今田美桜

 今田美桜主演の『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)も15日放送分で最終話。土曜の夜に、安心して楽しめる作品だったと思います。

ちゃんとした原作があって、それをちゃんと作ったらこれくらいおもしろいドラマになるというお手本のような作品だったし、何しろ今田美桜が堂々と中心に立ち続けましたね。若いのに、大したもんだと思う。

 振り返りましょう。

半沢直樹、あんま出てこない

 前回、ラスボスである東京第一銀行・紀本部長(要潤)の懐刀である昇仙峡玲子(菊地凛子)から「銀行を変えたいから力を貸して」と頼まれた花咲。臨店班から地方の融資課に飛ばされた元上司の相馬(山本耕史)とともに、紀本派閥の悪事を暴くために奔走することになりました。

 調べていくと、紀本部長が中心となって大規模なインサイダー取引のスキームが確立されていることが発覚。財務大臣・石垣(大和田伸也)に賄賂を流すことで、産業中央銀行との合併話も有利に進めていた紀本部長でしたが、みんなの前で花咲にお言葉を返されて万事休す。

見事に、逮捕されてしまいました。

 今回は、展開が詰まっていたこともあってサクサクとプロットのみで進行していった『花咲』。展開としての爽快感はありましたが、クール中盤に満を持して登場した半沢直樹(劇団ひとり)との絡みは期待していたほどではなかったし、紀本派閥の1人が花咲側に寝返る段取りもあっさりとしていた印象でした。

 やっぱり途中で半沢直樹が出てきてしまったものだから『半沢直樹』(TBS系)のこってり風味を期待しちゃってた部分はあると思うんですが、これくらい爽やかなのが『花咲』の味なのかもしれません。

■昇仙峡玲子の物語だった

 終わってみれば、今回の『花咲』第3シーズンは昇仙峡玲子という人物の物語でした。腐った銀行に恋人の命を奪われ、私怨から紀本部長の懐に入り込んだ昇仙峡が、花咲の純粋さに心を動かされて、より大きな理想に向かっていく。

 ドラマの主人公には「こういう人になりたいな」「こんなふうに生きてみたいな」と思わせるタイプと「こんな人が近くにいたらよかったのにな」「こんな人に出会いたいな」と思わせるタイプがあって、今回の花咲は明らかに後者でした。第1回と最終回で、花咲は同じ顔をしている。一方で昇仙峡は、まったく違う顔をしている。百戦錬磨の菊地凛子を向こうに回して、今田美桜が堂々と中心に立ち続けたというのは、そういうことです。

 うまい役者さんなんていくらでもいるけど、主役を張る俳優というのはこういうものだという、今田美桜のカリスマ性を改めて確認する作品になったと思います。

 来年は中園ミホ脚本でNHK朝ドラの主演だってね。

ホント、大したものです。

(文=どらまっ子AKIちゃん)