ダイヤモンド・オンラインでは、ブランド総合研究所の協力のもと、「SDGsへの取り組みの評価が高い企業ランキング2022【全100位・完全版】」を掲載した。
 
 これから4回にわたって、「SDGsへの取り組みの評価が高い企業」を、さらに詳しく業種別に分析した記事をお届けする。
その第3弾は、情報・教育/輸送/金融業界に関する企業の中で、SDGsへの取り組みが消費者から高く評価されている企業を見てみよう。

 本調査はブランド総合研究所が実施している「第3回企業版SDGs調査2022」で、インターネットを使い全国2万人以上の消費者が、日本の有力企業およびSDGsへの取り組みが熱心な企業260社を評価するもの。その調査の「SDGsの取り組みの評価が高い業界別ランキング」(※1)から、「情報・教育」「輸送」「金融」の業種に絞ってランキングを紹介する。

【情報・教育】
「豊かな未来のきっかけを届ける」
ヤフーが1位

 情報・教育業界では、1位がヤフー(17.0点)で最も評価が高かった。次いで2位がオリエンタルランド(TDR)(16.8点)、3位がNTTドコモ(16.7点)である。

 1位のヤフーは、「SDGsゴール別」(※2)の中で最も順位が高かったのが、「17.パートナーシップで目標を達成しよう」の3位。

 調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、「ヤフーはSDGsのキャッチフレーズを『豊かな未来のきっかけを届ける』としているように、SDGsに関する情報を消費者(ユーザー)に届けるというスタンスが強い」と述べる。

 そして、「たとえば、『グラフィックで考えるSDGs』『社会人のためのSDGs基礎知識』などはその最たるコンテンツといえよう」と付言した。

【輸送】
1位ANA、2位JAL
脱炭素で連携

 輸送業界では、1位がANA(16.7点)、2位が日本航空(JAL)(16.4点)と航空2社が上位となった。点数もANAが16.7点に対して、JALは16.4点とその差はわずかである。

「SDGsゴール別」でANAの方が高評価だったのは、「10.人や国の不平等をなくそう」「13.気候変動に具体的な対策を」「15.陸の豊かさも守ろう」など9項目。JALが上回っているのは、「4.質の高い教育をみんなに」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「12.つくる責任、つかう責任」など7項目であった。

【金融】
1位日本生命、2位三井住友海上
金融グループは評価に差がない?

 金融業界では、前年同様、同カテゴリーの銀行・保険会社・証券において評価に差がないことが特徴である。1位になったのは日本生命(14.5点)、2位が三井住友海上(13.4点)、3位はみずほ銀行(13.3点)だった。

 金融グループ17社のSDGs評価の平均が12.2点で、前年の11.4点から0.8点の増加となったが、これは10の業種グループの中で最も伸びが大きかった。

 ところが、「同グループ17社の中で総合順位100位以内となった企業はなく、SDGsへの取り組みを推進していると消費者に強くイメージされている突出した企業はない」と田中社長は指摘する。

(フリーライター 西嶋治美)

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