三井不動産株式会社は、グループ長期経営方針「VISION 2025」で掲げる「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」の実現に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に積極的に取り組んでおり、DX進捗状況を、「2020 DX白書」として初公開した。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、人々の働き方・くらし方は大きく変化し、それに伴いDXは急速に発展している。■「2020 DX白書」の主な内容
「2020 DX白書」では、同社グループのDX推進において、顧客満足度向上・社会課題の解決を目指す「事業変革」と、生産性・従業員満足度向上のための「働き方改革」、それらの実現のために整備すべき「推進基盤」の各領域について、それぞれの注力テーマおよび推進事例をまとめている。0.三井不動産のDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けての社長メッセージ
1.DX VISION 2025(グループのDX方針)
2.事業変革領域での推進事例
3.働き方改革領域での推進事例
4.DXを支える推進基盤・体制
■DX VISION 2025
同社では、社会課題である人口減少・少子化・高齢化の本格的な進行に加え、デジタル技術の加速度的進化による顧客のニーズの多様化に対応していくため、2018年にグループ長期経営方針「VISION 2025」を策定している。そのビジョンの一つである、「テクノロジーを活用して、不動産業そのものをイノベーション」を実現すべく、同社グループのDX推進における注力テーマを「DX VISION 2025」としてまとめている。■各領域での推進事例 (「2020 DX白書」の中から一部抜粋)
事業変革領域での推進事例1.オフィス:ICTを活用したサテライトオフィスやサービスで、顧客の新しいワークプレイスづくりを支援
2017年から展開している法人向け多拠点型シェアオフィス「ワークスタイリング」では、ICTを活用することで、利用者にセキュリティと利便性の両方に優れたテレワーク環境を提供している。2020年12月からは、個室特化型サテライトオフィス「ワークスタイリングSOLO」も開始。2020年度末には116拠点となる見込みだ。こうしたサービスや従来の拠点型オフィスを組み合わせることで、顧客の新しいワークプレイス・ワークスタイル構築や変革を支援する。
2.街づくり×ヘルスケア:生活をより豊かにするポータルサイト「スマートライフパス柏の葉」提供開始
「スマートライフパス柏の葉」は、柏の葉の住民であれば誰でも登録できるポータルサイト。利用者は、提携の各ヘルスケアサービスを利用できる。
働き方改革領域での推進事例 (13~15ページより一部抜粋)
1.新決裁会計システム刷新
2016年9月より決裁・会計の基幹系システムの全面刷新に取り組み、2019年4月に新システムを導入した。独立していた決裁システムと会計システムの統合、押印レス・ペーパーレス・モバイル化、およびフルクラウドでの刷新を実現。業務標準化・BPRを徹底したこともあり、受発注・会計業務の35%削減につながった。
DXを支える推進基盤・体制 (16~21ページより一部抜粋)
1.IT人材の中途採用進展とDX本部への組織強化
DXの更なる推進強化を目的に、ITイノベーション部を二部体制のDX本部へと組織強化を実施(2020年4月)。
2.DX推進組織「イノベーションハブ」
グループ全事業でのDXを加速するため、DX本部のほか、スタートアップとの連携を目的とするベンチャー共創事業部、ライフサイエンス領域エコシステムを創出するライフサイエンス・イノベーション推進部、不動産テック領域の新規事業創出を目的としたビジネスイノベーション推進部、アカデミアとの連携を目的とした産学連携推進部の5部門がそれぞれの強みを生かして各事業部・グループ会社・社外のパートナー企業と共創して推進している。