和装事業やウェディング事業を手掛ける株式会社一蔵が、株主優待を一部変更することを、2020年6月15日の15時に発表した。

 一蔵の株主優待は、毎年3月末時点の株主を対象に実施されており、従来の内容は「100株以上保有する株主に、自社店舗(和装店)の割引券、もしくはチャペルコンサート・ディナーの3000円相当の割引券(1枚で2名まで利用可)を贈呈」というものだった。

 変更後は、新たに「自社レストランでの飲食代金3000円の割引券(1枚で2名まで利用可)」も選択できるようになる。

 なお、和装店の割引券は、一蔵、オンディーヌ、 いち瑠、銀座いち利、ラブリスで利用可能。チャペルコンサート・ディナーは、キャメロットヒルズ(埼玉県さいたま市)、グラストニア(愛知県名古屋市)、百花籠(愛知県名古屋市)、ネオス・ミラベル(山梨県笛吹市)で利用できる。

 一蔵の株主優待は、今回の変更で新たに自社レストランでの飲食代金の割引も選択できるようになったが、6月15日に開示された情報では、使える場所が明示されていない。しかし、一蔵は東京や名古屋でイタリアンや創作フレンチのレストランを手掛けているため、それらのレストランで利用できるものと推定される。

 一蔵の株主優待の変更は、2020年3月末時点の株主名簿に記載または記録された株主から適用される。

一蔵の株主優待制度の詳細と利回り ◆一蔵の株主優待制度の詳細 基準日 保有株式数 株主優待内容 3月末 100株以上 以下から一つ選択
◆自社店舗(和装店)割引券(10万円以上購入の
  場合は1万円割引、10万円未満の場合は5000円割引)
◆チャペルコンサート・ディナーの3000円相当の
割引券(1枚で2名まで利用可)
◆自社レストランでの飲食代金3000円の割引券
(1枚で2名まで利用可)

 一蔵の2020年6月15日時点の終値は380円なので、株主優待の利回りは以下のようになる(※どの優待を受けるかによって利回りは変わってくるが、ここでは飲食代金の割引を選択し、2名で6000円割引を受けると仮定して算出)。

(100株保有の場合)
投資金額:100株×380円=3万8000円
株主優待品:レストラン飲食代金の割引・2名分6000円相当
株主優待利回り=6000円÷3万8000円×100=15.78%

 一蔵の株主優待でもらえるのは、自社の和装店やレストランなどの割引券。着物を購入する予定がある人や、結婚を控えている人、高級店での食事をお得に楽しみたい人は、チェックする価値がありそうだ。ただし、同社は新型コロナウイルスによって、一時的に営業自粛を余儀なくされていた期間もあり、今後も影響が続くことは避けられない見通し。2020年4月末に時価総額が20億円未満となり、東証2部に指定替えされる可能性があったが、5月末に時価総額20億円以上の基準がクリアされたことから解除となっている。ただし、指定替えの可能性は依然として残ることは念頭に置いておこう。

2020年1月21日時点で850円だった株価は300円台まで落ち込んでいる。

 一蔵は和装事業やブライダル事業を手掛ける企業。本社は埼玉県さいたま市。2020年3月期(通期)の連結業績は、売上高182億4700万円(前期比8.4%増)、営業利益3億7100万円(前期比36.4%減)、経常利益3億4000万円(前期比44.1%減)、当期純利益1億1900万円(前期比16.5%減)。2021年3月期の連結業績予想は公表していない。

■一蔵業種コード市場権利確定月サービス業6186東証1部3月末株価(終値)必要株数最低投資金額配当利回り380円100株3万8000円ー※株価などのデータは2020年6月15日時点。
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※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。