様々なスポーツから日本サッカー発展のヒントを探るシリーズの今回は、沖縄県沖縄市をホームタウンとする琉球ゴールデンキングスに着目。
番組では、そんなキングスの本拠地でもある沖縄市コザ地区に誕生した沖縄アリーナを取材。いかにして人々を魅了するクラブになったのかを紐解いていった。地域活性化を目的に沖縄市が建設を進めていた沖縄アリーナは、2021年に完成。実は、キングスも設計段階から深く関わっており、アリーナの内部には極上のエンターテインメント空間が広がっていた。
試合前は音楽ライブさながらのショーアップされた演出で、会場のボルテージは最高潮に。
地域に愛され、文化となるクラブを目指したキングスは「沖縄をもっと元気に!」という理念を掲げ、ゴミ拾いやスタディードリルの配布など、地域貢献活動にも注力。キングスのマスコットキャラクターであるゴーディーが、各学校の校門に立って子どもたちと一緒に朝のあいさつをする“あいさつ運動”には、解説の都並敏史も「それいいわ! 親御さんも喜ぶしね。他の方からも今までいろんな話を伺ってきたりしましたけど、一番新しかったですね」と、キングスの施策を絶賛した。
そして、沖縄を元気にする拠点として3年前に建てられた沖縄アリーナにも、来場者を喜ばせるための仕掛けが髄所に施されている。沖縄市とキングスがこだわったのは、非日常空間を彩るエンターテイメント性。アリーナはどこまでも観客目線で、常に試合を見る人のことを考えた設計がされていた。
例えば、座席の幅。8,500人が収容できるキャパシティは確保しつつも、快適に試合を観戦できる座席の幅を探りながら、微調整を行っていったという。また、5階建てのアリーナは縦に伸びた“すり鉢状”になっており、どこからでも試合が見やすくなっているのも特徴の一つ。
他にも、天井から吊り下がるNBAさながらの超大型ビジョンや、トイレの利用状況が一目瞭然のパネル、デジタルアトラクションを備えたキッズスペースなど、見やすさと過ごしやすさを追求した結果、地元のファンだけではなく、全国から大勢の人々が足を運ぶようになったのだとか。
MCの勝村政信が「すり鉢状って、音が回るのですごいんですよね」「照明が全部当たるじゃないですか。いいですね」と数々の工夫に感心すると、都並は「基本的にスポーツ選手って目立ちたがりですから、さらに盛り上がっちゃいますよ。そうなってくると良いプレーにつながる」と、きらびやかな会場が選手たちのプレーにも影響すると主張した。
また、試合当日のVIPラウンジでは結婚式を開催。
さらに、試合のない日でも、常設のグッズショップやカフェがオープン。
試合がない日には、ライブコンサートや企業系のイベントなどを開催することもでき、今年のアリーナの稼働率は現時点で7割。クラブとアリーナの売り上げは右肩上がりに伸び続け、昨シーズンは30億円を達成した。
次回、5月11日の放送は後半戦として、沖縄市の街に繰り出し、キングスが挑む地域活性化の取り組みに迫る。