【川名賢のフランスラリー参戦記 04】憧れのステージに興奮が止まらない！ 参戦前になぜかラリー・モンテカルロ ツアー？

■お久しぶりのコ・ドライバー
さてフランスラリー挑戦記も4回目を迎えました。
この日はキャシーさんの家にホームステイ！
まずはキャシーさんの自宅の朝焼けからどうぞ！



キャシーとは2015年のベルギーのラリーで知り合い、そのあと全日本ラリーで3回ほど組んだコ・ドライバーです。そのキャシーさん、3年合わない間にママになっておりました。




1歳になるエタン君とキャシーの旦那さんのブノワ。
じつはブノワもコ・ドライバーで、この一家は夫婦共々コ・ドライバーなんです。

そしてブノワは今回なんと！ あの伝説のドライバー、ジル・パニッツィ選手のコ・ドライバーとしてラリーモンブランに参戦です！ このニュースを聞いたのはフランスに行く直前だったので、僕も聞いて大興奮でした！ パニッツィ選手との交流の模様も次号以降で書きたいと思います！

今日からラリーのホストタウンになるモルジーヌに向けて移動開始。途中の山道はこれまた素晴らしい景色で、峠から地中海が見渡せます。



そして通過した道は、フランス選手権の「ラリー・アンティーブ・コートダジュール」のステージの一部で、2015年に走ったことのある道でした（笑）



人工物と自然がとてもいいバランスで調和していて、すばらしい造形美を構築していました。



こんな景色のなかを全開で走れるって、想像しただけでもワクワクしますよね！

■フランスの景色ってなぜこんなにキレイなの？
途中湖に寄り道。
海が遠い地域では湖で海水浴を楽しむ文化があるようです。




ニースからモルジーヌまではクルマで6時間ほどかかるので、この日はキャシーのラリー仲間が住む「システロン」という街まで移動し、そこでホームステイで1泊することになりました。システロンはWRCラリー・モンテカルロで知られている街でして、同じくモンテのホストタウンとして有名な「ガップ」という街のすぐ近く。ホームステイ先のホストの家は、モンテのステージのすぐ近くじゃありませんか！　そしてステイ先のホストは、なんとモンテの２輪駆動クラスで優勝経験のあるドライバーでした！！


フランク・シアス選手（写真右）



見ての通り、すでにモンテに僕の一生分は参戦してますね（汗）。ちなみに僕は未経験ですが、40歳までに参戦予定です（笑）。

みんなでラリーの話で盛り上がっていると、コースに連れて行ってくれることに！！



フランスのステージはどこもすばらしい景色のなかを走りますね。

■ここが、あのモンテカルロの……



「ノヴィコフ」や「オジェ」など、コースにはファンが書いた選手の名前がありました。
フランクのもあるようですが、本人もどこに書いてあるか知らないとのこと（笑）

モンテは毎年1月に行われるので、ターマック／スノー／アイスと路面コンディションが刻々と変化することで有名です。今回フランクが運転しながら、「ここは毎年ドライで、ここから先はアイスだよ！」とか「ここでサインツ、ここでマキネンがクラッシュしたよ」とか……。よくよく聞いたら全部コース覚えてるんですって（汗）。ラリーもコースを覚えたもの勝ちなんですね……。

フランクも小さい頃からラリーを見てきて、家の横がモンテのステージだったそう。もうね、日本と文化が違いすぎます。生まれた瞬間にスタートラインがまったく違うことに愕然としながらも、すばらしい経験ができました。

それと、このコーナーがわかったらかなりのラリーオタク認定です！



有名なイタリア人ドライバー、ジャンルイジ・ガリがバックギアドリフトを決めたコーナーです。
動画で見るよりはるかに道幅が狭くて、WRCドライバーのすごさを改めて肌で感じました。

こんな感じで、まだ本題のラリーにたどり着く前に濃密すぎる経験をしまくっていますが、まだまだ濃密な挑戦記は続きますので、引き続きよろしくお願いします！

【川名 賢（かわな・すぐる）】
2019年にFIA アジア・パシフィックラリー選手権（APRC）のAPRC3クラスでチャンピオンを獲得した、国際ラリー経験豊かな若手ラリースト。全日本ラリー選手権の王座や、優勝、チャイナ・ラリー選手権での優勝などタイトルは数知れず。ヨーロッパでのラリー参戦は2015年以来となる。プジョーの最新ラリーカーでどこまで欧州勢と戦えるのか、注目だ！