上場企業の社外取締役に、アナウンサーやスポーツ選手、芸能人らが就くケースが目に付く。彼らは報酬を幾らもらっているのか。

ダイヤモンド編集部が主なタレント社外取をピックアップし、32人の実名と報酬リストを初めてまとめた。今回の後編では、報酬額が低い有名人16人のうち、主な顔触れを見ていく。年俸は2人が1000万円を超えた。WBC監督を務めた栗山英樹氏も登場する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

五輪金「Qちゃん」や元おニャン子
卓球の愛ちゃんも社外取に就任

 アナウンサーやプロゴルファー、プロ野球選手に有名俳優――。華やかな世界から、畑違いに見える上場企業の取締役会に降臨した「タレント社外取締役」たち。彼ら彼女らの就任は、ニュースになるので目に付く。

 ではタレント社外取たちは報酬額を幾ら受け取り、それに見合う働きをしているのだろうか。そこで、ダイヤモンド編集部は、有価証券報告書のデータを基に、社外取の報酬額を独自に試算。複数社兼務の場合は、全社の金額を合算して実際に受け取っている報酬額に近づけた。タレント社外取32人の実名と報酬額リストを取りまとめたのは、本邦初である。

 特集『社外取バブル2023「10160人」の全序列』の#11『国谷裕子、小谷真生子、酒井美紀…タレント社外取の「報酬」大公開【全32人・前編】年俸5099万円の女子アナは?』では、報酬額の高い16人の顔触れをチェックした。

今回は後編として、残る16人の中で主な人物の実名と報酬額を紹介していく。

 金メダリストの高橋尚子氏(50)や、「おニャン子クラブ」の元メンバーで参議院議員の生稲晃子氏(55)、「卓球の愛ちゃん」と呼ばれた福原愛氏(34)らは、いずれも上場企業の社外取だ。彼女たちは、どんな会社の最高幹部に就任して、報酬額を幾らもらっているのか。早速、確認していこう。

 報酬額が低い有名人16人の中でも、金額が1000万円以上の人物が二人いた。元NHKアナウンサーで伊藤忠エネクスの社外取である山根基世氏(75)と、タレントで学研ホールディングス社外取の城戸真亜子氏(61)である。推計報酬額はそれぞれ1167万円、1000万円だった。

 ダイヤモンド編集部は社外取「全10169人」を対象に、報酬額ランキング(社外取締役・報酬ランキング【上位5000人の実名】同【下位5100人の実名】参照)を作成したが、山根氏は1万0169人中1540位となっている。

 山根氏は、NHKで女性初のアナウンス室長に就いた人物でもある。NHKスペシャル「映像の世紀」や、TBSテレビの日曜劇場「半沢直樹」でナレーションを務めた声の人といえば、聞き覚えのある方が多いだろう。

WBC監督を務めた栗山英樹氏は
調剤薬局アインHDの社外取

 財務省OBで、日本テレビの「NEWS ZERO」でメインキャスターを12年務めた村尾信尚氏(67)は、シナネンホールディングスの社外取として925万円の報酬を得ている。

 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、監督として日本代表「侍ジャパン」を世界一に導いた栗山英樹氏(62)。

実は栗山氏も、上場企業の社外取になっているのだ。

 就任先は調剤薬局大手のアインホールディングスで、得ている報酬額は600万円だった。アインは北海道を拠点とし、同じく北海道拠点の日本ハムファイターズの監督を務めた栗山氏との縁だろう。

高橋尚子氏はスズキの社外取に内定
元おニャン子の生稲氏は美容室の田谷

 シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子氏(50)は、賃貸住宅の建設や仲介・管理を手掛けるスターツコーポレーションの社外取を務めている。推計報酬額は333万円。高橋氏はスズキの社外取に内定しており、6月下旬に就任する予定だ。

 元おニャン子クラブのメンバーで、現在は参院議員の生稲晃子氏 (55)は、美容室「TAYA」や「Shampoo」などをチェーン展開する田谷の社外取でもある。報酬額は267万円。

 参院選前の昨年6月に、生稲氏は自民党の萩生田光一政務調査会長と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連施設を訪れていたことが発覚。批判を浴びたことは記憶に新しい。

 卓球のTリーグ、琉球アスティーダの運営会社で社外取に就いているのは、元卓球女子日本代表の福原愛氏(34)。報酬額は125万円だった。

 なお、ダイヤモンド・オンラインの【全32人・後編〈完全版〉】では、報酬額の低い16人のタレント社外取の全データを掲載している。ぜひ確認してみてほしい。

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