1位は昨年に続き東北電力
電力大手2社がトップ2に

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い会社ランキング2021【北海道・東北地方】」を作成した。対象は、北海道・東北地方(北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の7道県)に本社を置く上場企業で、単体従業員数20人未満の企業は除外している。

対象期間は、2020年4月期~21年3月期。

 早速、ランキングを確認していこう。

「年収が高い会社ランキング2021【北海道・東北地方】」で1位となったのは、東北電力(宮城県)だった。21年3月期の平均年収は775.8万円となっている。20年版のランキングに続き、21年版でも北海道・東北地方のナンバーワン高年収企業に輝いた。

 安定して高い平均年収を維持している東北電力で、他社と比べて給与以外の面で目を引くのが、従業員数の多さである。21年3月末時点の単体従業員数は5061人と、トップ5企業で飛びぬけて多い。東北地方における雇用の受け皿としての存在感がうかがえる。

 ただし、20年3月末時点の単体従業員数は1万2531人と、1万人を超えていた。この1年間で7000人超減少したことになる。この要因について東北電力は、「当社が営む一般送配電事業および離島における発電事業などを、吸収分割により東北電力ネットワークに承継させた」ためだと説明している。

 2位には北海道電力(北海道)がランクイン。

北海道・東北地方を支える地元電力会社のワン・ツーフィニッシュとなった。平均年収は724.8万円。20年3月期は699.9万円とわずかに700万円台を下回っていたものの、21年3月期は700万円台に回復した。

 北海道電力の単体従業員数は2361人。ちなみに北海道電力も一部事業を子会社に承継させた関係で、単体従業員数は前期の5216人から5割以上減っている。

 3位は七十七銀行(宮城県)で、平均年収702.3万円だった。東北では最大手の地銀で、単体従業員数は2638人となっている。

 4位にも同じく銀行業界からフィデアホールディングス(宮城県)がランクインした。同社の傘下には、山形県に本店を持つ荘内銀行と、秋田県に本店を持つ北都銀行の2行がある。

 また、フィデアホールディングスは今年7月、東北銀行(岩手県)と22年10月に経営統合する方針で基本合意したと発表した。ちなみに東北銀行の平均年収は518.5万円で、35位にランクインしている。

 5位は平均年収686.5万円でユアテック(宮城県)。

東北電力系の電気工事会社だ。単体従業員数は3747人と、トップ5企業では東北電力に次ぐ従業員数の多さを誇る。

 上記の5社を含め、平均年収が600万円を超えた会社は17社だった。

 ランキング完全版では、6位以下の計50社を掲載しているほか、平均年収600万円超となった17社の特徴について詳しく解説している。ぜひチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

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