★★★★★
長期(10年)の投資評価5段階中5(買い)
短期(6ヶ月)評価5段階中3.5 (やや強気)
全国保証を5段階中5で評価します。理由は以下の通りです。
-過去の成長実績-
1)堅実な数量成長が期待できます。過去5年の売上成長率が年率平均で10%でした
2)利益率の向上が期待できます。同期間の営業費用営業収益比率(営業収益を営業費用でわったもの)が年平均で25%上昇しました(デフォルト率の低下が主要因)
3)以上より、過去5年で配当が20円から80円へと4倍になるなど、実績配当成長率が高い
配当性向は20%台と低くROEは20%以上と高いです。
今後の配当成長率は10-15%程度でしょう(後述)。
4)一方、投資リスクですが同期間の株価の変動率(年率のボラティリティ)がTOPIX並みに低いです。
-留意点-
過去の大幅増益の背景は、リーマンショック以降のデフォルト率の低下幅が大きく(最悪期の0.34%から足元の0.1%)、引当からの戻り益が発生していたというテクニカルな増益要因となっています。
デフォルト率は足元これ以上下がらないレベルの0.1%台となり、債務保証残高が増加しており(引当の繰り入れ要因)、引当の大きな取り崩しは発生しなくなりました。
住宅ローン残高に料率をかけて収益を得るモデルであり、ストック型のビジネスです。銀行が自社でローンの保証するとリスクアセットの評価が低くなるため、銀行が第三者の同社へ保証をシフトする動きが今後も続くため、着実な成長が見込めます。
高い成長と低いリスクの組み合わせにも関わらず、市場平均以下の株価評価(PER11倍台、配当利回り2.2%)です。長期投資に向く銘柄で、着実にアップサイドが見込めます。リスクは失業率が高まることです。
全国保証は、住居一次取得者のための住宅ローンに保証を与え、その残高に応じてフィーを得ています。住宅ローンは平時と経済危機時との間に、デフォルト率がそれほどは変わらないという過去の統計データがあります。日本人の美徳なのか、大震災などの壊滅的な打撃を債務者が受けても、住宅ローンはデフォルトになりにくいという統計データがあります。家が燃えようが流されようが、借りたものはちゃんと返すという日本人の美徳。海外では成り立たないビジネスです。外人投資家が一様に驚く日本特有の現象です。
仕組みはこうです。住宅ローンがデフォルトしたと仮定します。デフォルトしたローンの回収ですが、ローン担保があります。担保を叩き売り回収すれば65%回収できます。一方、デフォルト率はリーマンショックの直後が最も高く過去最悪でも0.34%でした。デフォルト率は失業率との相関が高いものです。
最悪の事態を想定してみましょう。そう、リーマンショックを超えるショックがきたとしましょう。デフォルト率が過去最悪を大きく超えて0.4%となったとしましょう。そして、回収率も過去最悪を超えてたったの50%(通常65%)しか回収できないとしましょう。
そうなっても同社は真っ黒けっけの大きな黒字なのです。何故ならば、デフォルト率0.4%で回収率が半分でも、損失は0.2%(0.4x0.5)ですね。ところが、同社の保証フィーは残高のおよそ0.3%ですからどう転んでも赤字にならない仕組みなのです。
つまり、永久に自己資本は積み上がっていくのです。
デフォルト率が低い理由があります。債務者は重複して銀行に審査を申し込んでいるケースもあることから、同社の受付から実行は3割となっています。
株主還元としては、年間の引当金が多くても100億円であれば、その10年分を持ちたいという経営方針です。今、1100億円以上の自己資本があるため、すでにその条件を満たしています。今後、積み上がる自己資本は株主への還元や新規事業への投資へ回ることでしょう。
某信託銀行では、行内でのローンの残高の6%が全国保証の保証となりました。今後、残高ベースでこの比率は20%までは上がると見ています。その理由は、取扱高ベースで足元20%から25%のシェアを獲得できているからです。
また、あるメガバンクは同社の保証を本格的に取り扱い始めたところです。このメガバンクはこれまで保証子会社を優先してきました。ところが半年前に経営戦略を変更したのです。全国保証等の外部保証へ任せる戦略へ転換しました。今後の全国保証の保証残高の成長のドライバーの一つにこのメガバンクはなるでしょう。
さらに、ある大手都銀向けの保証は年率で2割の増加率となっています。この大手都銀の中でのシェアは現状一桁ですから、いずれ数十%を占めるまでになるでしょう。
このように具体的に、銀行の戦略が、同社に有利に働いているのです。同社はの今後は大いに期待できそうです。筆者の考えでは、12兆円の保証残高は30兆円を超える水準にまで持っていけるはずです。
リスク要因は失業率の上昇だがそれでも配当成長率は10%競合が銀行の保証子会社であることも同社を有利にしています。つまり、ある大手銀行が他の銀行のローンの保証を行うのは抵抗があるのではないでしょうか。三菱UFJがみずほ銀行に自前の彼らのローンの保証をお願いするでしょうか。敵に塩を送るでしょうか。銀行子会社というライバルたちが「弱い」ことが同社を成長させているのです。
失業率が大きく上昇することです。いまの状況が「よすぎる」のがリスクです。
配当性向が低いので、その場合でも10%程度の配当成長率が可能です。通常シナリオで成長率15%とし、下振れリスクを織り込んだシナリオで成長率は10%とします。
日本人のモラルが高いことが成長を支えている大震災や戦争といった突発的事象は保証は法律的には免責になります。ところが、道義的にはその選択肢は取れないでしょう。人道的に保証を行います。同社のモラルは非常に高いのです。
モラルが高いのはローンを抱えている債務者も同じです。海外では数%のデフォルト率が通常です。日本のデフォルト率0.1%という低さは世界に誇れる実績です。
むしろ、日銀の急激な低金利政策で借り入れ需要が急に喚起された反動減をこの2年は同社は受けており、モメンタムが一時的に低下した今は、リスクを取るべきタイミングと考えております。
また、投資用不動産への保証は行なっておりません。一次取得用のみの保証です。
同社のビジネスモデルがしっかりしているのは、同社の経営思想が地に足がついた堅実なものだからです。例えば、リスクのある人に、高い保証料をとれば、実績が伸びますが、それはやりません。また、アパートローンなどの投資用物件のローン保証を行えば保証残高は伸びます。しかし、それもやりません。
大手町の本社で取材をさせていただいたときに、びっくりしたことがあります。金融ビジネスですので、お堅い社風なのですが、スタートアップの起業家たちとざっくばらんな定期的なビジネスミーティングを開催しているのです。
同社には12兆円のローン情報があります。家族構成、ローン返済実績、ビジネスデータが揃っているのです。これをスタートアップの人々とどう生かすか、新規事業のブラッシュアップをしているのです。スタートアップ企業はお金とデータがなく、同社にはそれがあるのです。保証をする会社が自分自身の将来を心配しないはずはありません。ただ、非常に賢いやり方でリスクをヘッジしているのです。最大の事業リスクヘッジは、よく考え、よく働くことですが、それを実践しています。
理論株価は成長率15%で1万1500円!現状の配当成長率はROE20%に配当性向1/4とすれば、g = 20x(1-1/4)=15%となります。配当成長率は15%程度でしょう。今後10年で配当はどれだけ成長するかといえば、足元配当85円の4.5倍(=exp(0.15 x 10))です。つまり将来価値(10年後)は、現状の4-5倍の株価となるでしょう。配当性向が25%程度であることから、10年後に、成熟したとしても、配当性向を倍にすれば、バリュエーションの低下は補えるでしょう。株価がたとえ上がらなくても、配当が5倍になれば、配当利回りは将来10%に乗ってきます。十分に魅力的な投資先と考えます。
通常シナリオで成長率15%とすれば理論株価は1万1500円となります。これは現在の株価の3倍弱程度です。
さて、短期の目標株価を例えば、短期の株の変動から計算すると、株価変動のボラティリティ年率25%の0.25年分は時間の平方根にリスクは比例するので、25%x 0.25^0.5= 0.25 x 0.5 = 12.5%
アップサイドは、4400円程度にすぎません。
結果として
短期やや強気 5段階中3.5(ボラティリティより意味がないレーティング)
長期買い 5段階中5(ファンダメンタルズより 意味あるレーティング)
短期とは偶然の運不運!
長期とは必然の成功!
この連載は、10年で10倍を目指す個人のための資産運用メルマガ『山本潤の超成長株投資の真髄』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページでさらに詳しい銘柄分析や、資産10倍を目指すポートフォリオの提案と売買アドバイスもご覧いただけます。

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