これを見ると、25~70歳の日本人の7割以上が、16~24歳の若者層でも6割がYahoo!ニュースを閲覧しており、日本の言論空間の公共インフラになっていることがわかる。そのなかで記事だけでなくコメントも閲覧するのは6割前後で、コメント閲覧者の3人に1人から4人に1人が自らコメントを書き込んでおり、年齢によるちがいはあまり見られない。
デジタルネイティブとデジタル移民で大きく異なるのは、SNSなどでの「拡散」「炎上」「アラシ」への参加だ。こうした行為は世代によって大きく異なり、若いほど活発で年齢が高くなるほど参加率は低くなる。これはシニア層(デジタル移民)に比べ、デジタルネイティブでは投稿や拡散などのネット上の行為が日常生活の一部になっているからだろう。
先行研究によれば、ネットでの過激な行為はごく一部の参加者によって行なわれている。
Twitterでの炎上参加者2万人あまりの大規模なウェブモニター調査から推計した研究では、炎上に参加するのはネット利用者の200人に1人で、炎上1件あたりの参加者は2000人程度(ネット利用者の10万人に数人)、炎上参加者の9割はひと言感想を述べる程度で、繰り返し書き込んで当事者を攻撃するストーカー的な参加者は数人から数十人のごく一部だとされた。
在日韓国・朝鮮人への差別的Tweet(2012年11月~2013年2月)10万件以上を計量テキスト分析した研究では、4万3000程度の投稿者IDの8割近くは1度のTweetのみで、わずか1%にあたる471のIDによる投稿は100以上、上位50のIDによるTweetが全体の8分の1(その大半は明確な差別的表現)を占めた。