女優の菊川怜さんの結婚相手の穐田誉輝氏に、婚外子が4人もいることが明らかになりました。婚外子とは結婚していない男女間に生まれる子どものことです。

今回の相談者は38歳の女性で、できちゃった結婚でも構わないと避妊せず10歳年上の彼氏と交際していました。妊娠が分かった女性が彼に結婚を求めると、2回の離婚で慰謝料と養育費で痛い目に遭ってるから、と結婚を拒否した上、子どもを堕ろしてほしいとまで言われてしまいました。中絶ができない妊娠22週目を迎えてしまった女性は、婚外子として生まれてくることになってしまった子どものために、男性に認知と養育費を求めることにしました。(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

できちゃった結婚のつもりが
「子どもを堕ろしてほしい」と言われ…

 女優の菊川怜さんが番組中で「祝・脱独身」の垂れ幕と共に、40歳目前(39歳)での結婚を発表したのは4月28日のこと。結婚相手の穐田誉輝氏には2度の離婚歴があり、さらに婚外子が4人もおり、しかも認知もせず養育費も払っていないと報じられたので、瞬く間に祝福の声は結婚を疑問視する声へと替わりました。

 婚外子とは結婚していない男女の間に産まれた子どものことですが、結婚しない(できない)理由として、例えば、妻(夫)がいて重婚になるから、男性の反対を押し切って出産したから、ただの遊びで本気ではなかったから、「俺の子じゃない」と逃げ回っているから、などが挙げられます。この手の話は、誰目線で語るのかで印象は全く変わってきます。

 交際や妊娠、出産の経緯について大の大人(子の父親、母親)には問題があるにせよ、子どもには何の罪もありません。婚内子ではなく婚外子という形でこの世に生を享けたにせよ、父親が認知や養育費等の責任を果たすのは当然のことです。

 今回は婚外子の母親の立場で、腹違いの兄弟姉妹がいるなか、離婚歴が2回ある男性にどのような形で責任を取らせればいいのかを、私のところの相談実例をもとに話を進めていきましょう。

 今回の相談者は北本結衣さん(38歳)。結衣さんは彼氏(藤田大翔氏、48歳)と交際し、年も年なので妊娠したらしたでいいし、もうこの年だから「デキ婚」でも恥ずかしくないと思っており、無理に避妊せずに流れに身を任せていました。

彼氏が「妊娠=結婚」と理解していたかどうかはともかく。そして結衣さんが妊娠していることに気づいたのは交際4ヵ月目。早速、結衣さんは彼氏にそのことを伝え、当然のように結婚の話を切り出したのですが、彼氏の反応は結衣さんの予想とは正反対でした。

「もう結婚はこりごりなんだ。離婚するたびに慰謝料も払っているし、金を持っていかれて散々な目に遭ってきたんだから。できれば堕ろしてほしい」

 彼氏は妊娠して浮かれている結衣さんに向かって結婚を断るだけでなく、子どもをあきらめるよう言い出し、奈落の底に突き落としました。

彼は2回の離婚を経験しトラウマ
月14万円の養育費を支払い

 彼氏は30代の頃に携帯電話の販売会社を立ち上げ経営しており、昨年の役員報酬は1500万円超。いわゆるヤリ手社長なのですが、過去に2回の離婚を経験。そのたびに妻へ多額の慰謝料(1回目は600万円、2回目は800万円)を支払い、手持ちの財産の大半を失った挙げ句、前々妻の子の養育費として毎月6万円、前妻の子の養育費として毎月8万円を今でも払っているので、これらの悪夢がトラウマになっており、まさに疑心暗鬼の塊。「また同じ目に遭うのではないか」と結衣さんとの結婚に二の足を踏んだのです。

 2人の話は並行線で全く話が進ず、進んでいくのは妊娠の日数だけ…結衣さんが私のところに相談しに来たのは、中絶ができない妊娠22週目を迎えた時期でした。

 もし、彼が今までの離婚歴をひた隠しにし、結衣さんと付き合い始め、性交渉に及び、妊娠させたのなら結衣さんは被害者と言えるかもしれません。

しかし、実際のところ、結衣さんは彼の結婚失敗談を聞いていたのに、そして世の中に他にも数多の男(もう少しマシな素性の)がいるにもかかわらず、わざわざ地雷感たっぷりの彼を選んだのですから、厳しい言い方をすれば自業自得。私も結衣さんを擁護するつもりはありません。

 しかし、現在、結衣さんのお腹の中にいる子どもはどうでしょう。子どもはどの父親、母親のもとに産まれてくるのかを自分で選ぶことができないので、何の罪もありません。それなのに両親の交際や妊娠、出産の経緯のせいで子どもが不利益を被るのは理不尽すぎます。だから、私は結衣さんではなく「子どものためなら」と前置きをした上でアドバイスをしました。

婚内子と婚外子、戸籍の違い
認知とは?

 両親のどちらがいない家庭と、父親、母親が揃った家庭、どちらで子どもを育てるのがより望ましいかは明らかです。だから、結衣さんはもちろん、彼氏も自分目線ではなく、子どもの目線で物事を考えなければならないこと、そして自分のためではなく子どものために結婚し、夫婦という形で子どもを育てていきたいと伝えるよう助言しました。しかし、彼氏は「堕ろしてほしい」という暴言は撤回したものの、「産んでもいいし、認知もするけれど、結婚するつもりはない」と結婚を頑なに拒んできたのです。

 残念ながら彼氏には子ども目線が抜け落ちており、結局のところ、結衣さんは「結婚して夫婦2人で子どもを育てること」を断念せざるを得ず、成り行き任せ(避妊しない)の結果、デキ婚できないという悲惨な結末を、甘んじて受け入れる以外に選択肢はなかったのです。

>>(下)に続く

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