1位はローツェで年収1000万円超
半導体好景気で業績絶好調

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「中国・四国地方で年収が高い会社ランキング」を作成した。対象は、中国・四国地方(鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知の9県)に本社を置く上場企業。

単体の従業員数が20人未満の企業は除外している。対象期間は、2021年4月期~22年3月期。

 それでは早速、ランキングを確認していこう。

 1位は、半導体関連装置などを製造するローツェ(本社は広島県福山市)で、平均年収は1122.7万円。21年版の同様のランキングでは848.9万円だったので、273.8万円も平均年収がアップした。

 その理由は、世界的に半導体やフラットパネルディスプレー関連装置の引き合いが強く、業績が絶好調なことにありそうだ。

22年2月期決算では、売上高670億円(前期比31.9%増)、営業利益158億円(同69.7%増)、経常利益178億円(同109.9%増)、当期純利益128億円(同98.2%)と大幅な増収増益を達成。売上高営業利益率は23.6%、自己資本比率は51.4%と、稼ぐ力・財務の安定性ともに申し分ない。

 なお、23年2月期の業績(予想)も、売上高965億円(前期比44.0%増)、営業利益232億円(同46.9%増)、経常利益308億円(同72.9%増)、当期純利益228億円(同77.7%)と、またしても大幅な増収増益になりそうだ。23年版の同様のランキングでも、さらに平均年収がアップして1位につける可能性は高い。

全国的な知名度は高くても
本社は地方に置くベネッセとファストリ

 2位は、岡山県岡山市に本社を置くベネッセホールディングス。平均年収は966.7万円だった。

傘下のベネッセコーポレーションが手掛ける通信教育「進研ゼミ」をはじめとした教育事業のほか、介護、保育に関わるサービスなどを運営している。

 3位は、ユニクロやジーユーを連結子会社に持つファーストリテイリングで、平均年収は963.7万円。同社の歴史は1949年、現代表取締役会長兼社長の柳井正氏の父、等氏が山口県宇部市に開業した紳士服店から始まった。98年に事業拡大のため本社を山口市に移転し、現在も本社を同市に置く。

 とはいえ、有価証券報告書には、山口県山口市はあくまで登記上の本店所在地であり、実際の業務は「東京都港区赤坂のミッドタウン・タワー(六本木本部)」で行っている旨の記載がある。同社の単体従業員数1617人のうち、本社の従業員数はわずか60人である。

 4位は、E・Jホールディングスで、平均年収は896.6万円。同社は、建設コンサルタントのエイト日本技術開発を中核会社に据える、持ち株会社だ。

 5位は、ウエストホールディングスで、平均年収は852.5万円。同社は、太陽光発電システムの施工・販売などを行う企業グループの持ち株会社である。

 上記の5社を含め、平均年収が650万円を超えた企業は20社だった(21年版では17社)。

 ランキング完全版では、6位以下を含めた計100社を掲載している。

ぜひ、チェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)