今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い会社ランキング2021【従業員100人未満】」を作成した。対象は、単体ベースの従業員数が100人未満の企業だ。
対象期間は、2020年4月期~21年3月期。

 ダイヤモンド・オンラインの人気企画である「年収ランキング」シリーズでは通常、単体ベースの従業員が少ない会社は除外している。そのため、これまで紹介できていなかった企業もあったので、今回はあえて100人未満に絞って作成してみた。

 早速、ランキングを見ていこう。

1位はエレクトロニクス専門商社
半導体特需で業績は絶好調!

 1位はマクニカ・富士エレホールディングス(HD)で、平均年収は1633.8万円。同社は2015年、マクニカと富士エレクトロニクスが経営統合してできた共同持ち株会社だ。半導体や集積回路など電子部品の輸出入・販売を行う、独立系エレクトロニクス専門商社としては最大手である。

 単体従業員数は25人だが、同社グループとしては国内外に計50社あり、連結の従業員数は約3500人に上る。

 5G(第5世代移動通信システム)や自動車の電動化など、さまざまな分野で半導体の需要が強いことから、業績は絶好調。22年3月期の業績予想を売上高7500億円(21年3月期は5540億円)、営業利益350億円(同188億円)に上方修正した。今後も従業員の年収の伸びに期待が持てそうだ。

2位の日本商業開発は社名変更で「地主」に
4位はがん領域のスペシャリティ・ファーマ

 2位は大阪府に本社を置く日本商業開発で、平均年収は1559.0万円。

22年1月に「地主」に社名変更したが、ランキングではデータの対象期間に合わせて旧社名で表示している。新社名は、建物を持たず、土地のみに投資を行う独自の不動産投資手法「JINUSHIビジネス」が由来だという。

 3位は放送局のTBS HDで、平均年収は1501.6万円。単体では96人だが、子会社と関連会社は計80社超あり、グループ連結従業員数は6000人強いる。

 同社は1951年、関東地区における最初の民間放送局として誕生し、東京・有楽町でラジオ本放送を開始。55年には東京・赤坂でテレビ本放送をスタートした。現在はメディア事業、ライフスタイル事業、不動産事業を行っており、特に不動産事業は高収益で、「赤坂の大家さん」の異名を持つ。

 4位はソレイジア・ファーマで、平均年収は1480.0万円。同社は、がん領域の医薬品の開発・販売を目的とする。日本と中国が主な拠点で、連結従業員数は77人(20年12月時点)だ。

 近年は、売上高に対して大幅な赤字が続いている(21年12月期の業績予想は売上高6億円、当期損失25億円)。利益剰余金も48億円の赤字に拡大(21年9月時点)しているが、単体ベースの従業員の年収は高いようだ。

伊藤忠商事が17.4%の株式を持つ筆頭株主である。

 5位はスクウェア・エニックス・HDで、平均年収は1469.2万円。人気ゲームシリーズの「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」で知られるゲーム会社だ。単体ベースでは従業員24人だが、連結ベースでは国内外に約5500人の従業員がいる。

 21年の東京オリンピックの開会式ではゲームの音楽が多数流れ、世界的な注目が集まったことは記憶に新しい。特に、各国選手団の入場行進の冒頭でドラゴンクエストの「序曲:ロトのテーマ」が流れたことは、大きな話題となった。

 ランキング完全版では、6位以下の計400社を掲載している。ぜひチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)

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