株式会社MaaS Tech Japanは、同社の移動情報統合データ基盤「TraISARE」のユースケースとして公開した混雑情報ダッシュボード「PeopleFlow」を活用し、混雑予測情報提供を通じた行動変容提案の可能性に関する評価検証を目的とした調査を実施し、その結果を公表した。
本調査により、移動時間や行き先を変更できないやむを得ない理由がない「PeopleFlow」利用者(以下、変更可能ユーザー)のうち55.8%に、移動時間を変更しようと考える意識変容が生じ、うち95.8%が実際に移動時間を変更したことを確認し、混雑予測情報を通じた行動変容提案に一定の効果があることが確認できたという。■背景・目的
MaaS Tech Japanでは、様々な移動関連データのシームレスな連携を実現する移動情報統合データ基盤「TraISARE」の開発を進めているが、2021年5月、TraISAREのユースケースとして、混雑予測情報を提供する混雑情報ダッシュボード「PeopleFlow」を公開した。PeopleFlowは交通データと人流データを組み合わせた分析により、平常時だけでなく、電車の遅延発生時等イレギュラー時における混雑参考情報を提供し、人々の混雑を避けた安心・安全な移動を支援することを目的としており、公開に合わせ、PeopleFlowを活用した混雑予測情報提供による人々の行動変容提案の可能性について評価検証として、利用者を対象とした意識変容・行動変容に関する調査を行ったとのことだ。
■調査結果
1. 意識変容・行動変容移動予測情報の提供による利用者の移動に関する意識変容・行動変容に関する調査結果は以下のとおり。
(1) 調査対象者238名のなかの変更可能ユーザー86名のうち、55.8%が、目的地の混雑を知り、移動時間を変更しようと考え、そのうち95.8%が、実際に移動時間を変更したとの結果を得たことから、混雑予測情報の提供は意識・行動変容に一定の効果があることが確認できた。
混雑予測情報サービスに対する有益性、利用意向に関する調査結果は以下のとおり。
(1) PeopleFlowの混雑予測情報サービスについて、89.5%が社会に「役立つ」、81.5%が「利用したい」とそれぞれ回答し、その有用性が確認できた。
1. 調査方法
インターネット調査
2. 調査実施期間
2021年5月12日(水)~2021年5月17日(月)
3. 調査対象者
1都3県在住で以下の条件に合致している人
-週2回以上外出実績を有する
-移動手段として鉄道を最も多く利用している
4. サンプル数
238