そんな希望を持って、今、就職活動をしている就活生はきっと少なくないはずだ。しかし、よく調べずに入社してみて現場に配属されたら、「若手のアイデアをよく考えもしないで潰す上司」がいたり、それどころか「とても若手社員には意見ができないような空気」が職場にあったりする可能性もある。
では、若い世代を生かしている企業、すなわち若手社員が活躍できる企業として、世間から高く評価されているのはどの企業なのか。
ブランド総合研究所の実施した『企業版SDGs調査2020』では、あらゆるステークホルダー約1万人が調査対象である日本を代表する企業210社のSDGsへの取り組み全体を評価するとともに、各社のESG活動(「環境に配慮している」「地域に貢献している」など)20項目についてもそれぞれ評価している。
今回はその企業のESG活動への評価の中から「若い世代を活かしている」という項目で高評価を受けた企業をランキング形式で紹介していこう。
※アンケートはインターネットにて実施。投資経験者、ビジネスマン、SDGs認知者、専業主婦、若年層などのステークホルダー1万500人から回答を得た。調査時期は2020年3月。対象企業210社の中から回答者にはそれぞれ10社を提示し、各社において「若い世代を活かしている」などのイメージ項目から、該当するものを選んでもらった。今回のランキング表は、その各社ごとの割合を高い順にランキングにしたものになる。また今回、一部の企業については企業名ではなく、より消費者に親しみのある企業を代表する「ブランド名」で調査を行っている(例:ファーストリテイリングは「ユニクロ」で調査した)。
若手社員が活躍できる企業ランキング1位はアップル、2位はユニクロに
「若い世代を活かしている企業ランキング」1位には、アップルが選ばれた。同社に「若い世代を活かしている」というイメージを持つ人は、全体の15.4%に上っている。
2位はユニクロ(13.9%)、3位は日本マクドナルド(10.6%)、4位はアマゾン(10.4%)、5位はヤフー(9.8%)となった。
IT企業や外食・小売・流通系企業?
今回の調査では、アップルやアマゾンをはじめとした「IT関連企業」や、現場で若手社員が活躍している姿をよく目にするユニクロや日本マクドナルドなど「外食・小売・流通系企業」が上位に選ばれた。
その一方で、上位にランクインできていないのが「製造業」の企業だ。17位にアサヒビール、18位にソニー、20位に森永製菓が入っているものの、大手自動車メーカーやソニー以外の大手電機メーカーは残念ながらランクインしていない。
同調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、この結果について以下のように分析する。
「現在、日本の製造業が変革を起こせず、苦戦していることが大きな課題になっている。それはこの結果から分かるように、優秀な若い世代の力を生かせていないのも一因ではないか」
若手社員のうちから活躍したいと考えているなら、就職活動の際も入社数年の先輩社員がどのように活躍しているのかなど、ホームページや人事の話だけでなく、OB・OG訪問で話を聞いたり、社員の本音が書きこまれている社員クチコミサイトなどを通じて情報を仕入れたりすることで、入社前後のギャップが生まれないように注意したい。
(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)