公安委員会が制限速度を決めるに当たって判断材料の基礎にするのは、その道路の設計速度だ。設計速度とは、この速度以内なら安全性が高いという意味で、道路構造令により、本線や路肩の幅員や曲率、勾配などによって決められる。
高速道路の場合、地方部は第1種、都市部は第2種に分類され、第1種は第1級が設計速度120~100km/h、第2級が100~80km/h、第3級が80~60km/h、第4級が60~50km/h。第2種は第1級が80~60km/h、第2級が60~50km/h。制限速度がこれを上まわることは、基本的にない。
例えば、東京湾アクアラインは制限速度80km/hで、首都高横浜北西線は同60km/hだ。なぜこんな差が生まれるかというと、アクアラインは第1種第2級で設計速度80km/hだが、横浜北西線は都市高速なので第2種第1級となり、設計速度は60km/hなのだ。
ドライバーとしては、トンネル部はどちらもまったく同じ構造に感じるが、北西線はアクアラインより路肩の広さが25cm狭かったりする。「それだけかよ!」と突っ込みたくなるが、それがお上というものだ。
〈文=清水草一〉
モータージャーナリスト。大乗フェラーリ教教祖にして、高速道路研究家である。