それではさっそく、この地域の平均年収ランキングをチェックしていこう。
1位はテレビ局のRKB毎日HDで1309万円1位は福岡県のRKB毎日ホールディングスで、年収は1309万円。TBS系列で、九州では初の民間放送局として1951年に開局した。テレビ局の給料は、地方でもやはり高かった。
九州経済の中心である福岡県勢は強く、年収トップ10に計8社がランクインした。
地方銀行では、3位に西日本フィナンシャルホールディングス(年収は960万円。傘下に西日本シティ銀行など)、6位にふくおかフィナンシャルグループ(同800万円。傘下に福岡銀行など)が入っている。
インバーターや産業用ロボットで世界的に強い安川電機は、861万円で5位。単体で1万人を超す従業員を抱える九州電力は、777万円で8位だった。
熊本県で最も年収が高かったのは、2位の九州フィナンシャルグループで1029万円。肥後銀行(熊本県)と鹿児島銀行(鹿児島県)の経営統合で、2015年に設立された地銀大手である。
沖縄県からは沖縄電力が年収763万円で、9位に入った。
佐賀と鹿児島は1社ずつ30位以内にランクインベスト10には入らなかったが、各県で上位の企業も見ていこう。
佐賀県で最も年収が高かったのは久光製薬で654万円。貼る鎮痛消炎剤「サロンパス」が有名な医薬品メーカーだ。ランキングの順位は20位だった。
鹿児島県からは、精密部品加工のマルマエが26位に入った。年収は621万円だった。
この他、全国的に有名な企業では、衛生陶器のTOTO(福岡県)が678万円で17位となっている。
大分と宮崎の地銀が31、32位に全国で唯一上場企業ゼロの県は?
大分県で年収トップの大分銀行は602万円で31位。宮崎県の宮崎銀行は601万円で32位だった。
ここまで長崎県の企業が出てきていないが、実は同県は全国の都道府県で唯一、上場企業が存在しない県となっている。
それでも今年3月27日までは、十八銀行が東京証券取引所と福岡証券取引所に上場していた。
長崎といえば、坂本龍馬が幕末に日本最初の商社といわれる「亀山社中」を結成した地でもある。亀山社中は、後に「海援隊」に発展。三菱を起こした岩崎弥太郎に大きな影響を与えたことでも知られている。
その長崎県で、上場企業がゼロになったことには一抹の寂しさを禁じ得ない。
(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
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