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実施件数は30件以下と少ないながら、食料品や缶ビール、チョコレート菓子など食品・飲料類の優待が充実している10月の株主優待。また一件だけだが、今期から優待を新たに導入する銘柄もある。
自社&自社グループ商品がもらえる5銘柄をピックアップ!
最初に、自社商品や自社グループが扱っている商品がもらえる優待の中から、定番を中心に5銘柄を紹介しよう。
■自社グループ商品がもらえる注目の5銘柄[10月権利確定]最低投資金額株主優待+
予想配当利回り株主優待利回り予想配当利回り詳細情報 ロングライフホールディング(4355)/【確定月】10月3万4200円8.51%6.32%2.19%【株主優待内容】100株以上で、自社グループの有料老人ホーム、グループホームの入居一時金または入園金の10万円割引優待券1枚。及び子会社のレトルトカレー4個【備考】優待利回りはレトルトカレー(540円×4個)で計算。割引券は株主本人と2親等以内の親族に適用可 日本ハウスHD(1873)/【確定月】10月38万1000円3.94%―3.94%【株主優待内容】1000株以上で、銀河高原ビール製造の「小麦のビール缶12本セット」【備考】なし 神戸物産(3038)/【確定月】10月21万9100円3.20%1.37%1.83%【株主優待内容】100株で3000円相当、500株で1万円相当、1000株以上で1万5000円相当の自社グループ商品(輸入品やオリジナル食品など)【備考】前回の3000円相当の優待内容は、オリ-ブオイル、鮭フレーク、パスタ、レトルトカレー、ブレンドコーヒーなど、全12種類 萩原工業(7856)/【確定月】10月21万8400円2.75%0.46%2.29%【株主優待内容】100株で1000円相当、500株で3000円相当の各3アイテムから1つを選択【備考】今期から優待新設。長期保有優遇制度あり、3年以上の継続保有で100株では2000円相当、500株では6000円相当に優待額がアップ 正栄食品工業(8079)/【確定月】4,10月14万1800円1.69%―1.69%【株主優待内容】ナッツやチョコレート菓子などの、自社製品詰め合わせ(100株は10月のみ、1000株以上は4月、10月)【備考】10月優待での100株と1000株以上の詰め合わせ内容は異なる。ほかに、通販カタログ商品の50%割引券を1000株で1枚、3000株で2枚、5000株で3枚、1万株以上で5枚 ※優待内容、最低投資金額、利回りは9月16日終値時点
まずチェックしたいのが、前回から株主優待を始めた神戸物産(3038)。株式分割などがあったことで、現在の最低投資金額は21万9100円(9月16日終値で計算、以下同)。初回に比べて、だいぶ買いやすい水準になっている。
優待品は、100株保有で3000円相当の自社グループ商品。初回の内容は、玉ねぎドレッシング1リットルやパスタ500グラム、レトルトカレー5袋、ココアトリュフ200グラムなど、全部で12種類の食品だった。ボリューム満点で、満足感の高い優待と言えるだろう。
なお、500株以上、1000株以上の優待は、ボリュームがさらに増えるため、500株以上で3回、1000株以上の場合は5回に分けて優待品が発送されるとのこと。
日本ハウスHD(1873)の株主優待は、関連会社の銀河高原ビールが製造する「小麦のビール缶」12缶。こちらは、100株が1単元だが、優待がもらえるのは1000株以上なので購入する際には注意が必要だ。
また、ビールよりワイン派という人には、表には掲載していないが投資金額15万1700円で自社関連会社が扱うワインが1本もらえる巴工業(6309)がオススメ。ワインの銘柄は毎回異なるが、前回はフランス産のシャトーサンローだった。
食品がもらえる優待として隠れた人気銘柄なのが、介護付き有料老人ホームを運営するロングライフホールディング(4355)。3万円台と手頃な投資金額で、540円相当のレトルトカレー4個がもらえる。レトルトカレー分のみの優待利回り+配当利回りで8.51%とかなりの高利回り。ちなみに、利用できる人は限られそうだが、老人ホームの入居一時金・入園金の10万円分割引券の優待を考慮すると、優待利回りは298.71%という驚異の数字になる。
今回から株主優待を新設したのが萩原工業(7856)。100株保有の場合は、QUOカード、マスキングテープ、エコファミリーシート3畳の中から1点を選択できる。長期保有優遇制度も併せて導入していて、3年以上の継続保有で優待金額が倍増する。
ところで、10月優待の定番銘柄だったアヲハタ(2830)は、決算月の変更により今回から11月の優待銘柄となっている。すでに保有済みの人は、10月の権利落ちでうっかり売却しないよう気を付けて欲しい。
実質優待利回りが700%超というメガネスーパーをはじめ、優待券や金券がもらえる優待5銘柄を紹介!
続いて、優待券やサービス券、金券類の株主優待の中から5銘柄を取り上げる。
■各種優待券&金券の株主優待5銘柄[10月権利確定]最低投資金額株主優待+
予想配当利回り株主優待利回り予想配当利回り詳細情報 トップカルチャー(7640)/【確定月】10月23万6000円3.60%0.42%3.18%【株主優待内容】500円分のTSUTAYAギフト券を、500株で2枚、1500株以上で4枚【備考】全国の蔦屋書店とTSUTAYAで物品購入やレンタルに利用できる。1年以上の継続保有でもらえる優待が1.5倍に 泉州電業(9824)/【確定月】10月15万600円3.32%0.66%2.66%【株主優待内容】100株以上で1000円分のQUOカード【備考】今回より優待品が図書カードからQUOカードに変更 パーク24(4666)/【確定月】10月29万9500円2.67%0.67%2.00%【株主優待内容】100株で2000円分、1000株で5000円分、5000株以上で1万円分のタイムズチケット【備考】全国の時間貸駐車場「タイムズ」のほか、「タイムズカーレンタル」、温浴施設「タイムズスパ・レスタ」で利用可能 エイチ・アイ・エス(9603)/【確定月】4,10月25万5100円2.59%1.57%1.02%【株主優待内容】1000円分の株主優待券を、100株で2枚、500株で4枚、1000株以上で6枚。及び100株以上で、500円分のハウステンボス入場割引券、500円分のラグーナテンボス入場割引券【備考】優待券は、1万2000円以上の旅行商品で1人1枚、2万4000円以上で1人2枚まで利用可。入場割引券は最大5名まで利用可 メガネスーパー(3318)/【確定月】4,10月5500円―――【株主優待内容】100株で30%割引の株主特別優待券1枚+税抜1万円分のメガネレンズ仕立て券2枚、300株以上で株主特別優待券2枚+メガネレンズ仕立て券2枚【備考】特別優待券は5000円以上の買物に利用可、メガネレンズ仕立て券は3万円超のレンズには2枚同時に利用可能 ※優待内容、最低投資金額、利回りは9月16日終値時点
メガネを買いたいと思っている人限定の「イチオシ銘柄」がメガネスーパー(3318)。投資金額5500円で、30%割引の株主特別優待券と税抜1万円分のメガネレンズ仕立て券2枚がもらえる。レンズ仕立て券は、3万円未満のレンズには1枚のみ、3万円超のレンズなら2枚まとめて使用可能だ。
メガネスーパーの優待は4月、10月の年2回実施のため、そこから優待利回りを計算した場合はなんと727.28%にもなる。
トップカルチャー(7640)の優待品は、蔦屋書店とTSUTAYAで使えるギフト券。全国に店舗があるので、誰にとっても使い勝手がよいのはうれしいポイントだ。前回から、優待獲得のための最低取得株数が500株に変更されているので、その点は十分に気を付けたい。
今回、優待内容を図書カードからQUOカードに変更したのが泉州電業(9824)だ。ただし、優待金額は以前と変わっていない。10月は汎用性の高い金券類の優待が非常に少なく、ほかにQUOカードがもらえるのは、前述の萩原工業と表には掲載していないが学情(2301)のみ。優待+配当利回りは、泉州電業が3.32%と最も高くなっている。
なお、10月31日(月)が権利確定日の銘柄は、3営業日前の26日(水)が権利付最終売買日。目当ての銘柄がある人は、必ず最終売買日までに決められた単元数を購入しておくこと。日本ハウスHDやトップカルチャーなど優待取得には複数単元が必要な銘柄もあるので、購入前の確認は怠りなく!
2015年10月に権利確定する株主優待情報をザイ・オンラインが徹底調査!
実施件数はかなり少ないながら、ビールやジャムなどがもらえる人気の銘柄が複数ある10月の株主優待。定番&注目の銘柄のほか、今回からの新設・拡充銘柄など最新情報をまとめてご紹介! さらに、最近増えているREITの株主優待についても見ていこう。
まずは、食品・飲料など自社グループ商品がもらえる株主優待から、定番3銘柄+新設の1銘柄を紹介しよう。
【表1】自社商品がもらえる定番&新設の株主優待番号最低投資金額株主優待利回り予想配当利回り詳細情報1【会社名(コード)】日本ハウスホールディングス(1873)/【確定月】10月50万円―4.00%【株主優待内容】1000株以上で、関連会社である銀河高原ビール製造の「小麦のビール缶12本セット」【備考】特になし2【会社名(コード)】アヲハタ(2830)/【確定月】10月26万円0.38%0.58%【株主優待内容】100株で1000円相当、1000株で3000円相当の自社商品詰め合わせ【備考】前回の100株優待品は、ジャム3種とパスタソース1袋の計4品3【会社名(コード)】神戸物産(3038)/【確定月】10月110万7000円0.27%0.72%【株主優待内容】100株で3000円相当、500株で1万円相当、1000株以上で1万5000円相当の自社グループ商品【備考】今回から優待新設4【会社名(コード)】正栄食品工業(8079)/【確定月】4,10月12万7100円―1.42%【株主優待内容】自社製品詰め合わせ(100株は10月のみ、1000株以上は4月、10月)。ほかに、通販カタログ商品の50%割引券(1000株で1枚など)【備考】10月優待での100株と1000株以上の詰め合わせ内容は異なる ※株主優待内容、最低投資金額、利回りは9月24日終値時点
今年5月に社名を変更した日本ハウスHD(1873)でもらえるのは、関連会社の銀河高原ビールが製造する「小麦のビール缶」。名前の通り、小麦麦芽を贅沢に使ったこだわりのビールで、まろやかな味わいにはファンが多い。
ビール好きにはオススメの株主優待だが、取得株数には注意して欲しい。株主優待の獲得には10単元、つまり1000株が必要になるためだ。ちなみに、配当利回りは4%となかなかの高利回りで、配当狙いでもなかなか魅力的な銘柄と言えるだろう。
また、チョコレートやナッツ類の詰め合わせがもらえる正栄食品工業(8079)も定番の人気株主優待のひとつ。こちらは、年2回株主優待を実施しているが、100株保有の場合は年1回、10月のみの実施となる。
もちろん、1000株以上の保有なら4月と10月に優待品がもらえて、株主優待の内容も100株よりゴージャスになるが、投資金額は127万1000円(9月24日終値で計算、以下同)とかなり高めに…。投資金額を抑えながら、株主優待も手に入れたいという人は10月を狙うのがオススメだ。
今回から新たに自社商品の株主優待を導入したのが、業務スーパーを展開する神戸物産(3038)。
次に、各種の株主優待券と汎用性の高い金券類の優待をチェックしていこう。
【表2】各種サービス券&金券の注目の株主優待番号最低投資金額株主優待利回り予想配当利回り詳細情報1【会社名(コード)】学情(2301)/【確定月】10月10万4500円0.48%2.30%【株主優待内容】100株以上で、500円分のQUOカード【備考】特になし2【会社名(コード)】メガネスーパー(3318)/【確定月】4,10月5000円10.00%―【株主優待内容】30%引で購入可能な株主特別優待券を、100株で1枚、300株以上で2枚。ほかに、100株以上で2万円相当のメガネレンズ仕立券、500円分のQUOカード(4月のみ)【備考】優待利回りはQUOカードのみで算出。特別優待券とメガネレンズ仕立券は併用可能3【会社名(コード)】東和フードサービス(3329)/【確定月】4,10月39万4500円1.27%0.76%【株主優待内容】500円分の優待食事券を、100株で5枚、200株で10枚、600株で20枚、1000株以上で30枚【備考】今回から優待拡充。ダッキーダックやスパゲティ食堂「ドナ」などの自社店舗で利用可能。優待食事券に代えて、自社製品詰合せの選択も可4【会社名(コード)】ファースト住建(8917)/【確定月】4,10月12万8200円0.78%2.89%【株主優待内容】100株で500円分のQUOカード、300株以上で自社選定商品から1品を選択【備考】前回の300株以上保有の優待は、ユーハイム洋菓子、ワイン、梅干しなど7品から1品を選択 ※株主優待内容、最低投資金額、利回りは9月24日終値時点
今回から株主優待を拡充したのが、東京都を中心にダッキダーックや椿屋珈琲店などの飲食店を展開する東和フードサービス(3329)。100株保有の場合、株主優待券の金額はこれまでの年間3500円分→5000円分と1.4倍にアップした。なお、株主優待券の返送で、コーヒー豆と焼き菓子などの自社商品詰め合わせを受け取ることも可能だ。
一方、【表2】には掲載していないが、株主優待の変更で獲得のハードルが上がったのがトップカルチャー(7640)。これまでは300株保有で株主優待がもらえたのが、今回からは500株以上に。また株主優待品もこれまでのレンタル株主優待券または図書カードから、TSUTAYAギフト券に変更となっている。
メガネスーパー(3318)は、10月優待のうち投資金額が最も少なくて最低投資金額はなんと5000円。これで、メガネを30%引きで購入できる株主優待券と2万円相当のメガネレンズ仕立券がもらえる。メガネを作りたいと思っている人にとっては、メリットの大きい優待と言えるだろう。
500円分のQUOカードももらえるが、こちらは4月のみの優待品なので注意が必要だ。なお、同じく4月・10月の株主優待銘柄であるロック・フィールド(2910)も、そうざい券がもらえるのはやはり4月のみ。10月の優待は、工場見学会などへの招待(抽選)になる。
QUOカードなどの金券類の株主優待では、前述のメガネスーパーが圧倒的に「小投資金額&高優待利回り」だが、ほかには昨年から学情(2301)がQUOカードの株主優待を新設。また図書カード派には、表には掲載していないが1000円分のオリジナル図書カードがもらえる泉州電業(9824)(投資金額17万4000円)がある。
分配金だけじゃない、REIT(不動産投資信託)で株主優待も狙える!?ところで最近は、REITでも株主優待を導入するところが徐々に増加中だ。もともと高利回りで人気のREIT銘柄で、株主優待まで楽しめるのはうれしい限り。10月権利の銘柄では、星野リゾート・リート投資法人(3287)と日本ヘルスケア投資法人(3308)で株主優待を実施している。
【表3】10月のREIT株主優待番号最低投資金額株主優待利回り予想分配利回り詳細情報1【REIT名(コード)】星野リゾート・リート投資法人(3287)/【確定月】4,10月108万円―3.43%【主な優待内容】2000円相当が割引される投資主優待券を1口につき1枚、上限10枚【備考】星のや軽井沢、リゾナーレ八ヶ岳、界 松本、界 箱根など、自社保有の宿泊施設で1枚につき1名利用可能(一部除外施設あり)2【REIT名(コード)】日本ヘルスケア投資法人(3308)/【確定月】4,10月19万2000円―4.11%【主な優待内容】1株以上で、高齢者施設の入居一時金割引券や体験入居無料券など【備考】株主優待対象施設の運営企業は、チャーム・ケア・コーポレーション、ワタミの介護、さわやか倶楽部、ニチイ、シダー、日本介護医療センター、ウイズネット、シルバーハイツ札幌 ※株主優待内容、最低投資金額、利回りは9月24日終値時点
星野リゾート・リート投資法人の株主優待は、人気の星野リゾートの運営施設で使える2000円相当の優待券。また、日本ヘルスケア投資法人の株主優待は、投資先である各社の高齢者施設への入居金割引や無料体験などがメインだが、ニチイが運営するCOCO塾やCOCO塾ジュニアの入会金無料やニチイライフの家事・育児・自費介護サービスの割引も受けられるので、「高齢者施設には縁がない」という人でも優待がムダになることはなさそうだ。
なお、10月以外のREIT銘柄では、2月と8月が権利月の大和ハウス・レジデンシャル投資法人(8984)や6月のジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)が株主優待を導入していて、どちらも宿泊割引などの株主優待が受けられる。
最後に、毎度の注意になるが、株主優待は権利確定日の3営業日前までに、必要な単元数を購入しておかなければ獲得できない。10月末が権利日の銘柄の場合は、27日(火)が権利付きの最終売買日になる。今回紹介した日本ハウスHDやトップカルチャーのように株主優待の獲得には複数単元が必要な銘柄もあるので、事前にしっかり確認して欲しい。