1位は年収260万円!
本社が宮城の警備会社トスネット

 今回は、北海道と東北地方(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の6県)に本社がある上場企業を対象に「年収が低い会社ランキング」を作成した。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。

単体の従業員数が20人未満の企業は除外している。

 それでは、平均年収ランキングを確認していこう。

 1位は、本社が宮城県の警備事業会社トスネット。年収は260万円だった。交通誘導や施設、列車見張り警備事業を柱にしている。

 このほか、10位以内に宮城県の会社は5社入っている。3位の山大は、木材の製材や住宅資材の販売などを手掛けている。年収は320万円。1716年、現在の宮城県石巻市で杉の苗木の植林を始めたのが同社の発祥だ。

 4位の倉元製作所は、液晶用のガラス基板を加工するメーカーで年収は330万円。業績不振が深刻で、2018年12月期まで5年連続で純損益の赤字が続いており、昨年12月末時点で5400万円の債務超過に陥っている。今年12月末までに債務超過を解消できなければ、上場廃止に追い込まれる。

 9位のホットマンは、イエローハットやTSUTAYAなどとフランチャイズ契約をし、宮城県を地盤に店舗を展開している。年収は379万円。イエローハットが15.1%出資している。

 ちなみにホットマンという社名には社員、取引先、顧客に対して温かく、仕事や夢に対して熱く燃えるという意味が込められているという。

 10位のカルラは、「和風レストランまるまつ」や「そば処丸松」など外食事業を展開している。年収は386万円だった。

2位は年収302万円!
本社が北海道の有料老人ホーム

 宮城県以外では、北海道の5社が上位10社にランクインした。2位の光ハイツ・ヴェラスは札幌で有料老人ホームを運営している。年収は302万円。

 5位のフジタコーポレーションは、ミスタードーナツやモスバーガーなどとフランチャイズ契約を結び、北海道を中心に飲食や物販を手掛けている。年収は346万円。

 業績は振るわず19年3月期の純損益は1億4200万円の赤字。

財務の健全性を示す自己資本比率は1.1%と極めて低く、危険水域に陥っている。

 6位のエコノスは、ブックオフやハードオフの加盟店で年収は356万円。7月の「株式市場で全く人気のない会社ランキング」では、1日当たりの平均売買代金(6月28日までの13週間の売買代金の合計金額をこの間の営業日数で割った金額)がわずか2万5721円でワースト1となっている(ちなみに上場企業で最も売買代金が多かったソフトバンクグループは同708億円だった)。

 7位のインサイトは広告代理店で年収は374万円。8位のエコミックは、給与計算を受託している。年収は377万円。

 上位10社の業種の内訳は、小売業が4社で一番多く、サービスが3社で続き、卸売業、ガラス・土石製品、情報・通信がそれぞれ1社ずつとなった。

 一般的に、サービスや小売業は労働集約的な産業で、日本は欧米の同業と比べて生産性が低いとされている。今回の結果もそれを反映するものとなった。

福島、岩手、青森、山形、秋田
各県で最も年収が低い会社は?

 上位10社には入らなかったが、福島、岩手、青森、山形、秋田の各県で最も年収が低い会社もチェックしておこう。

 福島県は、常磐興産が392万円で12位。映画「フラガール」で取り上げられた温泉施設スパリゾートハワイアンズを運営している。

 岩手県は、薬王堂が405万円で15位。独立系のドラッグストアで、今年9月に持ち株会社化した(現在上場しているのは薬王堂の持ち株会社である薬王堂ホールディングス)。

 青森県は、イオンの子会社であるホームセンターのサンデーが420万円で19位だった。

 山形県は、食品スーパーのヤマザワが459万円で27位。秋田県は、イオン系列の食品スーパー、マックスバリュ東北が462万円で29位だった。

 福島、岩手、青森、山形、秋田の5県で、最も年収が低い会社の業種の内訳は、小売業4社、サービス1社となっている。

(ダイヤモンド編集部 清水理裕)

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