(写真/Getty Imagesより)

 大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏が、ドジャースから解雇されたニュースが21日に配信、国内外に大きな衝撃を与えた。

 報道によると水原氏をめぐっては、米・カリフォルニア州では違法とされているスポーツ・ベットで多額の借金を抱え、大谷選手の口座からブックメーカーに対し、日本円で約6億8000万円が送金されていたという。

 翌22日には、日本の国税庁にあたるアメリカのIRS(内国歳入庁)が、水原氏と賭け先となるブックメーカーに対し、捜査を進めていると報じられた。また、ブックメーカー側の弁護士は、「水原氏はサッカーには賭けたが、野球には賭けなかった」「ブックメーカーは大谷選手と直接会ったり電話するなど、いかなる形でも接触したことはなく、水原氏としか接触していない」などと話しているという。

 その後もさまざまな報道がなされており、26日には大谷選手が声明を発表するも、解明に向けて長期化の様相を呈している。

「IRSが介入したとなれば、大谷の口座の金の動き、さらには、本人への徹底的な取り調べも行われることになると言われている。大谷は今回の件に関して『知らぬ存ぜぬ』となるだろうが、現状では“グレー”のまま。MLBのシーズンも開幕しただけに、早く大谷の身の“潔白”を証明してほしいというのがファンの願いだろう」(スポーツ紙記者)

 今回の焦点であるスポーツ・ベットだが、これまで、日本ではあまり話題になることがないが、アメリカでは当たり前のように行われているという。

「日本では、競馬、ボートレース、競輪、オートレースが公営競技として確立しているだけに、法律でガチガチに縛りをかけて、スポーツ・ベットが参入できない仕組みになっている。しかし、アメリカでは日本の公営競技と同じぐらいか、もっと軽い感覚でスポーツ・ベットが楽しまれているのも事実。4大スポーツのMLB、NBA、NFL、NHLが盛り上がっているのも、ベットしながら観戦を楽しめるという側面があるということは否めない。ネットで気軽に買えるが、日本の公営競技のように大画面で観戦して、飲食を楽しみながら賭けることができる『サテライト』と呼ばれる施設もある」(米国のスポーツ事情に詳しいジャナーナリスト)

 振り返ればおととし10月末、警察庁と消費者庁が公式サイトに“警告文”を掲載した。

 そこでは《日本国内ではオンラインカジノに接続して賭博を行うことは犯罪です!》のタイトルで、《海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪になります》と警告。《実際にオンラインカジノを客として利用した者が賭博罪で検挙された事例もあります》とし、《犯罪になることを知らなかったでは済まされません。

賭博は犯罪です。絶対にやめましょう》とした。

「オンラインカジノサービス『B』を指しているのは明らかで、ここではスポーツ・ベットも楽しむことができる。国内のプロ野球、MLB、サッカーのJリーグ、海外のリーグにとどまらず、場所中は大相撲まで賭けの対象になっている。海外にサーバーがあるだろうから、サービスそのものを国内の法律で取り締まることができないだろうが、水原元通訳の解雇でスポーツ・ベットが話題になったので、見せしめ的に利用者の逮捕など当局は何らかの動きを見せるかもしれない。この時期に軽々しく利用して取り返しの付かない事態だけは避けてほしいもの」(全国紙社会部記者)

 そのうち、国内の各スポーツを運営する団体が「B」のようなスポーツ・ベットに対して動きを見せるかもしれない。