今回、新型ランドクルーザー250の発表と同時に、2023年の冬に復活販売が決まったランドクルーザー70。前回の日本導入時はヘッドライトが角目だったが、久しぶりに丸目が復活、よりオリジナルの70に近い雰囲気になった。
【画像】ランクル70の丸目ヘッドライト
雪の多く降る地域や国では、発熱量の少ないLEDでは雪が付着して視界が悪化するのでは? ランクル70の開発、改良をずっと手掛けてきたトヨタの誇る“70マイスター”の小鑓貞嘉(こやり)主査に聞いてみた。
「ヘッドライトがLEDになっているのは日本だけです。あと、70は積雪の多い国では販売していません。確かに国内でも雪の多い場所はありますが、多少の雪なら大して暗くなりません。あとは、ご自身でケアしていただければと。それよりもLED化したことによって、かなり明るく照らせるようになり、夜間の視認性が向上したことのほうが大きいです」
丸目のLEDヘッドライトは日本専用だったとは!
■リヤコンビランプ変更の秘密
次にリヤ側にまわりこんでみると違和感が。リヤコンビランプの配置が変わっている…。
ランクル70がデビューしたてのころ、リヤコンビランプはボディ側に付いていた。しかし2014年の復活販売の際は、法規が変更。観音開きのバックドアを開けた状態でもランプが見えないとダメで、そのままだとスペアタイヤが装着されている側が見えなくなってしまう。そのため、ランプ類(バックランプを除く)はバンパー部に移設することになったのだ。
「実はもともと(2014年復活販売のランクル70)、ダミーのランプがボディ側に付いていただけで、バンパー部しか光らないんです」(小鑓さん)
今回の復活販売に際して、「ムダな部分はなくしたい」とのことでダミーランプが外された。しかもバンパー内蔵のリヤコンビランプも改良されており、より奥側へ、そして両端にあった丸いリフレクターもオフロード走行時に引っ掛けて壊れないように、バンパーに埋め込まれているのだ。
70というクルマには本当にムダな改良がない。何かが変わればそこには必ず意味がある。まさに“機能美”という言葉がこれほど似合うクルマも、そうそうないのではないだろうか。
〈文=ドライバーWeb編集部〉