『THE SECOND』ザ・ぼんち、バチバチにウケて散る!「...の画像はこちら >>

 芸歴16年以上の漫才師による頂上決戦『THE SECOND』。5月にフジテレビ系で生放送されるグランプリファイナルへの出場8組を目指したノックアウトステージの開幕戦「32→16」が23日と24日に行われた。

 24日には13時からB・Eブロック、20時からはG・Fブロックが行われ、残り8組が勝ち抜き。「16→8」ステージへと駒を進めている。

 ここでは、その結果を振り返りながら本戦の行方を占ってみたい。

■Bブロック

ザ・ぼんち(285点)×ハンジロウ(287点)〇

芸歴55年、日本武道館を熱狂の渦に巻き込んだのは43年前の1981年である。そんなザ・ぼんちが令和の時代の賞レースでどんな漫才を見せるのかに注目が集まったが、結論をいえばバチバチにウケた。285点はこのステージでも32組中で9位の点数だが、ハンジロウがわずかに上回った形だ。ハンジロウも、まさかザ・ぼんちを直接の漫才対決で倒す日が来るとは思っていなかっただろう。

三日月マンハッタン(256点)×リニア(290点)〇

2年連続のベスト32進出となった三日月マンハッタンを、昨年『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)でラストイヤーを終えたばかりのリニアが撃破。東京地下ライブを根城にするコンビ同士で交流も深いだけに、トーナメント戦の残酷さを浮き彫りにする組み合わせでもあった。リニア、次はハンジロウと地下代表決定戦となる。

■Eブロック

〇かもめんたる(288点)×流れ星☆(243点)●

三日月とリニアが現代の東京地下を代表するコンビだとすれば、かもめんたると流れ星☆はゼロ年代の下北沢ライブシーンでトップを走っていた2組。流れ星☆からすれば、まさか20年後に漫才の大会でWAGEの残党と対戦することになるとは思っていなかっただろう。かもめんたるは1点の投票が2人いての288点。圧巻の強さだった。

ザ・パンチ(284点)×東京ダイナマイト(265点)●

もう出てきただけで「おお……」と特別な感情がわいてきてしまう東京ダイナマイトを、おもしろさだけで下したザ・パンチの殊勲の勝利。『M-1』ラストイヤーでファイナルまでたどり着き、すべり散らかしたのは08年。それから16年、舞台に立ち続けた漫才師の凄みを見た思いだった。

■Gブロック

●ヤング(242点)×マシンガンズ(279点)〇

ザ・パンチがファイナルに進出した08年の『M-1』敗者復活戦で顔を合わせている2組。昨年準優勝、『THE SECOND』でまさしくセカンドチャンスをつかみ、大会の代名詞的な存在となったマシンガンズ。今年は単独ライブも開催しネタを練ってきたかと思いきや、あんまり変わらないスタイルだった。つまりは、今年もめちゃくちゃに強いということである。

シャンプーハット(267点)×ガクテンソク(284点)〇

昨年上京し、今年が勝負の年となる芸歴18年目のガクテンソクが、関西の兄貴分であるシャンプーハットを下してベスト16入り。「子どものころ見てた」漫才師を年少者が下していくのも『THE SECOND』の醍醐味である。ガクテンソクは「16→8」ステージで、昨年苦杯をなめたマシンガンズへのリベンジを誓う。

■Fブロック

ショウショウ(263点)×囲碁将棋(270点)〇

昨年ベスト4の囲碁将棋と、芸歴37年目のショウショウ。こちらは、ともにルミネtheよしもとでトリを取るコンビ同士の対戦。熟練の技で客席を巻き込んでいくショウショウに対し、カッチリと作りこんだ作品をたたきつけるような漫才で囲碁将棋が頭一つ上回った。

平場では互いに「吉本の宝」と言い合って抱き合うすがすがしい光景も見られた。

●ヘンダーソン(266点)×タイムマシーン3号(291点)〇

昨年の『M-1』敗者復活戦で存在感を示したヘンダーソン。今年の『THE SECOND』でファイナルに進めば一気に大ブレークの兆しも見られたが、タイムマシーン3号が大きな壁として立ちはだかった。タイムマシーン3号の291点は、この日の最高得点。芸歴24年目にして、漫才師として全盛期を迎えつつあるように見える。

* * *

 この結果、「16→8」ステージの対戦は以下の通り。

・Bブロック

ハンジロウ×リニア

・Eブロック

ザ・パンチ×かもめんたる

・Gブロック

マシンガンズ×ガクテンソク

・Fブロック

囲碁将棋×タイムマシーン3号

 決戦は4月20・21日だ。

(文=新越谷ノリヲ)