前回の記事では、ローソンと楽天の共通ポイントカード「Rポイントカード」の提携などにより「Pontaカード」の利用率が悪化する可能性について解説した。

【前編・後編はこちら】
「Pontaカード」が迎える正念場とは?(前編)「dポイントカード」と「Rポイントカード」がローソンで利用可能になると「Ponta」の1人負けに?
「Pontaカード」が迎える正念場とは?(後編)「Rポイントカード」「Tカード」の持つ強みに対し共通ポイントカード戦争をどう生き残るのか!

 しかし、「Pontaカード」が正念場に追い込まれる理由はそれだけではない。

「Pontaカード」が、コンビニエンスストア以外の争いにも巻き込まれるためだ。

 実は、ローソンで「Rポイントカード」が使えるようになるという記事が発表された日に、昭和シェル石油と出光の経営統合に関する発表があったのだ。

出光と昭和シェル石油の経営統合により
共通ポイントカードの行方は?

 2015年7月30日(木)、出光と昭和シェル石油が経営統合し、昭和シェル石油の33.3%の株を出光が保有すると発表された。

 出光は「Rポイントカード」を、昭和シェル石油は「Pontaカード」をそれぞれ採用している。しかし今後、昭和シェル石油の筆頭株主が出光になると、昭和シェル石油で貯まるポイントが「楽天スーパーポイント(Rポイントカード)」に変更される可能性がある。

切り替えでも選択制でも「Pontaカード」は厳しくなる

「Pontaカード」にとっての最悪のシナリオは、昭和シェル石油のブランドがなくなり出光ブランドに統合され、共通ポイントカードが全面的に「Rポイントカード」に切り替わることだ。その場合は「Pontaカード」の加盟店一覧からガソリンスタンドが消えることになる。

 また、完全に「Rポイントカード」一択にならず、ローソンのように共通ポイントカードの選択制になった場合でも、「Pontaポイント」より「楽天スーパーポイント」のほうが有利だろう。理由は、前回の記事でも引用したが、ジャストシステムの「ポイントに関するアンケート調査」の結果が、最もポイントを貯めているポイントとしては1位が「楽天スーパーポイント」(47.2%)、2位が「Tポイント」(34.2%)、3位が「Pontaポイント」(15.1%)となっているためだ。

 以前、楽天に「Rポイントカード」の取材をしたところ、担当者は「ポイントカードは選択制にしてもよい」という考えを持っていた。選択制になっても、消費者に「楽天スーパーポイント」を選んでもらえるという自信があるのだろう。ジャストシステムの調査結果は、それを裏付けるものになったと言える。

 共通ポイントの利用先として一番大きいのがコンビニエンスストア、次がガソリンスタンド、ファーストフード、レンタルDVDだろう。つまり、「Pontaカード」は共通ポイントカード利用先の上位2業種でシェアを一気に落とす可能性があるということだ。まさに正念場である。
(関連記事⇒楽天の新規参入でTポイント、Pontaはどうなる!?コンビニ、ガソリンスタンドなどで貯まる・使える「共通ポイント」攻略が「ポイント長者」への近道!

 以上、今回は、出光と昭和シェル石油の経営統合により「Pontaカード」がさらなる苦境に追い込まれる可能性について言及した。次回は、これまであまり触れなかった「Tカード」と「Pontaカード」の置かれている状況を比較してみよう。

【前編・後編はこちら】
「Pontaカード」が迎える正念場とは?(前編)「dポイントカード」と「Rポイントカード」がローソンで利用可能になると「Ponta」の1人負けに?
「Pontaカード」が迎える正念場とは?(後編)「Rポイントカード」「Tカード」の持つ強みに対し共通ポイントカード戦争をどう生き残るのか!

編集部おすすめ