株式会社南都銀行が、株主優待を変更することを、2020年2月26日に発表した。

 南都銀行の株主優待は、従来は毎年3月末と9月末時点の株主を対象に実施されており、内容は「100株以上の株主に、保有株数に応じて、ATM利用手数料や個人ローン金利優遇などのサービスに使える『ポイントサークル』のポイントを贈呈(普通預金口座に自社株の配当金振込みがある株主のみが対象)」というものだった。

 今後は、以下の点が変更される。

(1)株主優待の基準日が、3月末と9月末の年2回から、3月末のみの年1回に。

(2)株主優待の内容が「QUOカード」か「奈良県産品」に変更される。

(3)株主優待の必要株数が最低「300株以上」となり、配布基準が「300株以上~1000株未満」「1000株以上~5000株未満」「5000株以上」の3段階となる。

(4)長期保有優遇制度が導入され、保有期間が「5年未満」「5年以上~10年未満」「10年以上」で、株主優待品の額面に差がつけられる。

 南都銀行の株主優待の変更は、2020年3月末時点の株主名簿に記載または記録された株主から適用される。

南都銀行の株主優待制度の変更前と変更後(変更前) 基準日 保有株式数 株主優待内容 3月末・
9月末 100株以上
500株未満 「ポイントサークル」ポイント(10ポイント)×年2回 500株以上
1000株未満 「ポイントサークル」ポイント(20ポイント)×年2回 1000株以上 「ポイントサークル」ポイント(30ポイント)×年2回(変更後) 基準日 保有株式数 保有期間 株主優待内容 3月末 300株以上
1000株未満 5年未満 QUOカード1000円分 5年以上
10年未満 QUOカード1500円分 10年以上 奈良県産品2000円相当 1000株以上
5000株未満 5年未満 奈良県産品2000円相当 5年以上
10年未満 奈良県産品2500円相当 10年以上 奈良県産品3000円相当 5000株以上 5年未満 奈良県産品3000円相当 5年以上
10年未満 奈良県産品3500円相当 10年以上 奈良県産品5000円相当 備考 ※「奈良県産品」はカタログギフトから好きな商品を選ぶことができる。南都銀行の株主優待利回りは?

 南都銀行の2020年3月3日の株価(終値)は2172円なので、変更後の株主優待利回りを計算すると、以下のようになる。

【変更後】
(300株・5年未満保有の場合)
投資金額:300株×2172円=65万1600円
優待品:QUOカード1000円分
優待利回り=1000円÷65万1600円×100=0.15%

(1000株・5年未満保有の場合)
投資金額:1000株×2172円=217万2000円
優待品:奈良県産品2000円相当
優待利回り=2000円÷217万2000円×100=0.09%

 変更後の南都銀行の株主優待品は、「QUOカード」やカタログから選ぶ「奈良県産品」。変更前の株主優待はポイントサービスで、南都銀行に口座を持っている必要があったが、今回の変更で誰にとっても魅力的な内容になった。南都銀行は配当利回りが3.68%あるため、300株を5年未満保有した場合の配当+株主優待利回りは3.83%と高めになっている。ただし、後述のように業績は好調とは言い難い状況なので、投資する際には最新の決算などをチェックしたほうがよさそうだ。

 南都銀行は、奈良県奈良市に本店を置く地方銀行。奈良県内の企業の6割以上が同行をメインバンクとしており、預金シェアも3割以上。地域密着型ビジネスを手堅く展開している。2020年2月7日に発表された2020年3月期(通期)の連結業績予想は、すべて前期比で経常収益5.9%減、経常利益6.3%増、当期純利益52.5%減。

■南都銀行業種コード市場権利確定月銀行業8367東証1部3月末株価(終値)必要株数最低投資金額配当利回り2172円300株65万1600円3.68%※株価などのデータは2020年3月3日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。

※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。