株主優待を実施している企業の数は、個人投資家の熱い支持もあって過去最高を更新中だ。しかし、増えれば増えるほど困るのはどの優待を選べばいいのかということ。
株主優待株というと、優待品の魅力ばかりに目が行きがち。だが、銘柄を選ぶ際は利回りをしっかり確認し、投資としてお得かどうか判断することが重要だ。では、株主優待と配当を合算した利回りのいい銘柄にはどんなものがあるのか? 株主優待ブロガーや株主優待名人・桐谷さんのコメントとともに「株主優待+配当」利回りベスト15銘柄を大公開する!
優待品の魅力だけでなく利回りを考えて選ぶ株主優待品の魅力は確かに捨て難いが、株主優待株を選ぶ際は必ず投資としてお得かどうかのチェックを忘れてはいけない。例えば、株主優待で同じ1000円分のQUOカードがもらえても、10万円で買った場合だと利回り1%だが、1万円で買ったら利回りはなんと10%。お得度はまったく違うのだ。
下記の表は12月~4月に権利確定する人気株主優待株の中で、1株あたりの「株主優待+配当金」を株価で割った利回りが高い順にランキングしたもの。なんと7位までは利回りが2ケタで、15位でも利回りが8%超ある。
株主優待+配当利回り 最低購入額 権利確定月 最新の株価 1位 【会社名(コード)】アドアーズ(4712) 16.54% 26万6000円 3月 【株主優待内容】「OLIVE SPA」などの2万円相当のサロンチケット/2000株:2枚など 【ブロガーコメント】2万円チケットが2枚。120分のアロマトリートメントは極楽。 2位 【会社名(コード)】キタムラ(2719) 16.36% 7万8200円 3月 【株主優待内容】(1)スタジオマリオ特別優待券(8800円相当)(2)優待券(1000円)/100株:(1)1枚(2)1枚など 【ブロガーコメント】スタジオマリオの特別優待券だけでも利回り10%以上に。 3位 【会社名(コード)】常盤興産(9675) 13.35% 14万9700円 3月,9月 【株主優待内容】株主優待飲食券(1000円)/100株以上:3枚、500株以上:15枚、1000株以上:25枚+株主優待品 【ブロガーコメント】首都圏から現地までの往復無料送迎バスも利用できコスパ抜群。8位 【会社名(コード)】TOKAIホールディングス(3167) 9.19% 7万1800円 3月,9月 【株主優待内容】100株:(1)飲料水1900円相当(2)QUOカード500円分などから選択 【ブロガーコメント】QUOカードは500円ですが飲料水だと1800円相当とお得。 9位 【会社名(コード)】リソルホールディングス(5261) 9.12% 31万8000円 3月,9月 【株主優待内容】(1)倶楽部会員カード(2)ファミリー商品券(2000円)1000株:6枚など 【ブロガーコメント】枚数制限はあるが1000円程度の追加でホテルに泊まれる場合も。
10位 【会社名(コード)】平和(6412) 9.00% 24万4300円 3月,9月 【株主優待内容】グループゴルフ場の3500円割引券/100株:2枚 200株:4枚など 【ブロガーコメント】1度に複数枚利用でき、期限限定ながら週末も利用できます。 11位 【会社名(コード)】東急レクリエーション(9631) 8.91% 79万4000円 12月,6月 【株主優待内容】(1)利用ポイント(月上限)(2)優待カード/1000株:(1)18P(8P)(2)1枚など 【ブロガーコメント】自動発券機でのチケット発券ができるようになり便利に。
約26万円で4万円相当のサロンチケットをゲット
1位となったのは、16年に優待を新設したアドアーズ。優待獲得には2000株必要だが、それでも必要資金は約26万円。業務提携するリラクゼーションサロンの「OLIVE SPA」のサロンチケットが2枚もらえる。通常はこのコースは2万円なので、何とも太っ腹な優待だ。
2位はキタムラ。同社のスタジオマリオの優待券などがもらえる。特に子供が小さく、写真館で家族写真を撮影する人には魅力的な優待だ。
3位から5位は、常磐興産、東京テアトル、サンリオとレジャー系の優待がズラリ。これらはチケット価格から優待利回りを算出したが、すべて12%超だ。
もっとも利回りが高まる「単元」「期間」をチェックただし利回りだけ意識するのはNG
株主優待は最低単元がもっとも利回りが高くお得な場合が多い中、6位の山喜は100株なら1000円券だが、200株だと2500円券。200株を保有したほうが利回りがアップする。また、13位のヤマダ電機は8%台だが、長期保有優遇があり2年以上保有で利回りが13%まで向上。保有株数や保有期間を意識して、できるだけ利回りを高める工夫をしよう。
ただし、利回りだけを意識して優待株を選ぶのはNG。業績の悪化により株価が下落して利回りがアップしているケースだと、最悪の場合は優待が廃止され、さらに株価が暴落することもある。11月21日(月)発売のダイヤモンド・ザイ1月号で紹介している権利確定月のランキングでは、業績コメントや買いメドも掲載しているのでぜひチェックを!
そのほかダイヤモンド・ザイ1月号では、ここでは紹介しきれなかった桐谷さんなど株主優待投資家15名とザイが選んだ株主優待株をたくさん紹介している。最高利回り16.5%の「株主優待+配当 高利回り株ベスト30」のほかに、最低購入額2万1100円の「少額で買える優待株30」などを掲載。桐谷さんと株主優待投資家15名の直撃レポートは、楽しく儲けて節約したいなら、優待ファンならずとも必見だ。
※関連記事はこちら!⇒「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社!