1位は三井住友トラスト
年収は唯一の1200万円台

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い銀行ランキング2023最新版」を作成した。

 対象期間は2022年5月期~23年4月期。

従業員数は単体ベースで、50人未満の企業は除外した。

 はたして、どのような結果になったのか。早速、ランキングを見ていこう。

 1位は三井住友トラスト・ホールディングス(HD)(東京都)で、平均年収は1274.9万円(従業員数285人、平均年齢49.9歳)。2位を約200万円上回り、今回のランキングで唯一の「1200万円台」だった。

 前回のランキングでも1位(平均年収1268.4万円、平均年齢49.8歳)だったが、平均年収はさらに微増となった。

 同社は三井住友信託銀行を傘下に置く銀行持ち株会社だ。11年4月1日に中央三井トラスト・ホールディングスと住友信託銀行が経営統合し発足した。

 なお、しずおかフィナンシャルグループ(FG)は従業員が11人のため、今回のランキング対象外となったが、同社の平均年収は1265.9万円(平均年齢45.9歳)。平均年齢では三井住友トラストより4歳低いにもかかわらず、平均年収ではほぼ肩を並べている。

 2位は、三井住友FG(東京都)で、平均年収は1086.8万円(従業員数1290人、平均年齢39.4歳)だった。

 三井住友FGのランキング順位も前回(平均年収1094.8万円、平均年齢39.5歳)と同じだ。

みずほと三菱UFJの
順位が逆転

 だが、トップ5のうち、3位以下の順位は入れ替わった。

 3位は三菱UFJFG(東京都)で1041.7万円(従業員数3117人、同40.1歳)。前回順位は4位だった。

 前回と平均年齢は変わらないものの、平均年収は1029.1万円から12.6万円増となった。

 一方、3位から4位へ転落したのが、みずほFGだ。

 平均年収は1038万円(従業員数2270人、平均年齢41.4歳)で、前回の1044.2万円(従業員数2072人、平均年齢41.2歳)から微減となった。

 5位はあいちFGで、平均年収は978.3万円(従業員数175人、平均年齢49.8歳)だ。

 あいちFGは、愛知県を地盤とする愛知銀行と中京銀行が経営統合し、2022年10月に設立した持ち株会社だ。傘下にある両行は25年1月に合併し、「あいち銀行」となる。

 トップ5社について、売上高にあたる経常収益(2023年3月期)を比較すると、三井住友トラスト(1兆8190億円)、三井住友FG(6兆1421億円)、三菱UFJFG(9兆2810億円)、みずほFG(5兆7787億円)に対し、あいちFGはわずか746億円。だが、平均年収では3メガと肩を並べる結果となった。

 なお、ランキングの1位から5位まではホールディングカンパニー、もしくはフィナンシャルグループであり、そこで働く従業員はグループ企業の「エリート層」である。

 傘下の事業会社に比べ、少人数であることが多く、そのため、総じて平均年収も高額になる傾向があることには注意が必要だ。

 全74社の年収はどうなっているのか。ぜひ、完全版もチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 松本裕樹)

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