毎年、大きな反響を呼ぶ「都道府県魅力度ランキング」。発表を楽しみにしている人も多いだろう。

 



 そのランキングのベースとなる『地域ブランド調査2025』の調査結果が10月4日に発表され、今年も満を持して「都道府県魅力度ランキング」をお届けすることとなった。今年で調査開始から20年を迎えた調査では、順位に大きな変動があるのか、ないのか……。早速その詳細をお届けしよう。



 調査を実施したのはブランド総合研究所で、全国47都道府県と1000市区町村が対象。「魅力度ランキング」は、認知度や魅力度、イメージなど全90項目の設問を設け、「地域ブランド力」を消費者が各地域に抱く「魅力」として数値化したものだ(※1)。2006年から毎年実施しており、今年が20回目となる(都道府県は2009年から調査をしており、今回が17回目)。



(※1)インターネット調査で実施。全国の消費者3万3449人の有効回答を得た。実施期間は2025年6月24日~7月9日。



トップ2位は17年連続で変わらず
東京都を抜いて4位に浮上した県は?



 まずは、ランキング上位の都道府県を見てみよう。



 2025年の都道府県魅力度ランキング1位は北海道で、70.7点。17年連続の首位を守った。ただし点数は、前年の70.8点から70.7点とわずかに低下している。



 次いで、京都府が17年連続の2位(52.6点)で、3位は沖縄県(48.6点)だった。4位には、昨年5位から順位を上げた神奈川県(43.1点)がランクインし、昨年4位だった東京都が5位(42.1点)に後退。関東の序列に変化が訪れた。



都道府県魅力度ランキング2025!初の最下位になってしまった...の画像はこちら >>


 一方、9位(35.4点)の奈良県は、前年の14位(31.1点)から大きく上昇している。纏向(まきむく)遺跡内にある箸墓(はしはか)古墳が、卑弥呼の墓と伝えられたことが注目され、大きな話題となったことが理由の一つと考えられる。観光意欲度も前年11位(46.7点)から8位(46.5点)に上がった。



 また、田中社長は他の要因として「ホテル開発の進展もあり、これまで修学旅行を中心としてきた観光から、個人旅行や外国人旅行客を取り込みへと観光構造が変化している」とコメントしている。



佐賀県は最下位から脱出できたのか?
気になる2025年の順位は



 では、下位の都道府県はどうなっているのか。



 前年46位(15.2点)から47位(13.7点)に転落し、最下位となったのは埼玉県。点数が3年連続で減少した。観光意欲度も最下位(29.1点)で、特に西日本からの観光意欲が低いのが顕著だ。



 とりわけ課題となっているのが「食」のイメージで、「食事がおいしい(6.6%)」では6年連続最下位となっている。



「うなぎ料理店数が全国トップクラスだが、食文化としての認知が広がっていない。2019年開業の『ムーミンバレーパーク』や、映画『翔んで埼玉』で一時的に順位が上がったものの、長続きはしなかった。また、若年層の居住意欲度も前年から低下している」と田中社長。



 昨年最下位だった佐賀県(14.9点)は、45位(15.4点)と、2ランクアップする結果となった。46位は茨城県(14.3点)で、昨年の45位(16.0点)から順位を落とした。



 2025年の調査では20~30代で評価が上昇した一方、40代以上は横ばいにとどまり、世代間の認識の差が鮮明になった。上位常連の北海道、京都府、沖縄県の伸び率が伸び悩むなか、神奈川県や奈良県などの躍進が象徴的である。今後も、各地域がどのように魅力を発信していくのか、引き続き注目していきたい。



(フリーライター 西嶋治美)

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