
エレファントカーブとは、所得分布を横軸、国民1人あたりの所得の伸びを縦軸にして、1988~2008年の20年間で実質所得がどれだけ伸びたかを示した図だ。
このグラフでは、アフリカなどもっとも貧しいひとたちの所得はまったく増えておらず、これが象の尻尾にあたる。だがそこから実質所得が急速に伸びはじめ、象の巨大な胴体を形成する。これは中国やインドの最貧困のひとたちがこの20年でぞくぞくと中間層の仲間入りをしたことを示している。
だがグラフはそこからまた急速に下がり、グローバルな所得分布で上位30~20%のひとたちの実質所得がほとんど伸びていないことがわかる。象の頭にあたるこの部分にいるのはゆたかな先進国の中間層だ。そして最後に、上位1%の富裕層の実質所得が大きく伸びて、象が鼻を高くもちあげているように見える。
この印象的なグラフで、冷静終焉以降の急速なグローバリゼーションがどのような効果をもたらしたかが“見える化”された。それは以下の4点にまとめられる。