今年もベテランたちの暑い夏がやってくる。
芸歴16年以上の漫才師によるトーナメント『THE SECOND』(フジテレビ系)のノックアウトステージに進出した32組の組み合わせを決める抽選会が27日、YouTubeで生配信された。
130組がエントリーし5日間にわたる選考会を勝ち抜いた27組と、昨年のベスト8進出によってシードされた5組がこの日の抽選に参加。昨年の第1回大会は各事務所のマネジャー、スタッフがくじを引いたが、今年は多くの芸人が参加し盛り上げている。
抽選会のMCに抜擢されたのは、昨年『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で優勝した令和ロマン。『THE SECOND』のエントリー条件に「全国ネットの漫才賞レース番組で優勝していないこと」があることから同大会への参加資格を永久に失ったコンビだが、昨年の大会以降「セカおじ(セカンド大好きおじさん)」を名乗って分析動画をアップするなど、芸能界屈指の『THE SECOND』マニアである。
『THE SECOND』の見どころは、なんといってもトーナメント形式のタイマン勝負であること。32組の漫才師はまずノックアウトステージを勝ち上がり、夏に全国で生放送されるベスト8に残ることが目標となってくる。よって、この日の抽選会はまさに運命の分かれ道だ。
ここでは、各ブロックごとに見どころを紹介したい。
■Aブロック
LLR×ダブルアート
祇園×タモンズ
2000年代、ヨシモト∞ホールで絶大な人気を誇った「AGE AGE LIVE」の顔役だった結成23年目のLLRと、昨年『M-1』ラストイヤーを終えた関西若手界の兄貴分・ダブルアート。対戦が決まると、ダブルアート・タグは「みんなサンパチマイク1本でやると思いますけど、俺らはそこにハンドマイク2本足してやる」と怪気炎を上げた。
祇園とタモンズは東西の同期対決。タモンズとの対戦が決まった祇園・木崎太郎は頭を抱え「嫌や!」と絶叫。一方のタモンズは選考会上位8組の「ポットA」に選ばれるなど好調を保っている。
■Bブロック
ザ・ぼんち×ハンジロウ
三日月マンハッタン×リニア
芸歴55年のレジェンドであるザ・ぼんちがここに入った。対戦相手のハンジロウは長く「しゃもじ」というコンビ名で活動してきたコンビ。かつての『新しい波16』メンバーで、かまいたちやニッチェとしのぎを削ってきた歴戦の雄が捲土重来を目指す。
昨年に続いてベスト32入りを果たした三日月マンハッタンの相手は、こちらも『M-1』ラストイヤーを終えたばかりのリニア。ライブでの共演も多い仲良し対決となった。リニア・酒井啓太は「この対決、新宿バッシュ!! でできるんですよ」と困惑。東京地下ライブメンバーの中にザ・ぼんちが舞い降りたBブロックの構図は、今回の『THE SECOND』を象徴する組み合わせかもしれない。
■Cブロック
ロビンフット×テンダラー
インポッシブル×ななまがり
昨年のファイナリストであり、今年も優勝候補に挙げられているテンダラーの相手は、『キングオブコント2018』(TBS系)ファイナリストのロビンフット。おぐは14年の『R-1ぐらんぷり』(フジテレビ系)でも決勝に進出しており、数少ないダブルファイナリストの1人である。実績としては遜色ないところだが、果たして。
ともに本人が抽選会に出席し、くじ引きの前にボケ倒していたインポッシブルとななまがりは東京吉本のキワモノ同士の直接対決となった。インポッシブル・ひるちゃんは「よく(ななまがり)森下とコンパ行くんですよ」と告白。MCの高比良くるまが「ヤバいコンパ! 誰が来てくれるんですか、女の子」とツッコんでいたが、ホントに誰が来るんだろうか、そのコンパ。
■Dブロック
COWCOW×金属バット
母心×ジャルジャル
解散を発表したプラス・マイナスの代替として参加することになった昨年のベスト16・COWCOWの相手は、昨年のファイナリストである金属バット。本来、スタッフやマネジャーが担当するはずのくじ引き要員を用意しておらず、急きょ、先輩のガクテンソク・よじょうに引かせて見どころを作った。
ジャルジャルの相手は、今回数少ない漫才協会所属コンビである母心。嶋川武秀は富山県会議員としても活動しており、この日の抽選会には関あつし1人での参加となった。DブロックのCOWCOWとジャルジャルはともに昨年のノックアウトステージで、番狂わせで超新塾に敗れたという共通点もある。
(文=新越谷ノリヲ/後編に続く)