下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 セクハラ財務省事務次官、援交知事に続いて、明日発売の「週刊文春」(文藝春秋)で林芳正文部科学大臣の“風俗通い”が暴露されるらしい。

まったくこの国の政治家や官僚男どもは何をやっているのだろうか。

第410回(4/19~4/24発売号より)
1位「関ジャニ∞ 渋谷すばる 脱退の『不可解すぎるタイミング』」(「女性セブン」5月3日号)
2位「女性記者『セクハラ告発』財務省とテレビ朝日は“共犯”です!」(「女性自身」5月8日15日合併号)
3位「小嶺麗奈 恋人田口淳之介のマネージャーになっていた!」(「女性自身」5月8日15日合併号)

 先週の「女性自身」と「週刊女性」が報じていた渋谷すばるの関ジャニ∞脱退。締め切りの関係で、4月15日の会見で明らかになった“ジャニーズ事務所退所”の情報までは追いきれず、2誌ともにメンバーたちの友情と絆が強調された記事になっていたが、しかし今週の「女性セブン」はもちろん様相が違った。

 メンバー同席の異例の退所会見が“不可解”だなど、渋谷の今回の対応に疑問符を投げかけているからだ。例えば12月末に退所するのに、なぜ7月に行われるデビュー15周年のツアーに参加しないのか、なぜ焦るようにして辞めていくのか。会見で目標とするジャニーズの先輩はいないと断言した渋谷の言動は失礼ではないのか。
さらに会見での渋谷は関ジャニ∞の音楽活動を「もの足りない」と宣言したようなもので、わがままである。今後のビジョンも見えない、などだ。

 その上、記事には渋谷の性格が気難しいとか、これまでも素行が不良だったなどの人格攻撃のようなことまで書かれている。要するに今回の関ジャニ∞脱退と事務所退所は、全て渋谷の責任で、ジャニーズ事務所には非はないと言いたいらしい。

 まあ、これも当然か。異例の会見を開いたことでジャニーズ事務所の“変節”などと言われたが、やはりジャニーズは辞めていく人間に寛容であるはずがないし、子飼いのマスコミがバッシング報道するのは想定内だろう。


 今後も同様の報道は散見されるはずだが、興味深いのは7月のツアーに渋谷が不参加の理由だ。「セブン」では、それをこう解説している。

「彼のことを第一に考えていたメンバーもすばるくんのあまりに頑なな態度に、“そこまでおれたちのやってきた音楽を受け入れられないなら、ツアーも出ない方がいい…”となったそうです」(芸能関係者のコメント)

 しかし、渋谷のグループ脱退をスクープした「フライデー」(現在発売中の5月4日号/講談社)によると、それは真逆になる。渋谷はツアー参加までは譲歩したが、しかし藤島ジュリー景子副社長がそれを許さなかったという。その理由は「会場でのグッズや後々販売されるツアーDVDなどの巨額のロイヤリティーを渋谷に渡したくなかった」「ツアーそのものが“渋谷すばる脱退記念ツアー”みたいになることは、絶対避けたかった」らしい。

 いろんな理屈を立てて、ジャニーズに忖度する御用マスコミも大変だ。



 財務省の福田淳一事務次官のセクハラ問題は大きな波紋を呼び続けている。しかも問題は、福田氏のセクハラが「週刊新潮」(新潮社)で報じられて以降、麻生太郎財務相、自民党議員、そして財務官僚までもが 相次いで“セクハラ擁護”の暴論ともいえるトンデモ発言をし続けていることだ。さらに4月24日には政府が福田氏の辞任を承認し、処分を先送りするという驚きの閣議決定をしてしまった。事の本質は女性に対する性差別、人権侵害なのに、この国の権力者たちは、そんなことさえ理解できない。暗澹たる気持ちになるが、そんな中「女性自身」が問題の特集を組んでいる。

 そこでクローズアップされているのがマスコミの体質だ。
なぜテレビ朝日の上司は記者のセクハラの訴えを無視したのか。その理由についてこう記している。

「“最強官庁”ともいわれる財務省を敵に回してしまっては、今後の取材活動に大きなダメージを受けてしまいます。
 次官のセクハラを告発しても社の上層部が認めるはずがない――。そう“忖度”した結果として“もみ消す”形になってしまったのでしょう」(全国紙の政治担当デスクのコメント)

 確かに、その指摘は正しい。そもそもセクハラが横行するマスコミにあって、これまで新聞社やテレビ局が記者に対するセクハラ被害を、公に報じたことなど一度たりともないからだ。
たとえ直属の上司が報じようとしたとしても、上層部の横やりで潰されていたはずである。絶対に。したがって、セクハラの事実を報道するために、こうした問題を取り上げてきた週刊誌に持ち込むのは、しごく真っ当な方法とも言える。さらに、この女性上司はさまざまな“判断”をしたが、それは単に“もみ消した”と批判されるようなものではなかったとの情報さえある。そして、テレ朝以外にもセクハラ被害を受けた記者が存在するといわれているが、それを調査、報道した社はいまのところひとつもない。テレ朝は事後とはいえ、記者会見で事実を公表したことは、ある意味評価すべきことでもある。


 そんな事情を踏まえ、「自身」の記事を読むと、告発した女性記者の正義感について肯定的に評価し、またセクハラの訴えがあった場合、推定有罪で動くべきだなど、その内容は女性サイドに寄り添ったものだ。

 だが、残念なことにタイトルが悪い。加害者である財務省と、会見を開いてそれを認めた被害者であるテレビ朝日をあたかも同列のように扱っているからだ。これでは、事の本質がすり替わってしまう危険性さえある。

 「自身」も女性週刊誌とはいえ編集長も男性だし、センスもまだまだ男性目線が多い。そこが残念であり、セクハラの温床なのかも。

 久々にその名前を聞いた。小嶺麗奈。元KAT-TUNの田口淳之介がジャニーズを退所する原因となった恋人だ。あれから2年。時折、入籍だ、妊娠だという情報もあったが、現在は田口のマネジャーをしているらしい。「自身」はその様子を意地悪く書いている。ジャニーズに逆らうとしつこく批判されるんだな。でも驚いたのはまだ入籍していなかったこと。ジャニーズ辞めたのは結婚するためでは? なぜ?