凸版印刷株式会社は、2015年より、雑誌やコミックなどをスマートフォンなどのブラウザ上で読むことができる法人向けコンテンツ配信事業「店舗・施設向け読み放題サービス」を展開している。今回、病院や宿泊施設、カーディーラーなどの店舗・施設(以下、店舗等)の来店者・利用者向けに、読み放題サービスのアプリ版である「読み放題プレイス」を開発、2022年1月より提供を開始したと発表した。
2015年よりサービスを提供しているウェブブラウザ版では、固定IPアドレスが設定されているWi-Fiの設置が認証の必須条件となっており、このことが店舗等によっては導入への大きな障壁となっていたという。それに対し、今回開発したアプリ版は独自の認証方式を採用しており、店舗等にWi-Fi環境があればすぐに導入できるようになった。さらに今回同時リリースした「ソフトウェア開発キット」を使うことで、各店舗等が提供する来店者等に向けたアプリに読み放題機能を組み込むことができるようになり、店舗等にとっては顧客サービスの一本化と強化にも繋がるとのことだ。
■開発の背景
待ち時間の顧客向けサービス、あるいは来店者等の店内滞留時間を増やすための施策として紙の雑誌やコミックを用意していた店舗等が、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、衛生面での配慮を理由にデジタル媒体に切り替える動きが活発になっている。凸版印刷が2015年にサービスを開始した「店舗・施設向け読み放題サービス」は、来店者等が保有するスマートフォンなどで本の読み放題を可能とするものだが、サービス導入時に店舗側での必須条件となっていた固定IPアドレスの設定は、店舗等によっては導入の障壁となるケースが増えていたという。