これは、エイジングケアを始めようと思ったきっかけについて聞いたアンケートに寄せられた40代女性の回答だ。このアンケートからは、女性の健康や美容への関心の高さとともに、女性の年齢に対する複雑な感情が垣間見える。
アンケートは2012年4月に、シティリビングホームページ「Citywave」メール会員を対象にWEBで実施。30~44歳までの女性791人(30~34歳=215人、35~39歳=309人、40~44歳=267人)から回答を得た。
約9割が「若く見られたい」女性に広がる“見た目年齢ダウン願望”
アンケートではまず、「あなたの見た目年齢を自分ではどう思うか」を調査。「年相応に見えると思う」(34.1%)が最も多く、「2~3歳、実年齢より若く見えると思う」(31.6%)、「4~5歳、実年齢より若く見えると思う」(28.2%)が続いた。「実年齢より上に見られると思う」と答えた人は圧倒的に少なく、「2~3歳、実年齢より上に見られると思う」(2.9%)、「4~5歳、実年齢より上に見られると思う」(1.9%)だった。
年齢別に見ると、若い年代ほど「年相応に見えると思う」と答える人が多く、逆に「4~5歳、実年齢より若く見えると思う」と答えた人は40~44歳で最も多かった。アンケートでは、なぜその年齢に見えると思うかの理由は聞いていないが、ぜひ聞いてみたいところ。「初対面で若いと言われることが多いから」「同世代の友人に比べて若いと感じるから」「しっかりエイジングケアをしているから」などが理由だろうか。
また、「若く見られたいですか?」との問いに「若く見られたいと思う」と答えた人は88.5%と約9割に。「若く見られたいと思う」人のみに「何歳くらい若く見られたいか」を聞いたところ、「3~4歳」が最も多く37.0%、次いで「5~6歳」が35.0%だった。
若く見られたい女性が抱える葛藤とは
「エイジングケアをしようと思ったきっかけ」についての回答も興味深い。
「いつまでも女性という気持ちを忘れないでいたいから。他人の目を気にしなくなったら、女性としておしまいだと思うし」(35歳既婚)
「出産して育児に時間をとられるようになり、自分のケアが思うようにできなくなってきたので、意識してお肌のケアをしてきれいなママを目指そうと思った」(32歳既婚)
このような「事前準備」派もいれば、以下のような「事後確認」派も。
「帰宅中の電車でガラスに映った自分の顔が恐ろしかった。シミなどができてきて、頑張らないと後が怖いと思った」(30歳独身)
「体重は変わらないのに今までの洋服のウエストがきつくなってしまった。自分の顔を写真で見ると、肌のハリがない感じに気づいた」(34歳独身)
その他、冒頭で触れたコメントや、「若作りは嫌だけれども、年相応もしくは2~3歳若く見られるような気分で頑張っていれば、気持ちの面でも常にフレッシュな気持ちを保てるから」(37歳独身)などのように、若く見られたい気持ちはあるが、必死に若作りはしたくないという若干の「葛藤」を抱える人もいた。
いつからか女性誌をはじめとして「アンチエイジング」が「エイジングケア」と言い換えられるようになったが、これも「年を取ることをポジティブに捉えたい、でも若く見られたい」という女性たちの葛藤を表しているように感じる。流行語になりつつある「美魔女」に辟易しつつも、「若く見える」と言われて喜ばない女性はなかなかいないだろう。年齢を重ねるごとに、「年を取ること」の難しさを実感せずにはいられない。
(プレスラボ 小川たまか)