ジュリーにとっては「初」ってこと?

 嵐がデビュー20周年ツアー中の2019年12月23日に東京ドームで行った公演が、ライブフィルム『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』として製作されていたことが明らかになった。日本での公開日は未定となっているものの、「第24回上海国際映画祭」(6月11日~20日)にてワールドプレミア上映が決定。

なお、スポーツ紙などでは「ジャニーズ初のライブフィルム」と報じていたが、一部ジャニーズファンからは異論が上がっている。

 嵐は、2018年11月~2019年12月まで、デビュー20周年を記念したツアー『ARASHI Anniversary Tour 5×20』を敢行。このツアー中、「映画を撮影するため」に1日限りで“収録用のライブ”を開催したが、ファンには撮影目的が伏せられたままとなっていた。

今年5月23日付の「サンケイスポーツ」によれば、今回の映画は「嵐のライブパフォーマンスだけ」をフィルムに収めた作品で、「活動休止前最後のツアーを特別な形で記録したいという5人の思いから実現した」とのこと。監督は堤幸彦氏が務め、撮影にあたって100台以上のカメラや、ドローンを駆使。堤監督は「間違いなく自分が撮った中では最高峰になる」と、自信をのぞかせている。

「嵐は昨年4月に中国・北京でコンサートを行う予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、中止となりました。これを踏まえて、映画は同国で開かれる上海国際映画祭で世界初上映されるそうです。日本での公開日は『調整中』となっているのですが、これに一部嵐ファンが不満を抱えています。多くのファンは『嵐は日本のファンを置いてけぼりにすると思えないし、日本での公開を待ちたい』と前向きに捉えているものの、『日本より中国のほうで優先公開になったのは素直に喜べない』『中国での上映が先と知ってモヤモヤした』と、否定的な反応が出てしまいました」(ジャニーズに詳しい記者)

 さらに、今作に関してはジャニーズファンからとある指摘が入っている。前述のサンスポなど、複数のメディアでは「ジャニーズのライブが映画になるのは初」と伝えていたが、これを受けてKinKi Kids・堂本剛のファンが「剛くんの平安神宮公演の映画は?」と、ツイートしているのだ。堂本はソロ歌手としても活動しており、12年2月24日~3月11日にかけて、期間限定で『堂本剛 平安神宮公演2011 限定特別上映 平安結祈 heianyuki』なる映画が全国の映画館で上映されていた。

こちらは、11年9月に京都・平安神宮で行われたソロライブを映像化したもので、堤監督がメガホンをとっている。

 そのため、剛ファンは「嵐のライブ映画化はジャニーズ初だって? 剛くんの平安神宮ライブも映画館で上映されたよね?」「ジャニーズ史上初って……。ライブを初めて映画化したのは堂本剛くんだよ」「剛くんの平安神宮でのライブを映画化した『平安結祈』がジャニーズ初だよね? なんでなかったことにするのか……納得いかない」「堤監督が撮ってくれた堂本剛の『平安結祈』が初じゃないの? 会場の規模の問題!?」「ジャニーズ初のライブ映画は剛くんだし、撮ってくれた堤監督にも失礼だと思う」と、気分を害してしまったようだ。

 また、ライブ映画が海外で上映されることが“初めて”という意味なのではないかと解釈しながらも、「『海外での上映が初』ならそう書くべきだけど……いずれにしても不思議」「どう区別されているのかわからないけど、事務所はしっかりして」と、困惑気味の書き込みも見受けられた。

 一方、「『ジャニーズ初』が話題になっていますが、こちらは1983年の映画です」と、83年に公開された田原俊彦主演の映画『TOSHI in TAKARAZUKA Love Forever』がジャニーズ初のライブ映画だという指摘も上がっている。映画情報ポータルサイト「MOVIE WALKER PRESS」のページでは、「1983年1月、デビュー四年を迎えた田原俊彦が東京宝塚劇場で行なった二日間にわたるコンサートの模様を、リハーサル風景、スタッフとの打ち合わせ、トレーニングの様子」などを交えて描いた作品だと紹介していた。

 さらには、光GENJI、少年忍者、男闘呼組が「少年御三家」名義で、日本武道館にて行った合同コンサートが1988年に映画『少年武道館』として劇場公開されていたとするファンの声も聞こえてくる。

「嵐の『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』は、スポーツ紙やニュースサイト『ORICON NEWS』も『ジャニーズ初』として取り上げていますし、メディアが判断したのではなく、ジャニーズ側のプレスリリースにこういった記載があったのでしょう。ちなみに、『堂本剛 平安神宮公演2011 限定特別上映 平安結祈 heianyuki』の完成披露試写会の模様を伝えたニュースサイト『映画.com』の記事(12年2月20日配信)によると、11年の夏に堂本サイドが堤監督にライブ映像の撮影を打診し、同年9月の『堂本剛 平安神宮公演2011』の公演を収録。当初、映画化の予定はなかったそうですが、12年1月より劇場公開に向けたプロジェクトが始動したとか。一方、嵐はそもそも映画を撮るためにライブを実施したそうですから、ジャニーズサイドとしては、『ライブ映画の製作は嵐が初』だという触れ込みにしたのもしれませんね」(同)

 発表時点でさまざまな話題を振りまいた『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』だが、果たして一体どんな仕上がりになっているのだろうか。