会長の山本氏はその中核を担う理事の一人で、次期会長職も狙っているともっぱら。そもそも、小栗がかつて批判した芸能界の在り方を長年主導してきたのが音事協。そこに加盟している事務所の社長に就任した今、音事協との関係を悪くしかねない過去の発言は“なかったこと”にしたいのでは」(芸能事務所幹部)

 小栗社長が芸能界の改革について語ることはもうなくなるのだろうか。

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cyzo
日刊サイゾー2023.06.14