1位は歯科技工メーカー
平均年収は260.9万円

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が低い会社ランキング2022【従業員100人未満】」を作成した。対象は、単体ベースの従業員数が100人未満の企業だ。

対象期間は、21年4月期~22年3月期。「年収ランキング」シリーズでは通常、単体ベースの従業員が少ない会社は除外しているため、今回はあえて100人未満の企業を対象にしている。

 早速、ランキングを確認していこう。

 1位は、歯科技工関連事業に特化した医療機器メーカーで、歯科技工物製造用の3次元スキャナーなどを販売しているデンタスだった。徳島県に本社を置いていて、平均年収は260.9万円、従業員数は31人、平均年齢は41.6歳。歯科技工業界は、コロナ禍で歯科クリニックの患者が減少していることを受け、受注の減少が続いていた。

 同社の22年3月期の業績は、売上高は前年に比べて大きく回復しているものの、経常損失と最終損失は逆に大きく悪化している。これは、21年6月に、イオン歯ブラシなどを販売するアイオニックを買収(連結子会社化)した影響があるとみられる。

2位は中高年男性ターゲットの通販
5位はクルーズ旅行会社

 2位は東京都に本社がある、夢みつけ隊で、平均年収は267.0万円だった。同社は、中高年男性をターゲットにした通販小売事業などを展開していて、健康器具や手足のサポーターなどの雑貨、健康食品などを販売している。平均年収は21年3月期の312万円から45万円下がった。22年3月期の売上高は5.5億円(前年同期比1.2億円減)で、コロナ禍の影響や通販業界に参入する競合他社が増加し、経営環境はますます厳しくなっている。

 3位は、山口県に本社を置き、主にスーパーマーケット事業の管理・運営をするリテールパートナーズだった。同社は、山口県を中心に展開する丸久、福岡県を中心に展開するマルキョウ、大分県を中心に展開するマルミヤストアなど、地域密着型のスーパーを運営する企業の持ち株会社だ。平均年収は273.3万円、平均年齢は57.4歳、従業員数は9人。全員がスーパー事業を行う子会社から兼務出向という形で働いている。

 4位はアザースで、平均年収は276.4万円。同社は愛媛県を中心にラーメンを主力商品とする飲食店事業を展開している。フラッグシップブランドである「麺鮮醤油房 周平」など直営店が国内3店舗、フランチャイズ店「麺鮮醤油房 周月」が11店舗ある(22年3月末現在)。コロナ禍の影響で客数が減るなど厳しい状況である一方、アメリカに新規フランチャイズ店開設の契約を締結したという。

 5位はベストワンドットコムで、平均年収は280.1万円だった。同社はクルーズ旅行を多く扱うオンライン旅行会社として、主に個人顧客をターゲットに、海外・国内クルーズの乗船券やパッケージ旅行などを販売している。コロナ禍の影響は非常に大きく、20年7月期の売上高は11億円だったが、21年7月期は8395万円と大きく減少している。ただ、最新の22年7月期の売上高は2.5億円に増収となっていて、旅行需要の回復が期待される。

 ランキングの完全版では、6位以下の全500社を掲載している。年収400万円未満の64社の傾向も業種・都道府県別に分析しているので、ぜひチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

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