近年の就活市場は「売り手市場」と呼ばれ、就職率が過去最高レベルに達しており、就活の早期化も進んでいる。そんな中で就活をした主要大学の学生は、どのような企業・団体を選んだのか。
2023年は2校で楽天がトップ
24年はどうなった?
関東の有力私立大学を指す呼称として、「GMARCH」と「SMART」がある。GMARCHは学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学の6校を指し、いずれも歴史と伝統を持ち、文系・理系問わず幅広い学問分野で評価が高い。
一方、SMARTは明治大学、青山学院大学、立教大学に加え、国際性と語学教育に定評のある上智大学、理系に強い東京理科大学を含む新たなグループである。
いずれのグループも偏差値が高く、難関私大として多くの受験生に人気がある。呼称の違いはあるが、それぞれの大学が持つ特色と強みによって異なる魅力を放っている。
2023年のGMARCH+上智・理科大の「就職先企業・団体」ランキングを振り返ると、トップは学習院大学は東京23特別区人事委員会、明治大学と立教大学は東京特別区、青山学院大学と上智大学が楽天グループ、中央大学は東京都庁、法政大は富士通、東京理科大学はNTTデータだった。
24年のランキングでは、こうした傾向に変化があったのだろうか。
公務員、コンサル、金融…
安定と成長で異なる志向
24年のランキングは、学習院大学は1位が東京23特別区人事委員会、2位がみずほ銀行、3位が千葉銀行だった。公務員や金融機関が上位を占める点が特徴だ。
明治大学は1位が東京特別区、2位がみずほフィナンシャルグループ、3位が国家公務員(一般職)だった。
青山学院大学は1位が日本航空、2位がアクセンチュアとレバレジーズで同順位だった。航空業界が上位で、語学力や国際志向の高さがうかがえる。ベンチャー志向も感じられる。
立教大学は1位が東京都特別区、2位がりそなグループ、3位がJTBだった。幅広い進路選択とホスピタリティ分野への関心の高さが表れている。
中央大学は1位が国家公務員(一般職)、2位が東京都特別区、3位が東京都庁だった。法律・政策分野に強い大学の特色が顕著に表れている。
法政大学は1位がみずほフィナンシャルグループ、2位がりそなグループ、3位がレバレジーズだった。 銀行への就職が上位を占め、金融志向の強さが際立つ。
上智大学は1位がアクセンチュア、2位が日本アイ・ビー・エム、3位が日立製作所だった。
東京理科大学は1位がNTTデータ、2位が日立製作所、3位がソニーセミコンダクタソリューションズだった。大手IT、電機メーカーが上位を占め、理工系大学としての専門性の高さが際立つ。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。
【ランキング表の見方】
2024年春の大学別の主な就職先。上位3位以内の企業・団体を掲載。就職先名称は原則としてアンケート調査時点の各大学の回答による。大学により、一部の学部・研究科、大学院修了者を含まない場合がある(調査/大学通信)